国交省、船の通信手段「検査機関との情報共有課題」 知床観光船事故

国交省、船の通信手段「検査機関との情報共有課題」 知床観光船事故

  • 毎日新聞
  • 更新日:2022/05/13
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アマチュア無線使用状況の調査のために知床遊覧船所有の観光船「KAZU Ⅲ(カズスリー)」の船内を調べる総務省北海道総合通信局の職員ら=北海道斜里町で2022年5月12日午後6時7分、貝塚太一撮影

北海道・知床半島沖で沈没した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」を巡っては、事故3日前の4月20日に行われた船舶検査で、航路の大半が通信エリア外の携帯電話を通信手段とすることを検査機関が容認していた。一方で、国土交通省は2021年10月の抜き打ち調査の際に、携帯電話の会社によっては航路で通じないことを認識していた。国交省の担当者は「検査機関が認識できなかった。(国交省と検査機関は)組織も違うので、情報共有は検討課題」と釈明している。

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カズワンは事故3日前、法定の船舶検査を受けた。国の代行機関として検査を担当したのは「日本小型船舶検査機構」(JCI)で、検査の際に豊田徳幸船長=行方不明=が通信手段を衛星電話から携帯電話に変更したいと申し出た。申し出た携帯電話の会社だと航路の大半で通信できないものの、船長が海上でも通じると話したことなどから、担当者は申し出を認めた。

カズワンは21年5月と6月に事故を起こしており、国交省は安全管理体制の改善を指導していた。改善状況を確認するため、21年10月に運航会社「知床遊覧船」に対する抜き打ち調査を行い、事務所と船の通信手段についても確認した。同社は衛星電話と携帯電話を使っているとし、携帯電話については航路の大半で通信エリア外となる会社から別の会社に変えたところ「つながるようになった」と述べたという。豊田船長が事故の3日前に使用を申し出た携帯電話は、この際にやめた航路の大半で通話エリア外となる会社のものだった。

JCIは船舶検査の際、携帯電話を通信設備とする船について、航路の一部が通信事業者のエリアマップから外れていても、事業者が通じると申告した場合は変更を認めると内規で定めており、国交省はこの内規の変更をJCIに指導している。【木下翔太郎、国本愛】

毎日新聞

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