勇気ある男の夢から始まったジョルジオ アルマーニ、「ホライゾン ファウンデーション」の挑戦

勇気ある男の夢から始まったジョルジオ アルマーニ、「ホライゾン ファウンデーション」の挑戦

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2023/01/25

眼球の難病「網膜色素変性症」の周知と研究資金の調達を目的に、2022年に発足した財団法人「ホライゾン ファウンデーション」。世界的ファッションブランドのジョルジオ アルマーニがサポートするその財団は、病いに負けず、夢を諦めなかった男の勇気と情熱から生まれた。

光を奪われることもある難病へ立ち向かう

“水平線(Horizon)は、日の出を生じさせることにより、毎日が新しいスタートのチャンスであることを思い出させてくれる”

これはフランスの整骨医でモデルでもあるベンジャミン・デマルキリー氏が、2022年1月に設立した財団法人「ホライゾン ファウンデーション」の掲げるモットーのひとつだ。このポジティブで希望に満ちたモットーこそ、ベンジャミン氏、そして同氏を支援するジョルジオ アルマーニが財団に込めた思いを明確に体現している。

「網膜色素変性症」という病いをご存じだろうか。聞き慣れないが、世界中で約4000人に1人の割合で発症する眼球の変性遺伝性疾患であり、進行すると社会的失明(視力0.1以下)または医学的失明(暗黒)に至る場合もあり、根本的な治療法は確立されていない。ベンジャミン氏は約8年間の猛勉強の末に晴れて整骨医となった翌年の2019年、網膜色素変性症の診断を受けた。だが、打ちひしがれていたところをフォトグラファーで現在も仕事のパートナーである、クレマン・ラガルディア氏にモデルの仕事を誘われて承諾。そこからベンジャミン氏の新たな運命の歯車が回り始める。

モデルとして世界中の美しい都市を巡り、多くの人々と出会うことで活力を取り戻した彼は、兼ねてからの夢だったセーリングによる大洋横断を通し、網膜色素変性症を広く知らしめ、募金を募って研究する医療機関を支援する「ホライゾン プロジェクト」を考案。そしてモデルの仕事をしたジョルジオ アルマーニに提案するとスポンサードを快諾され、プロジェクトの正式スタートとともに財団設立に至ったのだ。

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ジョルジオ アルマーニ初となるセーリング向けのカプセルコレクションを着たベンジャミン氏とクレマン氏。同コレクションの広告ビジュアル撮影は、ホライゾン ファウンデーションの制作チームが担当した。(HORIZON FOUNDATION photograph / Clement Laguardia)

「私にとってジョルジオ アルマーニは崇拝すべき存在です。最初はそのオーラとパワーに圧倒されましたが、歓迎され、共感を抱いてもらえたことで、シンプルでポジティブなマインドと温かなハートを携えた、けっして人を遠ざけない人間味溢れる企業であると確信しました。そしてその製品のクオリティと身に纏った際のエレガンスに心から感動し、彼らとの仕事を楽しみました。比類なきグローバル企業ですが、私には大きな家族のように感じられるのです」

--{夢も仕事も諦めない不屈の勇気と挑戦心}--

夢も仕事も諦めない不屈の勇気と挑戦心

ベンジャミン氏はジョルジオ アルマーニをこのように語る。悲嘆に暮れ、諦めかけていた夢に再びチャレンジし、啓蒙と資金調達によって病いにも立ち向かおうとしている同氏。1975年の創業以来、変化を恐れず、常に時代が求める新しい男性像を世に問うてきた巨匠ジョルジオ・アルマーニ氏が、ベンジャミン氏の不屈の勇気と精神力、そして驚嘆すべきチャレンジスピリットに共鳴したのも頷ける。だが、ベンジャミン氏の特筆すべき点は他にもある。ホライゾン ファウンデーションを単なる募金の受け皿にするのではなく、クリエイティブチームとしても捉えて活動している点だ。

「発足以来、私たちは男女のモデル、フォトグラファー、映像制作、アナログ映像カメラマンの友人同士5人で小さなチームを作り、広告キャンペーンの制作などを行ってきましたが、現在はファッションとセーリングに関するプロジェクトに取り組んでいます。もちろん、どんな相談にも耳を傾ける準備があり、クライアントがエベレスト登頂のレポートを希望すれば、検討します(笑)。ブランド初のセーリングカプセルコレクションの広告ビジュアル撮影など、これまでジョルジオ アルマーニのコンテンツはいくつか手掛けてきました。

私たちはこの財団を可能な限り発展させ、具現化し、人々に私たちのことを話題にしてもらいたい。そして網膜色素変性症の医学的研究資金を集めるために、あらゆることをするつもりです。私たちとパートナーシップを結び、コラボレーションを希望するブランドのために働きながら、病気を認知させるために世界中を巡り続けたい。アパレルブランドを立ち上げ、売り上げの一部が直接医療研究に使われるような事業も考えています。私の究極の夢は、私たちが望むすべてのプロジェクトが実現し、世界中のさまざまな進歩的研究機関を支援するファウンデーションを設立すること。そしてセーリングヨット“ホライゾン号”を手に入れることなのです」

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ベンジャミン氏のガールフレンドであるエルヴィラ氏(左)は、建築家にして広告女優であり、ホライゾン ファウンデーションにも参加。同財団の制作チームは仲のよい友達同士であり、チームワークも抜群だ。(HORIZON FOUNDATION photograph / Clement Laguardia)

--{夢を叶えるために水平線の彼方を目指す}--

夢を叶えるために水平線の彼方を目指す

財団を設立する時点で、ベンジャミン氏の視野はすでに約30%も失われていたという。そんな病状にもかかわらず、勇気を奮い立たせて夢を追う。そして仕事も諦めず、クリエイティブな新境地を切り拓く。ホライゾン ファウンデーションには募金だけではなく、パートナーシップの締結や仕事の依頼、グッズの購入など、さまざまな形でコミットできるようになっている。こうした財団を自ら率いるベンジャミン氏の勇姿は、世界中で約150万人とも言われる網膜色素変性症に苦しむ人々を勇気づけ、夢と希望を与えるに違いない。

「網膜色素変性症と診断されると、誰もが後頭部を殴られるようなショックを受けますが、それは当たり前のこと。普通の人間なら、受け入れるには時間がかかります。少しずつ治療を始め、周囲を見渡せるようになると、自分だけではなく、誰にとっても人生は長く穏やかな川とは程遠い、障壁だらけであることに気付くでしょう。

しかし、障壁は大きいですが乗り越えられないものではないのです。私自身、一連の出来事により、人生がいかに貴重で美しいかを実感しました。医学と遺伝子治療は、近年稀に見る進歩を遂げています。網膜色素変性症の臨床試験は初期段階で効果を上げているのです。だから、同じ病いで苦しむ人々に言いたい。もうすぐです。お互い頑張りましょうと。目だけでなく健康全般に気をかけ、体を労わりながら乗り切りましょう。読んだ本や医師に聞いた話からは、今後数年で解決策が提示されると、私は確信しています。いずれにしろ、私たちはできる限り早く、それが実現するために努力するのみです」

ベンジャミン氏らがセーリングによる大西洋横断に挑戦し、その準備や航海の様子をジョルジオ アルマーニのソーシャルメディアに順次アップ。資金調達のサポートとする「ホライゾン プロジェクト」は、ついに2023年1月中にアフリカ大陸西端のスペイン領カナリア諸島を出発。同年2月中にカリブ海へ到着予定だ。夢の水平線を乗り越えんとするベンジャミン氏の飽くなき挑戦を刮目していきたい。

「整骨医となって移り住んだカリブ海のフランス領マルティニークでセーリングに魅了され、仲間が語るさまざまな航海の話に感化された私は、いつか自分も海を渡るのだと確信していました。それが今、ジョルジオ アルマーニのサポートを受け、実現するとは想像すらしていませんでした。そのことに、とても興奮しています。これまで私は、人生の瞬間を一つ一つゆっくりと静かに味わうことを学び、実際にそう生きてきました。ですがこれからは、セイルを高く上げて、スピードアップしていきたいと思っています」

◎お問い合わせ
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
03-6274-7070

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