体重117キロおデブアイドルが明かす、中居正広との「唐揚げの思い出」

体重117キロおデブアイドルが明かす、中居正広との「唐揚げの思い出」

  • NEWSポストセブン
  • 更新日:2023/01/31
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YouTubeでは、明るく元気な二人が美味しそう食べる飯テロが人気。ファンは圧倒的に女性が多い

“天使だったけど体重オーバーで地球に落っこちた”をコンセプトに活動する肥満落下系堕天使アイドルユニット「びっくえんじぇる」のメンバーである大橋ミチ子。毎年元日に測定して更新する公式体重は今年、昨年より8キロプラスの117キロを記録したが、もともとは女優を目指し、今の半分以下の54キロの時代もあった。なぜ「おデブアイドル」を志すようになったのか。そこには壮絶な苦悩と自らに課した使命があった。

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約10年前、芸能界に興味を持ち、芸能事務所の養成所に通ってダンスや芝居のレッスンを受けていた大橋をいつも待ちかまえていたのは「体重計」だった。

「養成所に入所した時、最初に先生から言われたのが『体重を落とせ』でした。養成所に体重計が置いてあり、行くたびに測られるんです。ダンスの技術を磨けとは言われず、『痩せなさい』と注意される。当時は体重を落とすためにご飯をまったく食べず、水とヨーグルトの生活を半年ぐらい続けたんです。身長は今と同じ167センチでしたが、体重を60キロから54キロまで落としました」(大橋、以下同)

当時は気付かなかったが、「今振り返ると、あの頃は拒食症だった」と分析する。痩せてもご飯を食べることができない日々が続いた。

「ところが、ある日、養成所に行く途中にコンビニの前を通りかかると、たまたまドアが開いていて揚げ物の匂いがふわっとしたんですよ。気付いたら肉まんを食べていました(笑)。揚げ物の匂いがして肉まんを食べているのがちょっとおかしいんですけど、半年ぶりのちゃんとしたご飯が肉まんだったんです。泣きながら2個ぱくぱく食べ、“このままでは自分が壊れてしまう”と思い、養成所を辞めることを決断しました」

だが、試練は続いた。

「ダイエットは止めましたが、当時はまだ、太っている自分はダメなんだ、痩せてなきゃいけないんだと思いがあり、自分自身をなかなか受け入れることができませんでした。反動で過食を繰り返す辛い時期が続き、体重は半年で約80キロに増えました。どうしてこんなに体型のことで悩んでいるんだろう、辛いところから抜け出したい。そうもがいている時に書店でたまたま出合ったのが、今も専属モデルを務めている、ぽっちゃり女子向けファッション雑誌『la farfa』でした」

誌面には、体型を隠さずにおしゃれを楽しむぽっちゃり女子たちが載っていた。水着姿でポジティブに堂々と写っている女性にも目を奪われた。今まで辛かったのは何だったんだろうと衝撃を受けたという。

「もし自分がこの体型を受け入れるようになったら、人生楽しくなるのかなと思ったのが、おデブアイドルになる第一歩でした。すぐ『la farfa』のモデルに応募し、合格しましたが、そこから私自身の考え方がすごく変わりましたね。この体型も含めて自分を愛していこうと前向きになったのです」

アイドルを志したのは、痩せた人しかアイドルになれないような風潮に一石を投じ、「太っていてもアイドルになれる」と証明したかったからだと語る。

2018年4月、体重を気にせずにポジティブにおデブアイドル活動をする「びっくえんじぇる」を立ち上げた。現在のメンバーは大橋と多田えり(身長169センチ、体重107キロ)の2人。大橋は「唐揚げ担当」、多田は「マヨネーズ担当」として活動し、ライブやテレビなどに出演。公式YouTubeは登録者数18万人を超える人気ぶりだ。

「アイドルを目指したいけれど体型が気になって諦めてしまっている人がいると思う。そういう人たちの希望の星になりたいです」

大橋は福島県で日本人の父、アメリカ人の母の間に生まれ、小学4年の時に引っ越した栃木県では芸能界を目指して上京する18歳でまで過ごした。

「でも英語は話せません。ヒアリングはできるんですが……。実家では母が英語で私に話しかけ、それを聞き取って私は母に日本語で返します。母はそれに対して英語でまた話しかけてきます。違う国の言葉なんですけど通じ合っているような(笑)」

父と母が話す時は日本語、母が子供に話す時は英語という、日本語と英語が飛び交う家庭で育った。姉2人は母と英語で会話する。なぜ大橋は日本語を貫くのか。

「私、記憶にないんですけど、小さい頃はずっと英語で話していたそうです。でも、それによって日本語が片言だったらしいんです。ある日、学校で“日本語が片言なんだね”と傷つくことを言われたことがあったらしく、私が泣きながら家に帰ってきて、『もう英語は話さない!』と言ったそうです。私、憶えていないんですが、それがきっかけで、私だけ、母の英語に日本語で返しているんですよね」

話す言葉が他と少し違うことで異質と見られた体験を振り返り、体型だけでなく、他の人と異なることに寛容な社会になってほしいと大橋は強調する。

「固定概念で『顔がハーフだから異国の人』とか、そういうのがなくなっていく世の中になってほしいです」

結成から今春で5周年を迎える。仕事の現場で出会った人々の中で特に尊敬しているのは誰かと訊ねた。

「コロナ禍の前になりますが、中居正広さんがMCを務めるバラエティ番組の現場でご一緒させていただいた時期があり、中居さんが時々、美味しいご飯をご馳走してくださいました。『叙々苑』のお弁当や、とても美味しいお鮨などを楽屋に差し入れてくれるんです」

大橋は2018年10月~2020年3月に放送されていたバラエティ番組『中居くん決めて!』(TBS系)に「決めたガール」の一員として出演していた。最初はゲストで呼ばれたが、それをきっかけに準レギュラーに抜擢され、最後の1年間はほぼレギュラーとしてひな壇に座った。

「中居さんはすっごく優しい方で、スタッフさんが差し入れてくれた唐揚げが入った箱の蓋に中居さんが直筆で“唐揚げ”と書いて渡してくださって。私はその当時の番組ではひな壇に座る大勢の中の1人にすぎないのに、『びっくえんじぇる』の唐揚げ担当というキャラクターを踏まえて、そんなお気遣いをいただいたのが嬉しかったですね。美味しいご飯を食べさせてくれ、私を“大橋!”“唐揚げ!”と友達のように呼んでくださいました。中居さんは気遣いの方で、周りにいる人を本当によく見ていらっしゃると思います」

番組が終了することになった時、出演者やスタッフたちでご飯を食べにいった際も中居がご馳走し、みんなを労ったという。

「番組が終了したのはちょうどコロナ感染拡大の波が日本に押し寄せた頃で、その後はまだ中居さんにお会いする機会がありません。昨年、中居さんが体調を崩されて休養という報道を目にして、ずっと心配していました。いつも私たちに美味しいご飯をご馳走し、元気をくれた中居さんに、今度はこちらから元気になる美味しいご飯をお渡ししたいと思うくらい、自分に何かできることはないかと考えていました。今月、元気なお姿でテレビに復帰され、本当によかったです」

駆け出しの頃、現場で会うたびに元気付けてくれた中居に、次は自分が恩返しする番との思いをにじませる。

「またいつかお会いしたいです。そのためには私、仕事を頑張らないと!」

中居と再会する機会が訪れた時に何を差し入れたいかを質問すると、しばらく考え込んだ後、微笑んだ。

「やはり唐揚げですかね。私が大好きな店の油軽めの美味しい唐揚げを差し入れたいです」

気分をアゲる差し入れの交流が再び始まる日を大橋は心待ちにしている。

【プロフィール】大橋ミチ子(おおはし・みちこ)/肥満落下系堕天使アイドル「びっくえんじぇる」メンバー。結成5周年の2023年4月29日(よい肉の日)、サンリオピューロランドで「5周年ワンマンLIVE ヘルシーと一緒にデブ☆レボリューション」を開催。フリーランスで幅広く活動。楽曲から振り付け、MV制作、衣装なども自己プロデュース。

取材・文/上田千春

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