冨樫義博作品「今だから共感できる大人の言葉」4選 敵のセリフも心に刺さる...!?

冨樫義博作品「今だから共感できる大人の言葉」4選 敵のセリフも心に刺さる...!?

  • ふたまん+
  • 更新日:2022/06/23
No image

『幽☆遊☆白書 完全版』(集英社)13巻・書影より

2022年5月、突如ツイッターを開設して大きな話題を呼んだ人気漫画家の冨樫義博氏。現在休載中の『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』のネームらしき画像を公開しており、もしかすると連載再開の日が近づいているのかもしれない。

関連:■【画像】冨樫義博の描くセクシーな肉体美、読者が選ぶ「一番好きなハンター×ハンターの表紙絵」1位から10位■

そんな冨樫氏の作品の数々はアニメ化もされていて、『週刊少年ジャンプ』(集英社)を代表する作品のひとつと言える。子どもの頃にハマった作品を大人になってから読み返すと、当時とは異なる印象を受けることがあり、冨樫氏の『幽遊白書』や『ハンター×ハンター』も例外ではない。

そこで今回は、富樫氏を代表するこの2作品から、個人的に月日が経ってからその魅力が理解できるようになった大人キャラたちの言葉をご紹介したい。

※以下には、コミック『幽遊白書』『HUNTER×HUNTER』の一部内容が含まれています。ストーリーを解説するのが本記事の主目的ではありませんが、漫画およびアニメをまだご覧になっていない方、意図せぬネタバレが気になる方はご注意ください。

■何年経っても変わらない信念

まずは『幽遊白書』の主人公・浦飯幽助の師匠である幻海から。年齢は70歳前後の達人で、人間界では5本の指に入る霊能力者である。連載当時は毒舌で厳しい師匠という印象だったが、今あらためて読むと、加齢による衰えなどを自然体で受け入れる姿勢に人間的魅力を感じてしまう。

たとえば若かりし頃の戸愚呂弟が、やがて訪れる年齢的な衰えに恐怖を感じ、「人間とは不便なものだな」とつぶやいたことに対し、幻海は「あんたが年をとればあたしも年をとる」「それでいいじゃないか」と返す場面がある。

何も強さだけに限らず、女性であれば肌の衰えなども危惧しそうなもの。この当時の幻海は、敵すら一目惚れされるレベルの美貌の持ち主だったが意にも介さない。重要なのは、外見ではなく中身だと言っているようにも聞こえた。

また幻海は、死々若丸に対し「あんたはあたしを正義といったがそんなつもりは全くないよ」「たまたま嫌いな奴に悪党が多いだけの話しさ」という発言もしている。これは「正義」や「悪」といった一般的な価値観にとらわれず、自分なりの判断基準で物事を決めているということにほかならない。

こうした幻海の生き様や人間性の素晴らしさは、子どもの頃はなかなか気づけない部分だった。

■何もかも受け入れたパートナーとの絆

次に紹介するのは『幽遊白書』に登場する敵の妖怪、樹。彼は元霊界探偵の仙水忍のパートナーとして魔界と人間界をつなぐ穴を作ろうとするなど、初見から「やべー奴」という印象だった。

しかし、今あらためて読み返すと彼は非常に愛情深い男性ということが分かる。それは桑原和真から仙水のどこを気に入っているのかと理由を問われたときの回答にもにじみ出ていた。

樹は、「全てさ」「彼の強さも弱さも純粋さ醜さ哀しさ全て」「あいつの人間臭さ全てに魅かれていった」と答えている。

ここまで相手のすべてを受け入れ、自身の悲願を成し遂げるために献身的にサポートしてくれるパートナーはそうはいない。さらに幽助に敗れた仙水の命が尽きたあとは「死んでも霊界には行きたくない」という彼の遺言に従い、樹は仙水の遺体とともに亜空間へと消えていった。

最期までパートナーの言葉を尊重し、肯定してくれる存在は貴重だし、樹というキャラクターの見方が大きく変わったシーンでもある。

■ずっとそばで寄り添った心優しき“母”の言葉

『ハンター×ハンター』の主人公・ゴン=フリークスの育ての親であるミト。そこまで出番の多くない彼女の魅力にも最近気づかされた。

純粋でまっすぐなゴンを見ていれば、彼を育てあげたミトの素晴らしさが必然的に分かる。そのゴンが「ミトおばさんが教えてくれたオレの好きな言葉なんだ」と語っていたのが、「その人を知りたければその人が何に対して怒りを感じるかを知れ」という言葉だ。

何に対して怒りを感じるか知るためには、それだけ相手のことを深く学び、真剣に向き合わないといけない。まだ幼かったゴンに対し、ミトはこの言葉によって人間関係の築き方を教えたのだろう。それに、ゴンもその意味をしっかり受けとめたからこそ、「オレの好きな言葉なんだ」と言えたに違いない。

ゴンが帰ってきたときには、精一杯のご馳走を用意して愛情を示してくれるミト。そのとき一緒にゴンの故郷にやってきたキルアは「ミトさんみてーな母親がよかったなァ」とつぶやくと、ゴンは「最高だよ」「ちょっと口うるさいけど」と即答している。たとえ生みの親ではなくても、ゴンにここまで言ってもらえるミトは幸せだし、素晴らしい母親なのは言うまでもない。

■赤子を置いて冒険に出た父親が見せた大きな夢

最後に紹介するのは『ハンター×ハンター』のゴンの父親であるジン=フリークスだ。ハンターになるために故郷のくじら島を出たジンは、10年ぶりに帰郷。そのとき連れていた赤ん坊のゴンを実家に預けて再び島を出ると、それっきり戻っていない。最初読んだときに抱いたのは、無責任な父親という印象だった。

しかし、結果的にゴンは父親のジンに会うために同じハンターの道を志す。それが叶ったのはハンター協会の会長総選挙の投票会場だが、再度世界樹のてっぺんでゴンとジンはしっかりと再会を果たした。

世界樹の上で親子が語り合う、このときのシーンをあらためて見ると感慨深い。その中でジンは、「オレがほしいものは今も昔も変わらない」「目の前にない『何か』だ」とゴンに語る。

そして“外”の世界に行くために必要なものを集めるというジンは、まだ出発に必要なものが何も手に入っていないが、「別に急いでいない」「道中を楽しんでる最中だ」とも言った。

そのうえでゴンに「もしお前の行き先が将来オレと重なるようなら道草を楽しめ、大いにな」「ほしいものより大切なものがきっとそっちにころがってる」と伝えている。そのときのゴンの希望に満ちあふれた表情を見れば、これまでのジンの生き様がしっかりと息子の道しるべとなっていることが分かる。

たしかにジンは直接育児には参加しなかったが、息子に己の行動で生き様を示し、ゴンもそれを前向きに受け取って力強く健やかに成長した。ミトを始めとする傍で寄り添った家族の存在はもちろん大きいが、ゴンにとってジンは人生の先輩として良い影響を与えたように今なら思える。

月日が経てば、受け手である読者の感性も少なからず変わる。手元にある古い漫画を読み返してみたら、子どもの頃に気づかなかった新しい発見があるかもしれない。

■【画像】冨樫義博の描くセクシーな肉体美、読者が選ぶ「一番好きなハンター×ハンターの表紙絵」1位から10位■

水野渚紗

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加