NEW
ロゴとアプリ版リニューアルのお知らせ
中学受験塾「合格実績と知名度」で選ぶと失敗も 見極めるべきポイントとは

中学受験塾「合格実績と知名度」で選ぶと失敗も 見極めるべきポイントとは

  • AERA dot.
  • 更新日:2021/07/21
No image

ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員でもある教育家の小川大介さん

中学受験に挑む場合、カギを握るのが塾選びだ。大手塾から個人塾まで数ある中で、どんな基準で塾を選べばいいのだろうか。また、入塾後は何を心がければいいのだろうか。『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』(朝日新聞出版)では、ウェブサイト「中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員でもある教育家の小川大介さんに取材した。

【写真】「記念受験」だった慶應中等部に合格した人気女性アナウンサーはこの人

*   *  *

これまで6千人以上の受験生の相談に乗ってきた教育家の小川大介さんは、進学塾を選ぶ際、まず心がけるべきことについて次のように語る。

「塾によってそれぞれレベルや指導方法などは違いますから、お子さんの性格などによって合う、合わないは当然あります。塾選びで失敗しないために最も大切なのは、お子さんの学習スタイルを理解しておくことです」

近年、中学受験生の勉強時間は以前に比べて増加している。勉強した分だけ思考力や知識量が成長する子がいる一方、「塾に通ってものすごく勉強しているのに、それに見合うような成長ができていない」子もいるという。そうした足踏みを避けるためにも、まずはわが子の学習スタイルを把握し、どのような環境であれば効果的に勉強ができるかを考える必要がある。そのためには、「このやり方が勉強しやすい」「こういうときは頑張れる」といった“わが子理解”を心がけることが重要だ。

「成績を上げるには、適度に頑張れる環境が一番いい」と小川さん。学習成果を認めてほしい意欲的な子は競争を促す塾、計画的な勉強が苦手な子は面倒見の良い塾が向いているという。わが子の学習スタイルを理解すれば、適した塾はおのずと見えてくる。小川さんは続ける。

「塾の知名度や合格実績だけを見て『あの塾に行けば成績が上がって志望校に合格できる』と考え、失敗するご家庭がたくさんあります。どの塾に行けば成績が上がるかではなく、わが子にとって最善の勉強ができる塾はどこか、という視点を持って塾選びをすることが必要です」

大手塾以外にも、地域密着型の小規模塾や個人経営の塾が子どもたち一人ひとりに目を配るきめ細かな指導を行っているケースも少なくない。思考力や表現力、コミュニケーション能力といった「21世紀型スキル」を問う「新タイプの入試」で受験する場合は中小規模塾のほうが対応力を備えている場合もあるので、広い視野で塾を探す考え方も大切だ。

■実際にその目で見て最適な環境を探す

実際に塾を選ぶ際は「ぜひ見学に行ってください」と小川さんは提案する。お子さんと一緒に校舎へと足を運び、実際に入塾したときにわが子が習う可能性のある講師と面談して、人間性や塾内の雰囲気を確認する。親は塾の方針や、その塾が各家庭に求める家庭学習の質や量も把握する。その際は見学に行くタイミングも重要だという。

「実際に授業が始まる前、もしくは終わりかけに面談を始めて、授業前後の校舎の様子に触れるのがいいと思います。通っている子どもたちの姿が垣間見られるので、お子さんも『ここは楽しそう』『ここは嫌だ』と感じ取れます」

また、大手塾の場合は校舎によって運営方針などが異なるケースもある。小川さんは、「同じ塾でも学びやすさが違う場合があるので、通塾できる範囲内に複数の校舎がある場合は、それぞれを見学して比較したほうがいいですね」と指摘する。

■親のサポート態勢でも適した塾は異なる

さらに、塾が求める家庭での学習負担を、親としてサポート可能かどうかも判断しなければならない。家庭での十分なサポートが必要な塾の場合、特に共働き家庭にとってはハードルが上がる。小川さんは「お子さんが気に入った塾だったとしても、家庭で求められるサポート量に対応する自信がないときは、別の塾を選んだほうがうまくいくこともあります」と話す。

実際に通い始めてから、お子さんが「やっぱり合わないから塾を変えたい」と感じることもある。小川さんは「最初からばっちり合うことはそう多くはありません」と語り、転塾のタイミングについて次のように説明する。

「4年生から通い始めて、夏休みを過ぎたあたりで『授業についていけない』と感じたら、秋ごろから転塾を想定し、冬休みに他の塾の冬期講習を受講してみましょう。一般的には、5年生の夏休みまでには転塾するかどうか決めたほうがいいとされています。一方で、授業が物足りないと感じるお子さんは、4年生の夏までに刺激のある塾に変えたほうがいい。難易度や負担を下げる転塾は5年生の夏まで、上げる転塾は早めに、というイメージです」

小川大介(おがわ・だいすけ)

見守る子育て研究所 所長

京都大学法学部卒業後、中学受験個別塾を創設。コーチングと学習タイプ分析を融合した独自ノウハウを開発。6000回超の面談を通じて受験学習、能力育成、子育て支援で実績を重ね、執筆、講演、教育系企業への助言も行う。著書多数。

(文/池田敏明)

※AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2022』より

池田敏明

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加