産・育休も介護制度も家族の問題なのに「無自覚の性差別」で女性だけが苦しむの?

産・育休も介護制度も家族の問題なのに「無自覚の性差別」で女性だけが苦しむの?

  • かがみよかがみ
  • 更新日:2021/05/02
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結論から言ってしまおう。日本で女性活躍推進が進まないのは、“無自覚な性差別”だと私は思っている。

先日、労働組合から“女性組合員アンケート”なるものが届いた。中を開けてみると、自社の産休・育休・介護制度についての認知度をはかるアンケートだった。正直知らなかった制度も多く、また一通りの制度が整っていて、さすが大企業! と思わざるを得なかった。ただ一つのことを除けば。

育児中の家庭にとって8時30分に出勤し、17時30分に退勤するのはかなりハードルが高い

産休・育休・介護制度のアンケートを、なぜ「女性にしか」配らない?

どうして、このアンケートを女性にしか配らなかったのか。

産休は百歩譲って分かる。男性に子供を産むことは、生物学上どうしても無理なことだから。でも、育休や介護は? 子供を育てることやお年寄りの介護は、男女関係なくできる。え? 男性はおっぱいをあげられないって? 粉ミルクでも十分代替が可能です。一昔前は、母乳神話もあったみたいだけど。

私の勤めている会社はほとんどが男性で、もちろん管理職もほとんどが男性で、何なら労働組合の役員もほとんどが男性である。おそらく無意識に、産休・育休・介護に関する制度は女性向けのものだから、このアンケートは女性に配ろうといった思考だと思う。

確かに、私の勤めている会社に限らず、ほとんどの会社のホームぺージで産休・育休・介護に関する制度は女性支援のページに書かれているし、上記の制度が整っていれば、“女性に優しい企業”として認知される。その“女性に優しい企業”には、女性の就活生が殺到する。

でも、おかしくない? 育児や介護は夫婦が協力し合ってするものだし、上記の制度は女性支援ではなく家族支援と表記するべきだし、そのような支援が充実している企業は、“女性に優しい企業”ではなく、“家族に優しい企業”として認知されるべきだ。どうして育児や介護を女性の仕事として、女性だけに押し付けるのだろう。

おそらくそれは、意思決定をする人たちが「女は仕事より家庭に入れ!」というような時代にそぐわない差別意識を持っているからではなく(そういう人もいるだろうが)、「女性は育児や介護をメインでするもの」という悪意のない無意識の社会からの刷り込み、すなわち無自覚な性差別から起こるものだと思う。

「女性だから…」「男性だから…」と無自覚な性差別が溢れている

30年弱の女性としての人生を生きてきて、私はこの刷り込みを嫌というほど経験した。私立大学に進学することが決まった時、塾の先生に「女性はそのくらいのレベルの大学がちょうど良いよ。女がやれ東大や京大なんて……」と言われた。学生時代にしていたアルバイトで、男性の前で掃除をすれば「やはり女性は掃除が上手いなあ」と言われた。社会人になって仕事で社外の男性と会うと、「女性は細かいことに気が付くから女性の担当者が羨ましいです」と言われた。

それ、全部無自覚な性差別です。女性は有名国公立大学に進学してもいいし、掃除が得意かどうかは性別に関わらず人によるし、細かいことに気が付くかどうかも人による。そして、この無意識な性差別はいずれ間違った社会通念になり、社会に悪影響を及ぼす。

“女性は育児や介護をメインでするもの”なので、育休を取って仕事をセーブするのは女性になる。夫が激務や単身赴任になって、育児のために妻が仕事を辞めないといけなくなっても“育児や介護をメインでするのは女性”なので問題ない。“女性は育児でいつブランクが開いて仕事を辞めるかわからない”ので、重要な仕事は任せられない。

“女性にそこまでの学歴は必要ない”ので、親は娘よりも息子の教育に力を入れ、有名大学の男女比は男性が圧倒的に多くなる。“女性は細かいことに気が付く”から、本人の意思に関わらず細かい仕事をするような部署に配属されることが多い。

そして、男女で賃金格差が広がり、女性の社会進出も進まず、管理職比率も上がらず、学歴や職種で男女比率が大きく異なる。これらの結果が、世界経済フォーラムが発表している『ジェンダーギャップ指数2020』で、153ヵ国中121位である。

「無自覚な性差別」が女性を日本社会で生きにくくし、苦しめている

女性の社会での活躍を推進するための第一ステップとして、まず自身の無自覚な性差別に気付くことである。とくに意思決定をする立場の皆さん。企業や行政の管理職や国会議員の皆さん。その意思決定には、その政策には、“無自覚な性差別”が潜んでいませんか。その無自覚な性差別は、私たち女性をこの日本社会で生きにくくし、苦しめています。

どうか、ご自身の“無自覚な性差別”を自覚して、フラットなものの見方から政策を作ってください。ほとんどの物事は「男だから……」や「女だから……」ではなく、「その人による」ものなのですから。

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咲良

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