中央線「昭和グルメ」を巡る 第67回 創業50年! 駅から見える老舗の喫茶店「珈里亜」(荻窪)

中央線「昭和グルメ」を巡る 第67回 創業50年! 駅から見える老舗の喫茶店「珈里亜」(荻窪)

  • マイナビニュース
  • 更新日:2021/02/23
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いまなお昭和の雰囲気を残す中央線沿線の穴場スポットを、ご自身も中央線人間である作家・書評家の印南敦史さんがご紹介。喫茶店から食堂まで、沿線ならではの個性的なお店が続々と登場します。今回は、荻窪の喫茶店「珈里亜」です。

浅草・神谷バーの暖簾分け店「酒処 かみや」(荻窪)

○1番線ホームから見えるあのお店へ

荻窪駅1番線ホームのまんなかへんから南口に目をやると、バス停の向こう側のビル2階にレトロな喫茶店があることに気づくはず。

1番線を利用したことがある人なら、間違いなく見ているであろうその店が、今回ご紹介する「珈里亜(かりあ)」です。

「少なくとも僕が小学生のころからあったよなぁ……」と気になったので調べてみたところ、やはり1971年(昭和46年)オープンだとか。物心ついたころには特徴的な外観を見ていた記憶があるだけに、なんだかしっくりきました。

余談ながら、かなり昔には西口白山通り沿いに西口店もあったのですけれど、いまはこちらだけです。

2階に上がって茶色い木枠の扉を開ければ、左側、すなわち駅のホーム側に一気に昭和な空間が広がります。

入って左側は、織り模様の入った椅子が並んだテーブル席が3卓。その向かい側のカウンターおよび厨房部分には、多くの小物が置かれてやや雑然としています。マスターの使いやすさを重視しているのでしょうが、きちんと整理されているので違和感はなし。

さらには、その後ろにも変形のテーブル席があり、窓際にもテーブル席が3卓並びます。

それにしても、よく見てみれば柱が微妙にギリシャ風だったり、そこからつながる壁の上部や天井にアーチがついていたり、シャンデリアが謎の高級感を醸し出していたり、花や観葉植物がたくさんあったりと、まぁゴージャスといえばゴージャス。

でも場末の純喫茶にあるような怪しさはなく、さすがは老舗だというべきかな。

もちろんテーブル席にはパーテーションとビニールカーテンもしっかり装備されていて、コロナ対策も万全です。

そうそう、有線放送だと思われるBGMはイージーリスニングでした。

さて、ここに来たら荻窪駅を見下ろせる窓際を楽しみたいところです。人気があるので倍率が高くもあるのですけれど、この日は幸いにもいちばん左が空いていました。よかったよかった。

なお、こちらはフードメニューも充実しており、メニューを開けばエビピラフからチキンカレーまでがズラリ。

今回はそのなかから、「スパゲッティ ベーコンクリーム」を選びました。ベーコンクリームって、なんとなく懐かしい気がしちゃってですね。しませんか?

あ、念のために書いておきますが、「スパゲティ」じゃありませんよ、「スパゲッティ」ですよ。昭和な喫茶店の表記はこうじゃなくちゃね。

○濃厚スパゲッティで至福のひとときを

鮮度抜群のサラダに続いて登場したスパゲッティ ベーコンクリームは、「ああ、こういうの、1970年代に食べた気がする」と思いたくなる感じ。ベーコン、マッシュルーム、タマネギと一緒に炒められたスパゲティ……じゃなかったスパゲッティに、濃厚なクリームソースがこれでもかというくらいに絡んでいます。

パルメザンチーズをたっぷりかけていただけば、もう文句なしの昭和グルメワールド。適度にこってり感があり、とてもおいしい。いま風ではないかもしれないけれど、だからこそいいんです。これでいいんです。いや、これ"が"いいんです。

食後にはアイスコーヒーをお願いしたのですが、透明感のあるそのルックスも、窓の外の青い空と絶妙のバランス。ミルクとガムシロップの容器もレトロ感満載で、もちろん味のほうも心地よい苦味が爽快です。

ところで、この日は編集者との打ち合わせだったんですよ。そのためパーテーションを隔ててああだこうだと話をしていたのですが、驚くべきことに気がつけば3時間半が経過。さっきまで明るかった空も、やや暮れかけています。

やっちまったぜ。これはお店に悪いことをしてしまったなぁと感じたものの、ふと見るとお客さんがはけた店内では、マスターがさほど気にしてもいなさそうにテーブル席で新聞を読んでいます。

つまり、放っておいてくれたわけで、これはとてもありがたいこと。よくあるチェーン店だったら、間違いなく急かされますもんね。もっと早く気づいて、追加注文くらいはすべきだったなぁと反省はしましたが、うれしくはあったのでした。

こういう余裕があるからこそ、50年も続けてこられたのかもしれませんね。感謝です。

●珈里亜
住所:東京都杉並区荻窪5-27-6
営業時間:月~土10:00~22:00(L.O.21:30)、日・祝12:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:不定休

印南敦史 作家、書評家。1962年東京生まれ。音楽ライター、音楽雑誌編集長を経て独立。現在は書評家として月間50本以上の書評を執筆。ベストセラー『遅読家のための読書術』(ダイヤモンド社)を筆頭に、『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(星海社新書)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書に学んだライフハック――「仕事」「生活」「心」人生の質を高める25の習慣』(サンガ)ほか著書多数。12月14日発売の最新刊は『それはきっと必要ない: 年間500本書評を書く人の「捨てる」技術』(誠文堂新光社)。6月8日「書評執筆本数日本一」に認定。 この著者の記事一覧はこちら

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