コロナ感染者数が増え続けるアメリカ。現地での“今”をレポート

コロナ感染者数が増え続けるアメリカ。現地での“今”をレポート

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  • 更新日:2022/01/15

各国で猛威をふるうオミクロン株。日本でも感染者数が増え続け、3回目のワクチン接種を前倒しする動きが出てきました。では、日本よりも感染者数が多いアメリカではどのような状況になっているのでしょうか? 今回は、アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、新型コロナ対策としてブースター接種と小児ワクチン導入が進むシアトルからのレポートしてもらいました。

記録的な寒波とオミクロン株のダブルパンチで大混乱

クリスマス、元日と休暇が続く年末年始には、日本と同様に家族で集まる習慣のあるアメリカ。そして旅行シーズンともなります。

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新型コロナウイルスの流行ですべてが台無しになった前回(20-21年)の年末年始でしたが、「ワクチン」という対抗手段を持った今回は、全米規模で恒例の大移動が復活。これは、3回目接種(ブースター)、そして5歳以上の小児ワクチン接種が進んだことも背景にあります。

ようやく訪れた家族の再会、そしてバケーションの機会に喜んだのもつかの間、待っていたのはオミクロン株の猛勢と、交通機関のまひでした。クリスマス休暇明けと重なる12月26日にシアトルを含め、カリフォルニアまでアメリカ西海岸一帯が大雪に見舞われ、高速道路は凍結や視界不良による事故が多発。空の便も欠航が相次ぎ、家に帰れず現地で足止めとなる人たちであふれました。

記録的な寒波による大雪は1月7日までに中西部、南部、東部をも直撃。しかも、フライトは感染者急増による乗務員不足により、年が明けても各航空会社で減便傾向が続いており、旅行者の足に影響が出ました。

●ブースター(3回目接種)と小児ワクチン接種で変わる?

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全米規模で小児接種が進むがその実態は…?

昨年11月から開始された一般のブースター接種と小児ワクチン接種ですが、わが家も12月に親子3人それぞれ終えました。小児ワクチンについては、その安全性に懐疑的な声も多く聞かれ、受ける人は限られるのかもと思われたのですが、ふたを開けてみれば希望者が殺到して予約がなかなか取れない状況。

うちの場合、もともと子どもは地域の小学校、中学校などで接種を受けられるという話だったため、のんびりとその日程が出るのを待っていたのですが、いつまで経っても予約サイトは更新されず…。どういう基準なのか、うちの近所はあと回しにされているようで、やっと日程が出たと思ったら、「やっぱりワクチンを確保できないために延期します」との知らせが。

業を煮やし、病院で予約をしようと動いたときにはあとの祭りで、すでに予約待ち1,000人と聞いて諦めました。学校によっては、最短の日程で受けられなくても複数の予約機会があったとも聞き、不公平感は否めません。用意されるワクチンは限定数のみで、供給は地域によって偏りがあり、しかも早い者勝ちだったということですね。

いろいろ探し回って、予約不要のコミュニティー・クリニックや近所の薬局チェーン店で小児ワクチン接種がかないましたが、それも在庫がなくなったと当日にキャンセルされて一からの予約の取り直しを余儀なくされたりと、がっかりの連続。

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2回完了するまでには紆余曲折ありました。今年に入って、ようやくシアトル市が大規模接種会場を用意し、小児ワクチン希望者を受けつけ始めましたが、もう少し早くやって欲しかった…(泣)。

大人のブースター接種についても同じく、どこも予約でいっぱいで、なかなか見つかりませんでした。それでも、変異ウイルスのオミクロン株の大流行前に接種を終えられたので、苦労のかいはあったかなと思っていたのですが…。

シアトルのあるワシントン州では、1月3日時点で5歳以上の2回ワクチン接種率が70.6%と全体の7割を超えています。それでも陽性率は急激に上がっており、年明けから1日の新規陽性者数1万人超えの状態が続き、過去最多の感染者数を更新しています。ワシントン州では12月4日に初のオミクロン株感染者が確認され、昨年末までに9割近くがオミクロン株に置き換わっていると推測されています。

州政府はより高い効果があるとされるブースター接種、そして小児ワクチン接種を強く推奨していますが、果たしておさえきれるかどうか? 健康上の理由などでワクチンが接種できない人や、ワクチン反対論のこともありますし、なにより「ワクチン接種者は重症化しないのでマスクは不要。だからワクチン接種を」という指導者の呼びかけが、ここに来て感染対策を難しくさせています。

●それでもアメリカは新型コロナとの共生に舵を切る

前述のとおり、乗務員不足で航空機の欠航が相次いでいるのと同様、ほかの業界やインフラにも影響が出始めています。アメリカでは、CDC(米疾病対策センター)のガイドラインに基づいて感染対策が取られていますが、オミクロン株の特性も考慮し、陽性者や陽性者との濃厚接触における隔離期間を短縮しました。

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陽性者と濃厚接触のあったワクチン未接種者は無症状であれば5日間の自宅待機後、5日間はマスク着用し、検査は任意。ブースター接種を終えている、あるいは2回目のワクチン接種から6カ月以内(ジョンソン・エンド・ジョンソンの場合は2カ月以内)で濃厚接触となった場合、無症状であれば自宅待機不要で10日間はマスクを着用、検査は任意となります。

学校は大学などを中心に再びリモートに戻すところが増えていますが、息子の通うシアトルの公立小学校は年が明けても、昨年9月から感染対策を徹底したうえで全面再開したばかりの対面授業を今のところ続けています。

同じクラスに児童や保護者の陽性者が出た場合も、とくに隔離や検査の要請などはなく、授業がリモートに切り替わるわけでもなく、「学校に来てください」とのこと。でも、子どもの送迎時に見かける保護者の数が目に見えて減っているのは気のせいでしょうか…?(汗)

アメリカのワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)

ワクチンパスポート(ワクチン接種証明)提示が当たり前になった飲食店やフィットネスジム、娯楽施設なども、変わらずに営業を続けていますし、会食や旅行の自粛もとくにありません。

デルタ株の3~6倍の感染率とも言われるオミクロン株。最新の各調査で新型コロナ陽性者の再感染やワクチン接種者のブレイクスルー感染、さらに入院、死亡の割合も決して低くはないのですが、高くはないところが楽観ムードを生んでいるのかもしれません。

しかし、ついこの前まで無料でいつでも気軽にだれもが受けられたドライブスルーでの検査も、高まる需要に追いつかずに現在は制限がかけられ、薬局などで売られている家庭用検査キットはどこも売り切れ。症状があっても、検査ができる頃には時間が経ちすぎて、すでに無症状という人が多いのが現状です。

ワシントン州では、地元企業のアマゾン社と提携し、家庭用検査キットやKN-95マスクの無料配布も予定されています。ただ、数が増えているとはいえ、入院するくらい重症化する方は、ワクチン未接種、もしくは免疫不全など疾患のある方がほとんどという傾向は変わらないとのことなので、ワクチンがまったくの無力というわけではないようです。

「おもちが食べたかったなあ」と悲しむ息子。コロナ禍でなければ、年明けに小学校の日本語クラスでおもちを食べられたのだそう。お友達みんなと一緒に棚に置かれたままのしょうゆを眺めて終わったそうです。今年こそ、いろんな貴重な機会が失われませんように、と願って止みません。

Noriko

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