
一山本(左)は平戸海からのど輪攻めを受け土俵際へ交代する(撮影・小沢裕)
<大相撲九州場所>◇10日目◇21日◇福岡国際センター
優勝争いで単独トップを走っていた西前頭14枚目の一山本(30=放駒)が、平戸海(23=境川)に寄り切りで敗れ2敗目を喫した。得意の突き押しを封印され、右を差した平戸海に一気に出られる完敗だった。
大関陣は、今場所の綱とりが絶望的となった貴景勝(27=常盤山)が、過去の対戦成績で5勝6敗と苦戦していた返り三役の小結阿炎(29=錣山)を、はたき込みで破り7勝目を挙げた。2敗の霧島(27=陸奥)は、錦木(33=伊勢ノ海)を送り出して勝ち越しを決めた。3敗の豊昇龍(24=立浪)は関脇若元春(30=荒汐)を寄り倒して、勝ち越しに王手をかける7勝目を挙げた。
関脇陣は、琴ノ若(26=佐渡ケ嶽)が豪ノ山(25=武隈)を上手投げで破り、2敗を守った。大栄翔(30=追手風)は朝乃山(29=高砂)を押し出して6勝目を挙げた。小結北勝富士(31=八角)は、宇良(31=木瀬)に送り出しで敗れ負け越しが決まった。
なお年間最多勝争いは、霧島と大栄翔が57勝で並ぶ状況に変わりはなかった。豊昇龍が1差の56勝で追う。
先場所、11勝4敗の優勝同点で、今場所もここまで2敗と好調の西前頭8枚目の熱海富士(21=伊勢ケ浜)は、湘南乃海(25=高田川)を押し出して勝ち越しを決めた。ここまで2敗で西前頭15枚目の美ノ海(30=木瀬)は、御嶽海(30=出羽海)に敗れ、新入幕勝ち越しは、お預けとなった。
10日目を終え、優勝争いのトップは2敗で霧島、琴ノ若、熱海富士、一山本の4人が並んだ。1差の3敗で貴景勝、豊昇龍、翠富士(27=伊勢ケ浜)、竜電(33=高田川)、平戸海、美ノ海の6人が続く。