人気のカツオメニュー提供断念する店も 沖縄で漁獲量が低迷 2021年は最少261トン 漁業者悩ます理由

人気のカツオメニュー提供断念する店も 沖縄で漁獲量が低迷 2021年は最少261トン 漁業者悩ます理由

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  • 更新日:2023/05/26
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漁獲量の減少が続く県産カツオ=2021年8月、宮古島市伊良部池間添

6月から本格化する県内のカツオ漁は近年、大型船での操業の減少や海水温上昇などが要因で漁獲量の減少傾向が続いている。農林水産省の調査によると2021年は261トンと03年以降で最も少なかった。漁業関係者によると、コロナ禍や燃料高騰、大量に漂着した軽石問題が追い打ちをかけたという。県内でカツオ漁の盛んな本部漁業協同組合(漁協)や伊良部漁協でも漁獲量の低迷は現在も続いており、宮古島市の飲食店では、新鮮で人気のカツオメニューの提供ができなくなるなどの影響も出ている。(政経部・知念豊)

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農水省が今月発表した「海面漁業生産統計調査」によると03年の県内のカツオ類の漁獲量は1149トン。最新の21年のデータでは77%減の261トンまで減少した。県内漁業関係者によると、22年以降も回復は見通せない状況だ。

沖縄本島北部の本部漁協では05年が102トンだったが、22年は9・8トンと過去最低だった。担当者によると、漁獲量の落ち込みなどから、約10年前に大型のカツオ専門船が姿を消すなど減少傾向に歯止めがかからないという。今は小型の船7隻が別の魚との兼業でカツオも捕っている。

カツオ船の減少に加えて近海の漁場でも資源量が減少していると説明。「表面の海水温が上昇しているせいでカツオが海面まで上がってこない」と述べ、回遊ルートも変わっているのではないかと推測する。

5月は一年を通じて最も水揚げが少ない時期としつつも県内の消費量に対し、供給が追いついていない状況だと説明した。

宮古島市の伊良部漁協でも16年の210トンから22年は96トンまで落ち込んだ。21年からカツオ船が4隻から3隻に減ったほか、コロナ禍で飲食店など売り先が大幅に減少。県内で大量漂着した軽石問題で出漁自体を控えたことなども影響したという。

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同漁協直営の「おーばんまい食堂」では、新鮮で人気のカツオ丼も水揚げがない日はやむなく販売中止にすることもある。担当者は6月21日(旧暦5月4日)の「ユッカヌヒー」以降からカツオ漁が本格化し、本島への出荷も増えるはずだと期待を込める。

同漁協の関係者は「コロナも軽石の影響もなくなっているので、県内消費者の需要に応えられるよう昨年を上回る水揚げ量になってほしい」と望んだ。

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