
仙台放送
宮城県内のガソリン価格はレギュラー、ハイオクともに6週ぶりに値上がりに転じました。
石油情報センターによりますと、1月23日時点で宮城県内のガソリンの平均小売価格は、レギュラーが前の週より0.6円高い1リットル当たり160.8円。ハイオクは0.7円高い171.8円で、いずれも6週ぶりに値上がりに転じました。
来週のガソリン価格について、石油情報センターは「横ばいで推移する」としています。一方、灯油の配達価格は前の週より2円高い18リットル当たり、2079円。店頭価格は前の週より5円高い1895円でした。
高値が続くガソリンですが…こちらの表をご覧ください。今週のレギュラーガソリンの平均小売価格を都道府県別に並び変えると1位の長崎県が180円を超える中、一番安いのはどこかというと実は…宮城県なんです。長崎県との差は「20円」以上も。なぜ宮城がこれほど安いのか、背景には地理的な要因が大きく関わっていました。
宮城県内およそ480のガソリンスタンドの8割が加盟する県石油商業協同組合の阿部廣之専務理事です。
県石油商業協同組合 阿部廣之 専務理事
「1つは仙台港に製油所があります。製油所からガソリンスタンドまで近い」
宮城県のガソリンが安い理由(1):『製油所からの近さ』
こちらは東北6県の今週のレギュラーガソリンの平均小売価格です。東北6県には仙台港の製油所から陸路でガソリンが運ばれます。そのため仙台港から遠いところほど、運送費や人件費がかさみその費用が小売価格に転嫁されるため、結果的に宮城の価格が抑えられていると言います。またそこに拍車をかけているのが近年進む長距離ドライバーの働き方改革です。
県石油商業協同組合 阿部廣之 専務理事
「働き方改革でドライバーが過重労働できなくなったことで、1日2回3回運べたものが1回少なくなったことで、輸送費も割高になってきている」
宮城県のガソリンが安い理由(2):『全国チェーン進出による価格競争』
県内では大衡村や大和町に大規模な工業地帯があるため多くのトラックが日夜行き来しています。
県石油商業協同組合 阿部廣之 専務理事
「トラックは24時間動きますので、24時間オープンの大規模なガソリンスタンドのサービスステーションの全国チェーンが出てきていると。彼らの企業努力で小売の価格を安くしている。宮城県ほど全国規模のガソリンスタンドが展開している県は東北地区ではほかにはありません」
全国チェーンの参入による価格競争が価格を押し下げる要因となっていました。