「残酷に見えて、心が引き裂かれている複雑な人物」を演じ切るベネディクト・カンバーバッチの魅力

「残酷に見えて、心が引き裂かれている複雑な人物」を演じ切るベネディクト・カンバーバッチの魅力

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  • 更新日:2021/11/25
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監督 ジェーン・カンピオン/イオンシネマほか全国公開中。12月1日からNetflixで配信開始/128分

全国公開中の映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」が、12月1日からNetflixでも配信される。1993年の「ピアノ・レッスン」で、女性で初めてカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞、アカデミー賞にもノミネートされたジェーン・カンピオン監督の12年ぶりの長編。ベネディクト・カンバーバッチはアカデミー賞主演男優賞の本命か?

【場面写真の続きはこちら】1925年、アメリカ・モンタナ州の裕福な牧場主であるバーバンク兄弟は、市場に向かう途中で立ち寄ったレストランで、女主人ローズ(キルステン・ダンスト)とその息子ピーター(コディ・スミット=マクフィー)と出会う。兄のフィル(ベネディクト・カンバーバッチ)は2人に酷い仕打ちをし、有頂天になり仲間たちを笑わせるが、この様子をただ一人笑わずに見ていたのが弟のジョージ(ジェシー・プレモンス)だった。凶暴でずる賢いフィルは、ローズに執拗に嫌がらせを繰り返すが、やがてピーターの面倒を見るようになる。

果たしてこれは、彼が改心していく兆候なのか? あるいは、更なる残酷な展開が待ち受けているのか?

本作に対する映画評論家らの意見は?(★4つで満点)

■渡辺祥子(映画評論家)

評価:★★★★

傲慢冷酷な兄と温厚な弟。傲慢さが秘める逞しい肉体への関心、同性への愛の一方にある反発、目前の山並みを自分と同じ思いで見る繊細な若者ピーターへの共感と愛着。それらに向ける監督の大胆で細やかな視線が胸を刺す。

■大場正明(映画評論家)

評価:★★★★

キャストがいずれも素晴らしいが、やはりカンバーバッチ。残酷に見えて、心が引き裂かれている実に複雑な人物を繊細に演じ切っている。水面下で欲望や狂気がせめぎ合い、異様な空気を醸し出すカンピオンの演出も見事。

■LiLiCo(映画コメンテーター)

評価:★★

作品のドアをノックしましたが玄関で足踏みしてしまった。カンバーバッチは素晴らしいからイラッ。心の貧しい人とは関わりたくない。人間同士の心理戦より、もう少し何かが欲しい。ダンスト元気で良かったってところ。

■わたなべりんたろう(映画ライター)

評価:★★★★

熟練の監督ならではの作品の風格をずっしりと感じさせる。広大な自然を舞台にしているが、登場人物の関係はかなり絞られている。登場人物の内面を微かに示すのみなので、わかりづらい人がいるかもしれない。

(構成/長沢明[+code])

※週刊朝日  2021年12月3日号

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