特捜部取り調べ映像の提出命令 プレサンス前社長国賠訴訟、大阪地裁が決定

特捜部取り調べ映像の提出命令 プレサンス前社長国賠訴訟、大阪地裁が決定

  • 産経ニュース
  • 更新日:2023/09/19
No image

国に取り調べ映像の証拠提出を命じた大阪地裁決定を受け、会見する山岸忍氏(左)ら=19日午前、大阪市北区(西山瑞穂撮影)

大阪地検特捜部が逮捕・起訴し無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」の山岸忍・前社長(60)が違法捜査を訴え、国に8億円近くの賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(小田真治裁判長)は19日、取り調べの録音・録画映像の一部を証拠提出するよう国に命じる決定を出した。山岸氏側によると、国家賠償請求訴訟で特捜事件の取り調べ映像にこうした命令が出るのは初めてとみられる。

山岸氏は学校法人明浄学院の資金21億円を横領したとして逮捕・起訴されたが、大阪地裁が令和3年に無罪を宣告し確定。地裁は元部下に対する検察官の取り調べを問題視し、供述が「信用できない」と認定していた。

決定によると、提出が命じられたのは、この部下に対する5日間の18時間近くの取り調べ映像。このうち2日分については、国側がすでにやり取りを書き起こした文書を提出しており、映像を開示すると「今後の捜査に支障が出る」などと主張したが、小田裁判長は、口調や動作といった非言語的な要素も重要で「開示による弊害は認められない」と判断した。

一方、山岸氏ら2人への取り調べ映像については、文書で内容を評価できるとして、提出命令を出さなかった。決定に不服があれば、大阪高裁に即時抗告できる。

山岸氏側は今後映像が証拠提出されれば、法廷での再生を求める方針。山岸氏は19日に開かれた口頭弁論で、「検察官の問題のある行為は、国民の目に触れさせることによって改善されなければならない」と述べた。

取り調べ映像は刑事裁判ですでに山岸氏側に開示されているが、刑事訴訟法は開示証拠を国賠訴訟などに利用することを禁じており、国側が証拠提出する必要がある。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加