『半沢直樹』業界人のホントの評価は...前回を超える視聴率は難しい?

『半沢直樹』業界人のホントの評価は...前回を超える視聴率は難しい?

  • 日刊SPA!
  • 更新日:2020/08/02

2013年に放送され、堺雅人演じる東京中央銀行のバンカー・半沢直樹が銀行内の不正を暴いていく痛快な逆転劇と『やられたら、やり返す! 倍返しだ!』と強烈なセリフが受けて、最終回平均視聴率が平成歴代1位となる42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、社会現象になったドラマ『半沢直樹』。

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画像:『日曜劇場 半沢直樹』TBS

何度か続編のウワサがあったなかで満を持して7年ぶりに新作の『半沢直樹』(TBS系、日曜午後21時~)がスタート。新型コロナウイルスの影響による撮影中断もあり、3か月遅れの放送となったにもかかわらず、1話の視聴率が22.0%、2話は22.1%という高視聴率をマークした。また、オンエア中に「半沢直樹」がツイッターの2週連続で世界トレンド1位になるなど、大きな盛り上がりをみせている。

このように視聴率やネットの評判は上々の同作だが、ドラマ業界に携わる関係者たちは1話・2話のオンエアをどのように見ていたのか? そして今後、前作の視聴率を超えるほどの盛り上がりをみせるのかどうかについて聞いてみた。

◆いきなりパワーワード連発!前作の視聴者は大喜びだが……

まずはキー局で多くのドラマなどを手掛けてきた30代プロデューサーA氏に話を聞いた。

「他局ではありますが、もちろん見ましたよ! 半沢が東京中央銀行からセントラル証券に出向させられたところから始まり、いきなりバチバチモードの展開で進んでいくストーリーは見ていて興奮しました。特に序盤のライバルになる市川猿之助さん演じる伊佐山の強烈なキャラクターはインパクトがありましたね~。私含め、前作ファンは“待っていました!”という感じで純粋に楽しめたのではないでしょうか。

それに加えて『倍返しだ!』という決めゼリフと香川照之さん演じる大和田との再会が立て続けに2話までに登場したからこそ、20%超えをキープできたのでしょうね。完全に前作ファン向けの作り方をしていますが、個人的には“これぞ王道”だと感心しました。

ただし、新規のファンをどれだけ取り込めているのかは疑問ですよね。前回は同じ会社の上司に反抗するという非常に分かりやすい構図のストーリーでしたが、今回は出向や買収、さらには政治なども絡み出す。スケールは壮大になりますが、より業界モノになってきて内容が難しいと感じる視聴者は多少出てくると思います。そういう難しい展開のときにこそ、香川さんや市川さんの顔芸がより強烈になっていくのは見事な演出だと思います(笑)」

◆同僚との交流も描く最高傑作に?見逃し配信ナシは痛手か……

続いて、制作会社の女性プロデューサーB氏にも話を聞いた。

「これからもっと面白くなりそうで、期待しています。今回の『半沢~』の1、2話を見て、同じ職場の益岡徹演じる丘や賀来賢人演じる森山、今田美桜さん演じる浜村といった上司や後輩との絆や団結を描こうとしている印象は受けました。前回は半沢が一人で立ち向かうというイメージが先行しすぎましたが、『下町ロケット』や『陸王』、『ノーサイド・ゲーム』(いずれもTBS系)といった日曜劇場のおいしい部分を取り込もうとしているのだと思います。

懸念材料でいえば、ダイジェストのみで見逃し配信を実施しないこと。これはちょっと強気すぎたかなという印象です。コロナ禍で自宅にいる人が多いとはいえ、毎週日曜夜にテレビの前で放送を見られる人ばかりではない。近年の『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)や『あなたの番です』(日本テレビ系)は見逃し配信をうまく味方につけて、うなぎ上りに視聴率を上げていったので、数話分見逃してしまった視聴者が一気に離れていく気はします。そういう意味でも、前回を超える視聴率は難しいのかなと……」

◆香川照之・市川猿之助を超える“濃~い演技”をしそうなのは?

また、B氏と同じ制作会社でディレクターを務め、役者経験もあるC氏はこう語る。

「半沢直樹といえば、堺雅人の迫真の演技もそうですが、前作で言えば香川照之さんや片岡愛之助さんといったサブキャストの顔芸や憎たらしくなるほどの憑依ぶりが話題でしたよね。今回で言えば、古田新太さんも相当パンチの利いた演技を披露しそうですし、山崎銀之丞さんや江口のり子さん、筒井道隆さんあたりの演技にもスゴく注目しています。特に、弁護士・乃原を演じる筒井道隆さんといえば、“優柔不断不断な青年”のイメージが強いですが、かなりクセのあるイヤミな役どころを演じるらしいので、その憑依ぶりは見ものですし、再ブレイクしそうな予感もしています」

◆新しい脚本家に変わったことが吉と出るか凶と出るか……

最後に、映画やネットドラマを手掛けるベテラン脚本家D氏は、脚本についてこう言う。

「前作の脚本を担当した八津弘幸さんは同じ日曜劇場の『下町ロケット』や『陸王』なども手掛けた方で、重厚で骨太でありながらテンポ感のあるストーリーを書かせたら右に出る者はいない脚本家だと思います。そんな八津さんが脚本を書かずにガッカリされている方もネットではいるみたいですが、今回メインで書く丑尾健太郎さんも『小さな巨人』や『ノーサイド・ゲーム』でメキメキ評価を上げている方です。八津さん同様に骨太なストーリーを書けますし、さまざまなキャラクターの人間ドラマをより丁寧に描くことができるタイプの作家さんなので、個人対個人よりも“チーム対決”のような物語になるのかなと思っています。

しいて懸念材料といえば、前回ほどの“痛快さ”はやや減ってしまうかもしれないかなと……。ただし、独特なセリフや誇張された言い回しや演技は、役者や演出家がいろいろと仕掛けてくると思いますので心配はしていません」

前作を超えられるかどうかはもちろん気になるところだが、『半沢直樹』が新型コロナウイルスの影響でふさぎ込んだ人々を痛快な気持ちにさせる素晴らしいドラマであることは間違いない――。「やられたらやり返す! 倍返しだ!」を超える名ゼリフの登場や視聴率に期待しつつ、同作を見て、爽快な気持ちになってもらいたい。

【木田トウセイ】

テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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