安達祐実と芦田愛菜、ふたりの「超天才子役」本当にすごいのはどっち?

安達祐実と芦田愛菜、ふたりの「超天才子役」本当にすごいのはどっち?

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/05/01
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天才子役の共通点

この春、歴史的共演が実現した。3月13日放送の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日系)に安達祐実がゲスト出演。番組表には「愛菜&祐実が初タッグ!爆笑クイズ」という文字が躍った。

ただし、このふたり、10年前に「メレンゲの気持ち」(日本テレビ系)でも顔を合わせている。また、7年前には芦田が主演した「明日、ママがいない」(日本テレビ系)の終盤2話に安達がゲスト出演。それゆえ、そろってクイズに挑戦という趣向にすることで「初」を強調してみせたのだろう。

実際、10年前よりトークも本格的だった。冒頭からそれぞれのキャリアの話になり「2歳から」(安達)「私は4歳ぐらい」(芦田)「同期はウッチャンナンチャンです」(安達)といった次元の違う話が展開。

イカの刺身を食べ比べて高級なものを当てるクイズでは「私よりもたぶんイカを食べていらっしゃると思うので」(芦田)「食べてます。間違いないです」(安達)という味のある会話も聞けた。

それにしても、ふたりには共通点が多い。ともに天才子役として成功、歌もやってアイドル的な人気も得た。「じつは大人なのでは」という都市伝説的な噂も発生。芦田にいたっては14歳のとき、スマホのCMで「60歳疑惑」がネタにされたことも記憶に新しい。

昨年3月に放送された「1番だけが知っている」(TBS系)の「TBSドラマスタッフが選んだ本当に演技がうまい子役ランキング」では、芦田が1位で安達が2位。芦田には「理解力が子供とは思えなかった」「お客さんを感動させるうえで右に出る者はいない」といった声が、安達には「芝居の説得力」「オーラと貫禄がすごかった」などの声が寄せられた。

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Gettyimages

この順位に関しては、芦田のほうがより幼いときに頭角をあらわしたことが大きいのだろう。こんなに小さい子がこれほどの芝居をするなんて、という衝撃は芦田のほうがやや上回っていた気がするからだ。

ちなみに、プロデューサーの植田博樹は、このように表現していた。

「秀逸な感情表現、物語を引っ張っていける存在感、たぶんドラマ史上、芦田愛菜、安達祐実、小林綾子の3人だけだと思う」

やはり、両者の演技力は甲乙つけがたいのだ。また、芸能人としての評価は演技力だけで決まるものではない。そこで、子役出身女性芸能人のツートップであるふたりをいろいろ比較してみたいのである。

どちらもすごいキャリア

まずは、芦田が現在、高校2年生ということで、それくらいの時期までの安達を振り返ってみよう。

安達は9歳のとき、カレーのCMに出て「具が大きい」のフレーズが話題となりブレイク。2年後には映画『REX 恐竜物語』で主役を務め、その翌年には主演連ドラ「家なき子」(日本テレビ系)が大ヒットした。決め台詞の「同情するならカネをくれ」は新語・流行語大賞にも選ばれている。

16歳のときには、主演連ドラ「ガラスの仮面」(テレビ朝日系)がヒット。18歳で出演したNHK大河ドラマ「元禄繚乱」ではヒロインのひとりだった。

一方、芦田も負けていない。5歳のとき、ドラマ「Mother」(日本テレビ系)で注目され、同時期に公開された映画『告白』ではヒロインの娘で、少年に殺されてしまう幼女を演じた。翌年には主演連ドラ「マルモのおきて」(フジテレビ系)が大ヒットし、その主題歌を鈴木福と歌って「NHK紅白歌合戦」にも出場する。

その後も順調に活躍を続け、中2のときにはNHK朝ドラ「まんぷく」のナレーションを担当。翌年には「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で祝辞を述べる役に選ばれた。その翌年には大河ドラマ「麒麟がくる」に主人公の娘役で出演。最近では前出の「博士ちゃん」でMCをやったり、CMに引っ張りダコだったりと、仕事の幅も広げている。

とまあ、遜色がないとはこのことだが、違うのはスキャンダル的要素の有無だ。

安達については「家なき子」が話題になった年の暮れ、日本テレビに届いた「安達祐実」宛の郵便物が爆発するという事件が発生。彼女は無事だったものの、所属事務所の関連会社社員ら3人が重軽傷を負った。また、ステージママの存在も有名で、安達が小学校時代に再婚、その相手が、幼稚園時代の安達が片想いの初恋をしたテレビ局ADだったというエピソードもある。

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これに対し、芦田は事件に巻き込まれたこともなければ、家族の話もほとんど語られることがない。私生活でも優等生で、難関の私立女子中に合格。そのまま高校に進み、医学部を志望しているともされる。

座右の銘は、

「努力は必ず報われる もし報われない努力があるのならば それはまだ努力と呼べない」

プロ野球の英雄・王貞治の言葉だ。

新たな時代を切り拓いた安達

この違いはおそらく、それぞれが世に出た時代の反映でもあるのだろう。昭和の末にデビューした安達には、古い子役のイメージがまだある。彼女の頃までは「子役は大成しない」というジンクスが説得力を持っていたものだ。

容姿が激変したり、演技力が「ハタチすぎればただの人」になってしまったり、副業に手を出して失敗したり、見切りをつけて引退したり、なかには犯罪者になってしまった人までいる。心身ともに未完成な時期にブレイクした子役は、加齢による変化にうまく対応できず、何かと大変なのだ。

実際、安達も中学時代に壁にぶつかったという。

「それまであまりに忙しかったのに、ぱたりと仕事が来なくなった。すると、幼い頃からずっと誰かの人格を演じてきたせいか、自分の居場所がなくなったかのような、不安や恐怖に襲われたのです」(婦人公論)

ここから「演じていないと愛されない、存在を認めてもらえない」という強迫観念が芽ばえ、それが20代でエスカレート。黒田アーサーとの破局後、スピードワゴンの井戸田潤とできちゃった婚したものの、3年で離婚したことが彼女をこじらせた。

当時は「生きることにあんまり楽しさを感じてなくて。このまま尽きてもいいみたいな(笑)」(テレビブロス)という心境だったという。転機となったのは再婚。相手はカメラマンの桑島智輝で、プライベートでも四六時中、彼女を撮影していることが話題になった。どうやら、これがプラスに働いたようだ。

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安達祐実 official gallery より

というのも「演じていない」姿まで撮られることで、彼女は素のままの自分を認められるようになった。Yahoo!ニュース特集編集部のインタビューでは「夫が私を人間にしてくれた」とまで語っていて、それはまさに、演じるだけの人形を脱皮できたという実感だろう。

最近では「にじいろカルテ」(テレビ朝日系)などでキャリアに裏打ちされた深い演技を見せつつ「実年齢より若く見える女優」ランキングで1位になったりしている。人形のような容姿は維持しながらも、年相応の人間味も加わり、第二のピークにさしかかっているのかもしれない。

20代でのこじらせも、あからさまな迷走にはつながっていないので、世間的にはまずまず順調に年を重ねてきた印象なのではないか。そういう意味で彼女は「子役も大成する」という新たな時代を切り拓き、次世代へと橋渡しをした存在でもある。

積んでいるエンジンが違う

その次世代を象徴するのが、神木隆之介や志田未来。それなりの葛藤はあっただろうが、安達以上にやすやすと子役から大人の役者への壁を乗り越えたように見える。いわば「子役も大成する」を当たり前にした世代だ。

芦田はそのまた次の世代であり、もはや「子役も大成する」だけでは世間もさほど驚かない。さらなるアップデートを期待されてしまう存在である。

しかし、あまりにも早熟な天才ゆえ、どこかで反動が起きたりするのではと危惧もしていた。これほど順風満帆に成長することを予想できた人は少ないのではないか。

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(C)2020「星の子」製作委員会

特に、可愛かった子役ほど心配な容姿における変化について、年相応の魅力が感じられることがうれしい。こればかりは、努力だけではどうにもならないからだ。スマホCMでのオヤジ転がしも、車のCMでのお姉さんぶりも、演技力と容姿の両立があればこそだろう。最近は本数的にも、宣伝効果的にも、若きCM女王と呼びたい活躍ぶりだ。

とはいえ 逆に、挫折が芸の肥やしになるとしたら、それがないことの不安も感じなくもない。ただ、それ自体、凡庸な杞憂なのではないか。

なにせ、出世作の「Mother」では、5歳にして、虐待されながらも母を慕う複雑な感情を表現してみせた人だ。母と電話をしながら涙を流す名場面について、前出の「1番だけが知っている」では、プロデューサーの石井ふく子がこんな指摘をしていた。

「芝居だけじゃないいろんなものが愛菜ちゃんのなかにあって、これだけのことができる」

芸の肥やしなどに頼らなくても、もともと備わっているものだけで、それを自分のなかで高めていくだけで勝負できる人なのかもしれない。膨大な読書量は、その高める手段のひとつなのだ。

そこで思い出されるのが、将棋の藤井聡太について、対戦した先輩棋士が漏らした「積んでいるエンジンが違う」という感想だ。芦田もまた、搭載されているエンジンが違うのだろう。

むしろ、心配すべきは、もし本当に医学部に進んで医者になろうとした場合、芸能活動との両立がどうなるのかということだ。これほど難しい両立もないだろうが、ここにも世代の近いところに参考になる存在がいる。野球の大谷翔平だ。

周囲の議論をよそに、二刀流を貫こうとする姿からは、できないと思われることをやるからこそスターだという真理も垣間見える。大谷もエンジンが違うのだろう。

そういう意味で、芦田にもぜひ、規格外のすごさを見せ続けてほしい。思えば、最近の安達が一目置かれるのも、その若見えぶりが規格外だったりするからだ。天才子役として最初に世の中を驚かせてしまった以上、規格外であり続けることが使命なのかもしれない。

それを実現できているふたりはやはり、甲乙つけがたい。ここはどちらがすごいというより、子役出身芸能人の双璧としてともに讃えるほうがよさそうだ。

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