
クラウドファンディングへの協力を呼びかけるリリーさん(中央)と樋口館主(左)=2023年3月18日午後4時48分、小倉北区城内で伊藤和人撮影
2022年8月に発生した旦過市場(北九州市小倉北区)一帯の火災で全焼した老舗映画館「小倉昭和館」が、再建に向けて必要な資金を募るクラウドファンディング(CF)に乗り出す。樋口智巳館主と、「応援団長」を務める北九州市出身の俳優、リリー・フランキーさんが18日発表した。
同館は23年12月再開を目指し、被災前の場所に4月着工予定。建設費は土地を所有する不動産会社が負担する一方、映写機やスクリーン、座席など館内の設備は昭和館が準備する。総額約4400万円を見込み、うち3000万円をCFでまかなう。3000~20万円の9コースで、金額に応じて特製ポストカードやエコバッグ、年間パスポート券などの返礼がある。
「応援団長」のリリーさんは「昭和館は街になくてはならない文化。人々が集えて食事もでき、映画を見ない人も来てくれる場所になればいい。皆様の応援に頼るしかない」と呼びかけた。奈良岡朋子さんや光石研さん、村田喜代子さん、田中慎弥さんら親交のある映画人、作家らも応援メッセージを寄せた。
CFはインターネットサイト「CAMPFIRE」内で20日午後7時スタート。期間は4月30日まで。銀行口座を通じた募金も実施中。同館(093・600・2923)。【伊藤和人】
毎日新聞