プロ初安打の阪神井上「日本一に」伝説の幕開け

プロ初安打の阪神井上「日本一に」伝説の幕開け

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2020/10/18
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ヒーローインタビューを受けガッツポーズを見せる、左から梅野、井上、西勇(2020年10月16日撮影)

<阪神5-0ヤクルト>◇16日◇甲子園

衝撃の甲子園デビューだ。阪神ドラフト2位の井上広大外野手(19)が、プロ初安打初打点を弾丸のタイムリー二塁打で飾った。4点リードの8回に代打で本拠地初打席に立ち、右中間へ会心の一撃。若き大砲候補がこれから歩むスラッガー街道を示す強打で、虎党に自己紹介した。35年前の10月16日は吉田阪神が球団初の日本一につながるリーグ優勝を決めた記念日。猛虎の新時代を担う新星が、期待感あふれる第1歩を記した。

◇   ◇   ◇

甲子園が沸いた。井上が衝撃の本拠地デビューを決めた。ホームでの1軍公式戦初打席。待ちわびたスタンドは次打者席の背番号32にざわつき、歴史的な適時二塁打に大興奮した。「まさか、1年目で自分がこの舞台に立てると思っていなかった」。井上広大伝説が華々しく幕を開けた。

4点リードの8回無死一塁に代打で登場した。左腕久保の5球目。外角132キロを捉えた打球は雨粒を切り裂き、中堅田代の頭上を越えていった。14日の先発デビューから2戦7打席無安打。8打席目にして飛び出したプロ初安打にプロ初打点もついた。

甲子園に愛される男だ。

昨夏、履正社の4番で全国制覇した。決勝で星稜・奥川から3ランを放った男は今春、3月巨人戦(オープン戦)のお試し1軍でも弾丸のタイムリー二塁打を放った。そして応援団による活動が再開がされたこの日も、劇的な快音で猛虎史に1ページを刻んだ。

高校時代とは違い、ほぼ毎日のように試合があるシーズンを過ごす。体が悲鳴を上げることもあったが、弱音は吐いたことがない。早朝の読書に始まり、練習、試合、また練習と夜遅くまでバットを振る日もある。1日1日を積み重ね、しっかり土台を作ってきた。

初のお立ち台から感謝を伝えた。プロ初安打初打点を伝えたい人は? の問いに「お母さんです」と、迷わず答えた。小学6年から母貴美さん(52)と8つ下の弟〓(示ヘンに兄)榮(しゅうえい)くんとの3人暮らし。女手ひとつでプロに行かせてくれた。プロ入り後も仕事の合間を縫って録画した2軍戦などをチェック。息子の載る新聞の収集も欠かさない。「自分が打てなくて落ち込まなかったのは、お母さんの一言もある」。1軍昇格後も「次、頑張りーや」の言葉が励みになった。

「ナイスヒット!」と声をかけた矢野監督は、起用する率直な思いを明かした。「打ってくれというよりは思い切って振ってきてくれたらいいと思っていかせている」。デビュー戦を中日のエース大野雄にぶつけるなど、今は何事も経験の時。先を見据えた大きな期待がそこにある。

虎の将来を担うスラッガーは堂々と宣言した。「阪神タイガースを日本一に導けるように頑張るので、応援よろしくお願いします」。35年前のこの日は、阪神が球団初の日本一につながるリーグ優勝を決めた記念日。井上伝説が華々しく幕を開けた。【奥田隼人】

▼阪神の高卒新人・井上が8回にプロ初安打となる適時二塁打。阪神の高卒新人野手で、安打を放ったのは97年浜中以来。打点を挙げたのは、74年の掛布以来46年ぶり。掛布は同年、16打点を記録している。また、井上は甲子園デビュー戦だった。新人野手が甲子園初打席で安打を記録したのは19年の近本、木浪以来だが、高卒新人野手では、97年の浜中も、1年目33安打の掛布や66年36安打した藤田平、甲子園での先発が1軍デビュー戦だった川藤もヒットを打っていない。

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