
先日行なわれたF1ラスベガスGPの決勝レーススタート直後の1コーナーでは、2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が、ポールポジションのシャルル・ルクレール(フェラーリ)をオーバーテイクした。しかしこのオーバーテイクは、フェルスタッペンがルクレールをコース外に押し出したとして、後に5秒のタイムペナルティが科された。
この件について抜かれてしまった方のルクレールは、フェルスタッペンにペナルティが出されるのは当然だとしながらも、それ以上にポジションを戻させるべきだったと感じていると語る。
初開催となったラスベガスGPの路面は実に滑りやすく、スタート直後の1コーナーでは複数のマシンがスピンしたり、接触したり、コースオフしたりと大混乱になった。
首位争いでは、フェルスタッペンがイン側に飛び込んだが止まりきれず、アウト側にいたルクレールをコース外に押し出すような格好となった。これでフェルスタッペンは2番グリッドから首位に立つことに成功し、一方のルクレールはポジションを落とす形となった。
この件はスチュワードによってすぐに調査対象とされ、フェルスタッペンに5秒タイムペナルティが科されることになった。フェルスタッペンは最初のピットストップでこのペナルティを消化しなければならなくなったわけだ。
ただ首位に立ったことでフェルスタッペンはクリーンエアの中で走ることができ、その間にルクレールとの差を開くことができれば、ペナルティを相殺することができる。結局は第1スティントではフェラーリのペースの方が勝っていたためペナルティを相殺することはできなかったが、場合によってはペナルティが無意味なモノになりかねない判断だったとして、注目が集まることになった。
ルクレールは、フェルスタッペンにペナルティを与えるのは正しいとしつつも、本来ならばポジションを戻させる方が公平だったのではないかと主張している。
「明らかにギリギリに近かった。ギリギリを超えていたかもしれない。5秒のペナルティは当然だと思うよ」
ルクレールはそう語った。
「彼はペナルティを消化したけど、それは与えるべき正しいペナルティだったと思うよ」
「でも今回のような状況では、FIAがそのポジションを戻させるように指示した方が良いと思う。フリーエアで走ることができれば、タイヤを労るという面ではかなりメリットになると思うからだ」
フェルスタッペンは、走行中には自分が首位を走るのは当然だという旨の無線交信を行ない、スチュワードの裁定に釘を刺した。しかしレース後には一転、ペナルティは妥当なモノだったと意見を変えている。
レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、1周目に起きたインシデントについてスチュワードは寛大な対応を行なうことが多いため、ペナルティを受けるかどうか五分五分だと感じていたという。そのためフェルスタッペンにポジションを戻すよう指示しなかったと語った。
「実際五分五分だった」
そうホーナー代表は語った。
「最初のターンでは、彼らは大きくワイドに走ることになった。そして、マックスが僅かに先行した」
「最初のいくつかのコーナーか最初のラップなら、それはレースの範疇だと我々は考えた。それが、ポジションを戻させなかった理由だ」
「彼がペナルティを受けた時、彼はより厳しい形でそれを消化しなければならなくなった。本当に僅かな差だったけど、我々はそれを受け入れたのだ」
Filip Cleeren