◇全日本競歩能美大会(3月19日/石川・能美市)
初の世界選手権代表に大きく近づく会心の歩きだった。
全日本競歩能美大会の男子20km競歩は、古賀友太(大塚製薬)が1時間19分19秒で優勝。今夏に開催されるブダペスト世界選手権の派遣設定記録1時間19分30秒を突破した。
9時時点で天候晴れ、気温2.8度、湿度38%、南西の風0.4mという絶好のコンディションに恵まれ、レースはスタート。古賀の他に村山裕太郎(富士通)、萬壽春輝(順大)らが数名の海外勢と先頭集団を牽引し、5kmを19分53秒、10kmを39分41秒で通過していく。
15km手前で萬壽が遅れ始めると、以降は徐々に村山もついていけなくなる。18km地点で古賀と村山の差は4秒。古賀はオープン参加のデクラン・ティンゲイ(豪州)、併催のアジア選手権代表のチェン・ハイフォン(中国)には後れをとったものの、全日本の部を制した。
「派遣設定を切って日本人トップを目標にして臨んだのでホッとしています」と古賀。前半はイーブンペースでレースを進め、後半上げていくレースプランだったようで、「海外の選手をうまく利用して進められました」と満足気だった。
2月の日本選手権で1位、2位だった池田向希(旭化成)、高橋英輝(富士通)はすでに代表に内定しており、前回オレゴン世界選手権優勝の山西利和(愛知製鋼)はワイルドカード(出場資格)を持つ。全選考会終了後に残り1枠の選手が発表されるが、古賀がその中で最も良い記録を出したことになる。
「代表入りへ前進したと思うので、しっかり準備していきたい」
これまでインターハイや日本インカレなど、各カテゴリーで頂点に立ってきた逸材。初のシニア日本代表入りへ、吉報を待つ。
2位の村山も1時間19分25秒で派遣設定記録を突破。従来の自己記録を1分15秒も更新する大躍進だった。
オープン参加のデクラン・ティンゲイ(豪州)が1時間18分48秒でトップ。併催のアジア選手権はチェン・ハイフォン(中国)が1時間19分10秒で制した。
月陸編集部