『機動戦士ガンダム』ホワイトベース初期乗組員パイロットの“ニュータイプ度数”を考察してみた

『機動戦士ガンダム』ホワイトベース初期乗組員パイロットの“ニュータイプ度数”を考察してみた

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  • 更新日:2023/03/19
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アニメ『機動戦士ガンダム』DVD第1巻(C)創通・サンライズ

機動戦士ガンダム』で主人公らが乗る戦艦“ホワイトベース”は、その乗組員のほとんどが実戦経験ほぼゼロの素人である。にもかかわらず、サイド7からホワイトベースに搭乗していた初期乗組員で戦死したのはパイロット候補生のリュウ・ホセイのみだった。

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連邦・ジオン双方から「ニュータイプ部隊」と噂されていたホワイトベースだが、実際のところはどうなのか。初期乗組員のパイロットを中心に、そのポテンシャルを考察した。

■ずば抜けたニュータイプパイロット「アムロ・レイ」

言うまでもなく、ガンダムのパイロットであるアムロ・レイはニュータイプの先駆けだ。覚醒も何も、超高性能の軍事兵器を初見で操り、相手のコックピットのみを的確に狙って突き刺すという芸当をやってのける時点で既に普通ではない。

メカオタクとしての操作知識やそれに基づく勘があったとしても、それ以上に並外れた反射神経や空間認識能力、直感なしにこんなことはできないだろうから、やはりアムロのニュータイプ度はずば抜けていると言えるだろう。

ホワイトベースの戦いは常にアムロが最前線で、すべての重圧を背負い続けてきた。ほかの民間人パイロットたちが一年戦争を生き抜いたのも、彼らの実力はもとより、アムロとガンダムの力で負担が軽減したことも大きいのではないだろうか。

■ミハルの死後目覚ましい活躍を見せた「カイ・シデン」

“カイ・シデンは、ミハル・ラトキエの死後ニュータイプに覚醒したのではないか?”という議論をネットなどで見かけることがある。その理由は第28話のラストシーンで、死んだミハルの声を聞いている描写があるからだ。

カイはもともと洞察や直感に優れているし、素質はあるのかもしれない。しかし、作中でアムロ、ララァ、シャア、セイラに見られたような稲妻が走るような感覚をカイが得ることはついぞなかった。

ミライのようにララァのサイコミュに反応することも、カツ、レツ、キッカのようにアムロの居場所を感じ取ることもない。そう考えると、あのミハルの声はニュータイプ覚醒によるものというよりは、カイの思いを映し出したものだと考えるのが妥当な気がする。

ミハルの死後、カイの戦績は目覚ましく、最終的なMS撃墜数は20機を超える。それは彼が“打倒ジオン”を強く意識し、戦う決意ができた証でもあるだろう。

思えば、普段から素行が悪い面が目立っていたカイだが、これは意識的ではないにせよ彼なりの生存戦略なのかもとも思える。周囲から期待されなければ、重圧を背負わされることもないからだ。カイが生き延びたのは、もしかしたらそういった要領の良さによる部分も大きいかもしれない。

■勘の良さと度胸を兼ね備える「ハヤト・コバヤシ」

ハヤト・コバヤシもまた、カイと同等の戦績を残した優秀なパイロットだ。一度砲台の操作を教わっただけで「できますよ」と言ってガンタンクで出撃したあたり、勘の良さと度胸とを兼ね備えている。

しかし第27話でカイの代わりにガンキャノンに乗ったときは大苦戦、第35話のソロモン攻略戦でも負傷。どことなくパッとせず、自身も“カイやセイラにかなわない”と認めている。また、このときすでに誰の手も届かない存在になっていたアムロに対し、まだ対抗心を見せており、フラウ・ボゥに“アムロは私たちとは違う”と諭されるなど、鈍さも否めない(本当に分かっていないというよりは、どうしても認めたくないほうが強いのだろう)。

ただ、GファイターやGスカイ・イージーではアムロと息ぴったりなところも見せている。柔道家ということもあって、相手の呼吸を読むことは得意だと思われる。

■ホワイトベースの兄貴分「リュウ・ホセイ」

おそらくアムロの一番の理解者だったリュウ・ホセイ。民間人ではなくパイロット候補生だが、実戦経験はほぼゼロだ。

彼は第20話でランバ・ラルとの銃撃戦の際に重傷を負い、続く第21話で敵機に突撃して戦死した。第3話ではアムロの忠告がなければ逆光で戦おうとするなど、パイロットとしてのセンスはあまりなかったのかもしれない。

ニュータイプかオールドタイプかといえば、リュウは典型的なオールドタイプなのだろう。ニュータイプのように、離れた場所にいる相手と共感し合うことはできない。しかし目の前の人の気持ちを汲み取る力には長けており、それゆえホワイトベースの兄貴分的な存在で人望も厚かった。いつの世でも、そういう人が重宝されるのではないだろうか。

■抜群の戦闘センスを持つ「セイラ・マス」

アムロほど明確ではないが、セイラ・マスもニュータイプとされている一人だ。第6話では初めての機関銃操作で敵を撃墜して正規兵に賞賛され、ガンダムの操縦もすぐにとはいかなくとも2回目でやってのけている。

MS撃墜数もアムロに次いで多く、戦闘センスは抜群だ。物語終盤に稲妻が走るような直感を得たのも、ホワイトベースのパイロットではアムロを除いてセイラのみだった。

第43話では離れた場所からシャアの居場所を感じ取り、最後の再会を果たした。第2話でシャアの素顔に兄・キャスバルの面影を見たとき、“兄さんがこんなところにいるはずがない”と思いながらも、どこか確信めいたものを感じていたのだろう。

兄妹間の強い絆から来る感応のようなものは、最初からあったのかもしれない。セイラの力は戦闘シーンではもちろん、とくに兄を思う場面で存分に発揮されていたように思う。

以上の点から、各パイロットのニュータイプ度数を比べると、アムロ>>>>>セイラ>>カイ>ハヤト>リュウといった感じになるだろうか。

アムロは”ホワイトベースのみんながニュータイプだ”と言っていたが、実際のところは、やはりアムロとガンダムの力が大きいのではないかと思う。しかし、人より洞察や直感が優れていたり、勘が良かったり、合わせるのが上手だったりと、ニュータイプでなくとも各々に秀でた部分は確かにある。

噂されていた「ニュータイプ部隊」とまではいかないかもしれないが、優秀な人材が集まっていたことは確かなようだ。

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霜月はつか

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