第95回記念選抜高校野球大会は18日、開会式と1回戦3試合が行われた。開幕試合では、山梨学院(山梨)のエース林が1失点完投、打線も10安打して東北(宮城)に快勝。沖縄尚学(沖縄)は、仲田の大会第1号となる満塁本塁打で追いすがる大垣日大(岐阜)を振り切り、9年ぶりに初戦を突破した。高知(高知)は34年ぶり出場の北陸(福井)に逆転勝ちし、2年連続の2回戦進出を決めた。

5回山梨学院2死2塁、進藤が先制適時打を放つ(18日)=大金史典撮影
■山梨学院3―1東北
昨年、春夏の甲子園でいずれも1―2というスコアで初戦敗退していた山梨学院が五回、機動力を生かして2点を先取した。「打ちたい球を投げさせることができた」と、吉田監督は勝因を明かした。
二死無走者から四球で出塁した岳原(おかはら)が、二盗に成功。進藤は直後の直球を左前にはじき返し、先取点を挙げた。一塁走者となった進藤は盗塁のサインでスタートを切り、直球を右中間に打ち返した佐仲の二塁打で、一気に生還した。
東北のハッブスは140キロ台の直球と鋭い変化球が光る好投手。山梨学院は二、三、四回と好機を作りながら、低めの変化球などで封じられていた。しかし岳原の盗塁が流れを変えた。進藤は、相手バッテリーが二盗を許したことで直球が多くなると予想。佐仲は「走者が一塁にいると、直球が多い」と分析していた。
進藤、佐仲とも昨年からのレギュラーだが甲子園では無安打だった。成長した点について、「打席内で冷静に次の球を絞れるようになった」と進藤は言う。山梨学院は猛打で昨秋の関東大会を制したが、好投手を簡単に打ち崩すことはできない。足を絡めてのハッブス攻略は、今大会での躍進に向けて弾みになるだろう。(塩見要次郎)