夏の定番・手延べそうめん「揖保乃糸」の家庭向け商品の出荷が堅調という。兵庫県手延素麺協同組合(同県たつの市)によると7~8月の出荷数量は、新型コロナウイルスに伴う巣ごもり需要で出荷を大きく押し上げた2021年実績から、さらに2%増の4500万食を見込む。

麺にハシを入れ、延ばしていく工程を披露した揖保乃糸のPRイベント=JR姫路駅前
夏の出荷を大きく左右するのが梅雨明けの時期。今年は近畿が6月28日で過去最も早く、6月末から出荷が大きく伸びた。コロナ禍前の19年7~8月と比べると、今夏は約3割伸びる見通し。
20~21年はコロナ禍の影響で、全国の商業施設で行う恒例の販促イベントが中止となったが、今年は制限緩和が進んでいるという。7月にはJR姫路駅前でも揖保乃糸の製造工程を実演し、アピールした。
さまざまな食品の値上げが相次ぐ中、今年は揖保乃糸の価格を据え置き、来春の値上げを見込む。同組合は「そうめんは気温が30度を超えると売れ始め、34度になればよく売れる」といい、暑い夏に期待を寄せている。(段 貴則)