
"寄せ書きを手に、場内を歩くFE名古屋の宮崎恭行選手=2023年5月7日、名古屋市枇杷島スポーツセンター、上山浩也撮影"
バスケットボールBリーグ1部(B1)のファイティングイーグルス名古屋(FE名古屋)の宮崎恭行主将(37)が、現役生活に終止符を打った。選手生命が危ぶまれる左ひざのけがで苦しんだ時期もあった。「どんなに困難な状況でも諦めず、強い意志を持って取り組めば必ず夢はかなう。その姿を少しでも見せられたかなと思う」と、ファンに最後のあいさつをした。
チームに17シーズン在籍し、「ミスターイーグルス」と親しまれた宮崎選手。最終戦は5月7日、本拠の名古屋市枇杷島スポーツセンターであった。チームの今季最終戦。先発出場すると、開始10秒で得意の3点シュートを決めるなど約24分のプレーで5得点した。
チーム最後のシュートも宮崎選手。この3点シュートはリングに嫌われ、「ちょっと練習が足りなかった。でも、あそこで入ると感動的すぎたので、外れたのも良かったかなと思う」と目を細めた。試合は、チャンピオンシップに進んだ島根スサノオマジックに64―77で敗れた。
三重県鈴鹿市出身。身長170センチのポイントガードは、2006年にチームに加わった。日本バスケットボールリーグの2部機構(JBL2)ではMVPを3度獲得した。
選手生命の危機は2015年秋。試合中に前十字靱帯(じんたい)断裂など左ひざ周辺を一度に5カ所も痛めた。それでも、「僕は本当に負けず嫌い。やると決めたことは最後までやりきる」。懸命のリハビリで18年2月に試合復帰を果たすと、昨季はB2優勝にチームを導き、念願のB1昇格も決めた。