プロ注目のドラフト候補、元プロ、そしてレジェンド。都市対抗野球を彩る注目選手紹介

プロ注目のドラフト候補、元プロ、そしてレジェンド。都市対抗野球を彩る注目選手紹介

  • J SPORTS
  • 更新日:2020/11/21

今秋のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)では、社会人野球界から10選手が指名され、そのうち9名は都市対抗野球大会に参加する。10名は例年に比べて少ない指名人数で、逆の見方をすると能力のある選手が社会人に残った。今回は「指名されなかった選手」から10名をピックアップして紹介したい。

社会人野球には様々なバックグラウンドを持つ選手がいる。入社1年目でドラフトの資格がなかった新人選手、プロを経由して社会人に加わっている中堅、チームを長く背負ってきたレジェンドと様々だ。今回はそんな多彩な人材を取り上げる。

・小木田敦也(TDK)
・小野大夏(HONDA)
・森井紘斗(セガサミー)
・野口亮太(鷺宮製作所)
・廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)

小木田敦也(TDK)は入社4年目で、秋田・角館高校時代から注目されている右腕。入社2年目となる2018年の都市対抗では、七十七銀行の補強選手に選ばれ、三菱重工神戸・高砂戦で150キロの速球を披露した。昨年は右肩痛もあって調子を落とし、チームも代表権を得られず、補強選手にも選ばれなかった。

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しかし、今季は完全復活を果たした。小木田は2次予選の3試合すべてに登板し、そのうち2試合で先発。TDKが7年ぶりの都市対抗出場を決める立役者となった。第1代表決定戦はJR東日本東北を相手に延長12回まで投げ切り、完封勝利も挙げている。

174センチ・75キロと大型ではないが、速球だけでなくカーブなどの変化球も優れた実戦派。ドラフトの指名は高校の同期・赤上優人(東北公益文科大学→西武育成1位)に先を越されたが、小木田もいずれプロのマウンドに立つべき実力者だ。

小野大夏(HONDA)は高崎健康福祉大高崎高校から入社して3年目の右腕。高3春の選抜大会はベスト8入りに貢献し、当時から140キロ台の速球も投げていた。HONDAでも入社直後から登板機会を得ている。全身のバネ、しなやかさが優れた「素材」でもある。

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ただし、今回の南関東2次予選では朝山広憲、東野龍二、福島由登といった先輩がチームを引っ張った。小野も第1代表決定戦に2番手で登板したが、1イニング1失点で降板。県営大宮球場のネット裏でスピードガンを構えるスカウトたちを、納得させられなかった。とはいえ、成長途上の選手。好不調の波を克服してHONDAのエースとなれば、その先のステージも見えてくるはず。本大会での覚醒に期待したい。

森井紘斗(セガサミー)は徳島・板野高から入社して3年目の右腕。彼も今ドラフトの候補に上がっていたが、指名から漏れた。184センチ・94キロの恵まれた体格を持つパワフルな本格派だ。

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最速152キロ、常時140キロ台後半の速球を持ち、2種類のフォークなど縦変化を武器とする。その「可能性」は明らかだが、問題は安定感だ。東京都2次予選ではNTT東日本との第2代表決定戦に登板し、2回途中で降板。1回3分の2で4四死球、2暴投と乱調だった。

ただし小野も含めて、この世代はちょっとしたきっかけで自信を掴み、一気に脱皮することがある。本大会がそんな場となるかもしれない。

野口亮太(鷺宮製作所)は仙台大学から入社して6年目の左腕。164センチ・65キロの「小さな大投手」だ。野口は前橋商業1年秋の関東大会から早くも好投を見せていたが、当時の登録は162センチ・52キロ。速球も120キロ台だった。ただ変化球を駆使し、コースを突くスタイルは当時から見事だった。登板機会を求めて仙台大学に進み、大学では通算25勝を挙げた。

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鷺宮製作所入社後も2016年の都市対抗大会に、NTT東日本の補強選手として参加。リリーフとして4試合に登板し、優勝に貢献している。今秋の東京都2次予選では、第3代表決定戦、第4代表決定戦と要所で登板し、東京ドーム行きに貢献している。

速球は130キロ台だが、「スピード以上の勢い」があるタイプ。変化球の多彩さ、安定感は高校時代からいい意味で変わっていない。平川裕太とともに、チームの命運を担う存在だ。

廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ)は帝京大学から入社して1年目の右腕。177センチ・75キロの本格派だ。大学時代から150キロ台を記録していたが、志望届を出さず社会人入り。今秋の中国2次予選では1回戦、第2代表決定戦といずれも完投で勝ち投手となり、本大会出場に大きく貢献している。

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速球はもちろん、カーブなど変化球の質も高い。タフさは中国地区予選で証明しており、大会初戦の東京ドームデビューから大きなインパクトを残す可能性がある。

・北川利生(日本通運)
・逢澤崚介(トヨタ自動車)
・北川倫太郎(カナフレックス/元楽天)※日本新薬補強選手
・片山勢三(パナソニック)
・実政太一(三菱重工広島)

北川利生(日本通運)は入社5年目を迎えた右打ちの外野手。入社直後からクリーンアップを任される強打者で、今秋の南関東2次予選でも大活躍を見せた。第1代表決定戦は4打数3安打(1本塁打)とするも、試合には破れたが、YBC柏との第2代表決定戦で6回に満塁本塁打を放ちヒーローに。確実性と長打力を兼ね備えた打撃と、強肩で見せ場を作る選手だ。

逢澤崚介(トヨタ自動車)は入社2年目の外野手。関西高校時代は左投手として甲子園も経験しているが、大学入学後は外野手に専念している。「タレント軍団」の明治大学で、2年春から不動のレギュラーだった。

俊足、強肩に加えて打力も魅力で、トヨタではクリーンアップを任されている。外野は捕手、ショートに比べてドラフトにかかりにくいポジションではあるが、北川や逢澤はプロでも即戦力となるレベルだろう。

北川倫太郎(カナフレックス/日本製薬補強)は、逆に東北楽天ゴールデンイーグルスで6年のキャリアを積んだ強打者。2015年には一軍で31試合に出場している。右投左打で、185センチのスラッガータイプだ。明徳義塾高校では2年から4番を任され、3年時は主将として春夏の甲子園大会に出場。3年夏の選手権では2試合連続本塁打も記録している。

9月のAAAアジア野球選手権大会では、U-18サムライジャパンとして打率.438、打点9を記録するなど、高校時代の活躍は今も記憶に新しい。社会人の大舞台は今回の都市対抗が初めて。27歳の彼がどういうプレーを見せてくれるか楽しみだ。

片山勢三(パナソニック)は九州共立大学から入社して3年目の右打者。176センチ・105キロのスラッガーだ。社会人1年目は公式戦26試合で6本塁打を記録し、都市対抗でも代打本塁打を放った。そして指名打者として社会人ベストナインも獲得している。2年目の都市対抗では持ち味を出せなかったが、プロも含めて貴重な「一発」のある打者。3年目の奮起に期待したい。

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実政太一(三菱重工広島)は如水館高校から入社して16年目を迎える左打ちの外野手だ。三菱重工広島は今季をもって事実上の廃部となり、実政も引退を公表している。実政は2015年の第86回大会でチームの4強入りに貢献し、優秀選手にも選ばれた。

勝負強い打撃で長く三菱重工広島を支えてきた選手だが、チームとともにこの大会で一つの役割を終える。この大会はそんな「区切り」の場でもある。

文:大島和人

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