高品質な動画のスムーズな配信を実現する技術とは?

高品質な動画のスムーズな配信を実現する技術とは?

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/02/23
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YouTubeやNetflixといった動画配信サービスは、さまざまな回線速度に合わせて途切れることの少ないスムーズな動画配信を実現しています。動画配信サービスがスムーズな動画配信を実現する仕組みを、ウェブページ上で動作する動画プレイヤーを開発する「Mux」が解説しています。

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◆HLS

YouTubeやNetflixといった動画ストリーミングサービスでは、「HTTPライブストリーミング(HLS)」と呼ばれるプロトコルを用いてストリーミング配信を行っています。HLSでは、1本の動画を複数の小さなセグメントに分割し、001.ts、002.ts……と拡張子「.ts」の動画として連番管理します。これにより、ユーザーは動画全体をダウンロードせずに動画の一部分を再生できます。

さらに、HLSでは1080p、720p、360pといった複数の品質の動画を1つにまとめることができます。これにより、動画プレイヤーが回線速度の変化に応じて適切な品質の動画を再生することが可能になり、回線速度の不安定な状況でも途切れることなく動画を再生できます。

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上記のように、HLSでは動画を複数のセグメントに分割しているため、動画プレイヤーに対して各セグメントの位置を伝える「レンディションマニフェスト」と呼ばれるファイルが複数存在しています。さらに、「各レンディションマニフェストの相対パス」「各品質の動画再生に必要なコーデック」「セグメントの数」「各セグメントの再生時間」といった情報を持つ「マスターマニフェスト」が存在しており、動画プレイヤーはマスターマニフェストを動画再生処理の最初に読み込むことによって動画の情報を得ています。

◆DASH

HLSと同様に動画を複数のセグメントに分割して配信するプロトコルに「Dynamic Adaptive Streaming over HTTP(DASH)」があります。DASHの基本的な仕組みはHLSと同じですが、DASHはレンディションマニフェストのようなセグメントの位置を伝える情報を持っていません。代わりに、DASHは動画プレイヤーに対して、各セグメントの位置を計算する方法を指示する「SegmentTemplate」と呼ばれる値を伝えます。

Muxによると、HLS・DASH両者の最大の利点は「各セグメントがHTTPを介して配信されること」とのこと。HTTPはインターネットで通信を行うための標準的なプロトコルであり、通信効率化のためにさまざまな技術が開発され、世界中にHTTPを扱うための設備が整っています。このため、HLS・DASHを扱うために新たな設備投資は必要ありません。

◆CDN

HTTPによる通信を効率化する技術の1つが、サーバーに保存されたコンテンツを複数のサーバーでキャッシュするコンテンツ配信網「コンテンツデリバリネットワーク(CDN)」です。CDNを介さない通信では、1つのコンテンツに対して複数のユーザーがアクセスするとコンテンツの配信が滞ってしまいます。しかし、CDNを介することで、コンテンツが複数のサーバーにキャッシュされるため、スムーズなコンテンツ配信が可能になります。

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また、通信距離が長くなるほど応答速度は低下しますが、各地域にCDNによるキャッシュが存在することでコンテンツ配信者とユーザーの地理的距離を埋めることができます。Muxは「地理的距離によって生じる通信速度の差は数百ミリ秒程度です。しかし、ユーザーは数百ミリ秒でもコンテンツの読み込みが遅れると、コンテンツに対する興味を失ってしまいます」と語り、コンテンツの配信にかかる時間は、わずかな時間でも短くする必要があると主張しています。

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◆動画の配信

動画ストリーミングサービスのサーバーに動画アップロードされると、サーバーからCDNへと動画ファイルがキャッシュされます。ユーザーが動画にアクセスすると、CDNから「インターネットサービスプロバイダ(ISP)」へと動画が移動します。この「サーバーからCDN」「CDNからIPS」といった通信は専用の高速回線を介して行われるとのこと。これらの設備はHTTP通信のために世界中で配備されており、HLS・DASHといった通信プロトコルによるスムーズな動画配信にも役立っています。

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