2023年3月18日(土)、“ファミ通・電撃ゲームアワード2022”内で“お笑いゲームネタNo.1決定戦 ゲームネタグランプリ”の第2回が開催。並み居る芸人たちの中、予選、決勝を勝ち抜き超平和万博が優勝し賞金100万円を手にした。
【第2回】 ゲームネタNo.1決定戦 ゲームネタグランプリ【#ファミ通電撃アワード】
出場者は以下の10組(出場順、敬称略)。
Yes!アキト
シンレンサイ
ななまがり
R藤本&BAN BAN BAN山本
無尽蔵
NOモーション。
シューマッハ
超平和万博
ガーリィレコード
ものまね三銃士
司会をマヂカルラブリー・村上さん。審査員をマヂカルラブリー・野田クリスタルさん、放送作家・岐部昌幸さん、名越スタジオ 代表取締役・名越稔洋さん、ファミ通.com編集長・世界三大三代川の4名が担当した。
予選ではA、B、Cグループに分かれてネタを披露。審査員がもっともおもしろかった芸人を1組選出し、合計4組が最終決戦に進出となる。三代川編集長はシューマッハ、岐部さんは超平和万博、名越さんは無尽蔵、野田さんはものまね三銃士を選出した。

パワーアップしたゲームネタの応酬
シューマッハは予選に引き続き、センス抜群のゲーム機起動ものまねを展開。ふたりの身体を見事に使い初代プレイステーション、ドリームキャスト北米版、ゲームキューブ、ファミリーコンピュータ ディスクシステムのものまねを披露した。

シューマッハ
予選で「セガが天下とってたら」をお題にセガへの愛にあふれた正統派な漫才を展開した超平和万博。決勝戦では「3大RPGは?」をお題にふたりの掛け合いがヒートアップ。『ドラゴンクエスト』、『ファイナルファンタジー』につづいて、『テイルズ』、『真・女神転生』のどちらを加えるかについてマニアックな知識をもとにした各作品のネタを連発して会場を盛り上げた。

超平和万博
無尽蔵は予選で食堂がオンラインゲームだったとしたらという架空の設定でネタを展開。「麻婆豆腐は環境に対するメタとして機能していた」、「コロッケは不遇が長い、メンチカツの下位互換」など独特の世界観が爆発。
つづく決勝戦では学食のおばちゃん(運営側)目線でのストーリーに。「いままではカレー環境すぎた」「カレーの重課金勢が引退するのを避けるためにサイレント修正しましょう」などオンラインゲームあるあるで笑いを巻き起こした。

無尽蔵
前回大会王者・ものまね三銃士が第2回にも出場し、みごとに決勝戦に進出。おなじみ、『ストリートファイター』シリーズのベガ、『龍虎の拳』ロバート・ガルシア、『餓狼伝説』ギース・ハワードに扮して漫才を展開。格闘ゲームだけでなく、『スプラトゥーン』など最近のゲームネタを織り交ぜつつ安定感のあるネタで会場を沸かせた。

ものまね三銃士
優勝直後の超平和万博にインタビュー

見事優勝した超平和万博のおふたり。左から和田ランダマイザさん、たくみさん。
――優勝おめでとうございます。いまのお気持ちをお聞かせください。
たくみ去年の7月にコンビを組んだので、初出場での優勝なんでめちゃくちゃうれしいです。でも、相方の和田が喜びすぎてて頭抱えてるんですよ。そのリアクションのしかたに引きました。
和田どう気持ちを表現したらいいのかわかんなかったのよ。頭抱えるよ。ほんとうにこの大会に掛けてきたから。
――1本目終わってから真剣にネタ合わせしていましたよね。
たくみこいつが全部書いてきたのに、本番の1本目いくつかネタトバしてたんですよ。
和田頭が真っ白になってたんですよ。思ったより大会のレベルが高くて。おこがましいかもしれないですけど、M-1の決勝ってこんな感じなのかなってくらい、緊張感が張り詰めていましたから。

――セガと『真・女神転生』を中心に漫才を展開されていて、おふたりのゲームへの愛を感じました。
たくみ僕らはふたりともゲーマーです。僕はとくに『ポケットモンスター』シリーズが好きでランクマッチをやり込んでます。でも、今回の大会ではセガでいこうとなって和田が中心になってネタをつくりました。
和田友達のセガマニアと笑い合いながらネタを作りました。僕が書いたけど、相方がセガマニアとして語る意味わかんないかたちになりましたが。たくみの風貌はめちゃくちゃセガマニアっぽいからいいなと。
たくみ僕がしらない知識が多くて、用語など覚えなきゃいけないことがたくさんあったのでめちゃくちゃ練習しました。ネタ合わせは3万回はしたと思う。
和田それはほんとうにありがとう。僕が『真・女神転生』が大好きすぎてこういうネタになったんです。このゴールデンウィークに“真・女神転生 30周年感謝祭”をやるんですよ。なんとか、ださせてもらえないですかね?セガさん!お願いします!
たくみそれずっと言ってるな。

――優勝賞金の100万円はなにに使いますか?
和田優勝するっていう意気込みでネタを仕上げてきましたが、変に意識しちゃうから賞金のことは考えないようにしてたんですよね。100万円……。ガチで悩んでます。
たくみ僕はまずセガのゲーム買います。それこそメガテンを買います!

審査員・岐部昌幸さんコメント

――今回の大会についての感想をお願いします。
前回から引き続き審査員として参加して、第2回でレベルが一気に上がったことがうれしかったです。優勝した超平和万博さんについては、ゲームへの愛を完成度の高い3分間の漫才に昇華した姿勢に関心しました。僕自身がセガが好きというえこひいきは若干あったかもしれませんが、ゲーム愛と実力が評価された結果だと思います。
視点の新しさでいうと無尽蔵さんが予選、決勝戦で活躍されたことも大きな意味を持つと思います。この大会がなかったら発掘されていなかったであろう視点や才能を多くのひとにお届けできたことが関係冥利に尽きます。
――もし、次回も開催されるとして。立ち上げから出場者の選考に関わっている岐部さんから、出場を検討されている芸人さんたちに向けてのアドバイスをお願いします。
『ドラゴンクエスト』や『ポケットモンスター』など有名なタイトルはウケやすいですが、予選でもめちゃくちゃ被るので勝ちにくいです。
この大会はゲーム愛はもちろんですが、どうやってネタにするのかという目線も重要です。ファミ通というゲームに目の肥えたかたが集まる媒体だから、マニアックなタイトルでもおもしろければちゃんと応えてくれる土壌があります。だから、安心して斬新な目線や、好きなタイトルへの愛でぶつかってきてほしいです。
あと、YouTubeにもコメントがたくさん来ていましたが次回はお客さんも入れて開催できたら盛り上がると思います。生で観たいひとも多いでしょうし。
審査員・名越稔洋さんコメント

――今回は審査員として参加していただきありがとうございました。大会全体を通してのご感想をお願いします。
ゲームネタにくくられたテーマだからマニアックに寄りがちかなと思っていましたがこんなにおもしろい大会になったことに驚きました。これは芸人さんの頑張りもあるし、モチーフとしてのゲームというジャンルがこんなにも一般的に広がったんだなと実感しました。ゲームの作り手としてはうれしかったですね。
――決勝戦への選考で名越さんが投票した無尽蔵さんと、優勝した超平和万博さんへのコメントをお願いします。
無尽蔵さんはゲームタイトルに依存したネタではありませんでしたが、ゲーム作りの業界用語がネタと合っていて自然に笑えました。ある意味でとてもマニアックだけど新鮮で驚きました。
優勝した超平和万博さんはゲームをすごく深く知っているひとのイジりでしたね。たくさんの愛情があるネタなので、耳の痛い意見だとしても笑い飛ばせるかなと。ゲーム業界のひとはああいうネタに助けてもらえるシーンはあると思います。これを機にいろんな案件を持っていって、彼らと業界関係者のどちらも幸せになってほしいという意味で一票を入れました。
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