
玉置署長から感謝状を受け取る岡本さん
麻生警察署(玉置敏也署長)は5月23日、上麻生在住の会社員・岡本卓磨さん(31)に、高齢者への保護活動に対する感謝状を贈呈した。岡本さんは、柿生駅近くの新百合ヶ丘2号踏切内で、遮断機が降りてきている中、渡り切れなくなった80代女性を緊急停止ボタンを押して安全な場所に避難させた。「ボタン一つで救える命があって良かった」と岡本さんは胸の内を語った。
5月14日午後3時ごろ、散歩から自宅に帰る途中だったという岡本さん。杖を突き、手に荷物を持ってゆっくりとした足取りで、踏切を渡ろうとしている女性に気づいた。追い抜いた後で踏切が鳴り、遮断機が降り始めた。「渡り切れない」と思い、急いで駆け付け、電車の緊急停止ボタンを押したという。「一瞬戸惑いもあったけど、電車を止めて助けるしかないと思った」と当時の心境を語る。
電車が来ていないことを確認し、そのまま女性の背中に手を添えながら「大丈夫」「ゆっくりでいいですよ」と声を掛けて、踏切外にいた人に遮断機を上げるのを手伝ってもらい、安全な場所に誘導。女性は怖がる様子もなかったという。岡本さんは電車を止めたことを説明するため柿生駅へ。その間、別の女性が高齢女性と話し、岡本さんが戻った後、近くの柿生交番勤務の警察官に保護してもらった。
岡本さんは「家に帰ってから膝がガクガクした。誰かを助けることが大事だと常に心掛けている。ボタン一つで命を救えてよかった」と振り返った。玉置署長は「適格な判断で勇気を持って対応してくれた。人命に関わる事故を防げたことに感謝したい」を謝辞を述べた。
タウンニュース麻生区版