本田圭佑の「送別会動画」がブラジルで大問題に。新天地にも影響か

本田圭佑の「送別会動画」がブラジルで大問題に。新天地にも影響か

  • Sportiva
  • 更新日:2021/01/13

「Despedida de Honda(本田の送別会)」――そんなタイトルの動画が今、ブラジルでとんでもない物議を巻き起こしている。

場所はどこかのレストラン。黒いTシャツに短パン姿の本田圭佑が、椅子の上にマイクを握って立っている。脇にはもうひとりの選手が立っていて、やはりマイクを持ち、本田と会話をかわす。他の数人の選手たちが彼に野次を飛ばしている。

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その後、場面が変わり、パゴージ(サンバの一種)を演奏するバンドに合わせて、選手たちが踊っている。本田も腰を落として足を動かしノリノリの様子だ。テーブルの上にはアルコールとアラブ風の水煙草が見える。

最初にこの動画アップしたのはボタフォゴファンのジャーナリストのブログ「Boletim do C.E.」だった。そして動画がボタフォゴのニュースサイト「FOGAONET」に転載されるやいなや、またたくまに拡散した。

※ボタフォゴのニュースサイト「FOGAONET」に転載された実際の動画→(https://www.youtube.com/watch?v=cvsW89irERc)

解説によると、これは12月30日にリオデジャネイロ西部地区のとあるレストラン(店の営業妨害になる可能性もあるので名前は伏せられている)で開かれた、本田の送別会だという。

参加しているのは本田の他にボタフォゴの5人の選手マルセロ・ベネベヌート、ラファエル・フォルスター、カイオ・アレシャンドレ、コロンビア人のカルロス・レンテリア、マテウス・バビ。5人はふだんの練習の時から本田の近くにいるメンバーだ。撮影した人物は秘密にされているが、どうやらパーティーに参加していたひとりのようだ。

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ボタフォゴを退団した本田圭佑。ポルティモネンセ(ポルトガル)への移籍が有力視されている photo by ZUMA Press/AFLO

ボタフォゴは今、窮地にある。ここまでの成績は4勝14敗11引き分け。順位は下から2番目で、セリエB落ちが現実味を帯びてきた。12月30日といえば、ちょうど正月休暇に入ったところだが、ボタフォゴは27日のコリンチャンス戦に負け、事態はより悪い方へと向かっていた(ちなみに次の1月6日のアトレティコ・パラナエンセ戦でも負けている)。そんな状況でパーティーを開くのか?

最初は誰もこの動画が本物とは思わなかったほどだ。1年前に加入した時の歓迎会など、昔の映像なのではないかという見方もあった。しかし、それが2020年12月30日のものだとわかって大騒ぎになった。

パーティーを開くことが禁止されているわけではない。しかし、チームのことを心より憂いているサポーター、そして本田のチームを捨てていくような形の突然の移籍を快く思っていない者の怒りの火に油を注ぐ形となった。

本田は12月19日のコリチーバ戦で左太ももの筋肉を痛め、全治一カ月と診断された。しかしケガから10日しか経っていないこのパーティーで、本田は椅子の上に乗ったり、踊ったりしている。これを見たボタフォゴのドクターのひとりは私にこう漏らした。

「正直、驚いている。筋肉を痛めているというのに、まだ大事にしなければいけない時期なのに、彼は何をしているんだ。本当にプロなのか?」

そしてもうひとつ、この動画には重大な問題がある。ブラジルではコロナの死者は20万人を超え、年が明けても1日当たりの死者数が1000人を超す日が続いている。しかし、このパーティーでは誰ひとりマスクをしていないのだ。

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動画がアップされたのが日曜日の夜。そして1日たった月曜日にはブラジルのキー局『グローボTV』のゴールデンタイムのニュースで流されるまでのスクープとなっている。ネットでも「本田 送別会」と検索すれば、数多くがヒットする。いまや、ブラジルサッカーにはこの話題しかないかのような騒がれ方になっているのだ。

『スポーツTV』のジャーナリストは番組で本田をこう非難した。

「ボタフォゴがセリエBに落ちると絶望している時に、若い選手を引き連れてパーティーをするなんて、なんて勇気の持ち主だ。どこからこういう考えが生まれるのか、教えてもらいたいぐらいだ。結局チームのことなどを何も考えていないから、できるのだろう」

ボタフォゴ幹部も「外国人選手にこんな扱いをされたのは初めてだ」と嘆く。出ていく本田は関係ないかもしれないが、その他の5人の選手は、間違いなく何らかのペナルティを課せられるだろう。チームメイトたちは彼らのことを快くは思わず、チームが割れる危険もある。成り行き次第では、5人はチームを放出される可能性さえあるだろう。

記事を載せた「FOGAONET」には、ツイッターだけでもほんの数時間で2500以上のネガティブな意見が集まった。これまでになかったことは、サポーターの怒りがチーム以上に本田自身に向かっていることだ。

「本田はまるでギャグマンガのようだ。ヒーローとして来て、結局1試合もいいプレーをしなかった」「君をあんなに好きだったのに、どうしてそんなひどいことができるんだ」......。

同じ言語であるだけに、本田が新天地に選んだポルトガルにもこのニュースは伝わっている。彼はポルティモネンセでプレーする前から、ネガティブなイメージを持たれてしまう可能性が十分にある。

コロナ、リオの暑さ、そして混乱して弱く金もないチームに、本田はほとほと嫌気がさしていたのだろうか。ブラジルを去れることが心から嬉しかったのだろうか。動画の本田は笑っている。この10カ月で彼のこれほどの笑顔を見たのは初めてだ。

だが、真のプロフェッショナルが、34歳の一国を代表するような選手が、することではないのは明らかだ。

リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon

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