
千葉・君津市内を流れる、小糸川。
静かに流れるこの川だが、4日前は、赤茶色に変色していた。
流れ込んだのは、近くの製鉄所から出た、有害物質を含む液体。
製鉄所で、何が起きたのか。
異変が明らかになったのは、6月19日の正午過ぎ。
付近の住民から、「水路の水が赤くなっている」と、119番通報が寄せられた。
当時撮影された写真を見ると、川の広い範囲が赤茶色になっているのがわかる。
異変を目撃した住民は、当時の様子を「(異変は19日)日曜日だね。赤黒いというか、ものすごい色だった、形容しがたい色。すごい色で、魚が死んで、どんどん浮いていた」と話した。
影響は、23日も続いていた。
異変のあった川では、死んだ魚が浮いていた。
川の近くにあるのは、日本製鉄。
千葉県によると、この製鉄所近くの水路が、およそ2.5kmにわたって、赤茶色に変色。
これにともない、合流する小糸川も変色し、魚の死骸が確認された。
流れ出たのは、ガスを洗浄する際に使用する液体。
飲み込むと人体に有害とされる成分、「チオシアン酸アンモニウム」が含まれていた。
この液体が入ったタンクに穴が開き、一部が流れ出たという。
製鉄所は、川の異変が確認される前日に、タンクに穴が開いていたことを把握していた。
しかし、その時点では、川への流出を確認していなかった。
日本製鉄は、付近の住民に謝罪するとともに、「行政の指導のもと原因を突き止め、皆さまに説明できるよう努めたい」としている。
千葉県と君津市は、川に入ったりしないよう、注意を呼びかけている。