
メルセデスは、昨シーズンから使用している”ゼロポッド”コンセプトから脱却し、アプローチを転換する計画に着手しているが、早くもその効果が発揮される可能性があるようだ。
通常、こうした決断が効果を発揮するまでには長い時間がかかるもの。メルセデスはそれでも、できるだけ早くに優勝争いに復帰しようと決意し、決断を下した。
チーム代表であるトト・ウルフはサウジアラビアGPで、アプローチを変えたことでチームはすでに良いパフォーマンスを発揮できる算段がついていると明かした。
「今、我々がいるポジションと比較して、大きなステップだ」と、ウルフは説明した。
「我々の調査・研究、そして空力面において、これまで長い間培ってきたものとは比べものにならないほど大きな成果が得られる予定だ」
「バーレーンのテストやレースで学んだことで、我々は違う視点から物事を見ることができるようになった。それによって、ポテンシャルをいくらか引き出すことができたんだ」
「後退するどころか、すぐに2歩前進することができたんだ」
メルセデスの”コンセプト”については、これまでサイドポンツーンのデザインを中心に語られてきた。しかしメルセデスの方針転換は、路面に対してどの位置でクルマを走らせるのか、というセットアップに関するモノであるようだ。
「我々が注視している最も大きな変化は、クルマをスイートスポットにセットアップできるかどうかだと思う」
「昨年は車高が低すぎたし、今年は高すぎた。そして今、我々はどこを着地点とすべきか分かっていると信じている」
「一方でフロアやボディワークなど、その他の面では達成したいことがあれば、全てそれに従う。あまりバカげた、楽観的なことを言いたくはないのだが、少なくとも我々は励みになるような、低いところに実っている果実を見つけたんだ」
ウルフは現在行なわれている作業の結果、W14は今後の開発によって外観が大きく変わるだろうと述べた。
「エッジからディフューザー、ビームウイングに至るまで、全ての空力表面を確認している。グラウンドエフェクトカーだからフロアの割合が大きいが、より効率的に物事を進めるために必要なモノもある」
「今は文字通り、クルマをひっくり返して見ているが、たくさん良いところが見つかっているんだ」
「我々は常にベンチマークとなるパフォーマンスを確認していて、それが今のマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスだ。そことはあまりにも離れすぎている。それは変わっていないんだ」
「もしマックスが(トラブルなく)予選を終えていたら、その差はもっと大きくなっていたと思う。ロングランでもそうだった」
「予選で4番手になったからと言って、心境は1ミリも変わっていない。でも違うのは、軌道が決まっているということだ。だからこの1セッション、予選1回、1レースというのはもう関係ないんだ。我々は今、全力で物事を変えようとしている」
Jonathan Noble