くも膜下出血は「40~65歳の男女に起きやすい」 予防法や兆候を専門家が解説

くも膜下出血は「40~65歳の男女に起きやすい」 予防法や兆候を専門家が解説

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  • 更新日:2021/09/15
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くも膜下出血の原因や予防法とは?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

くも膜下出血は40~65歳の男女に起きやすい

くも膜下出血の発作で6人が死傷――。今月11日に東京・九段で起きたタクシーの暴走事故は悲劇的だった。くも膜下出血とはどんな病気なのか、発作を避ける手立てはあるのか。原因や予防法を医師に聞いた。

事故の顛末(てんまつ)はこうだ。64歳の運転手が乗ったクルマが赤信号で停車。青になっても動かないため後続車両がクラクションを鳴らしたら発進し、自転車2台とタクシー待ちの女性2人を次々とはねた。クルマは信号の約120メートル先の街路樹に衝突して停止。現場にブレーキ痕はなかった。

この事故でタクシー待ちの73歳の女性が死亡。タクシーの乗客含めた5人が重軽症を負い、運転手も死亡した。

運転手の母親は息子について「持病はなく、大きな事故を起こしたこともなかった」と説明したが、後日、運転手の死因はくも膜下出血の発作だったことが明らかになった。

病気の発作によって人命を奪ってしまい、運転していた当人まで死亡するとはまことに不幸な結末。くも膜下出血の恐ろしさを改めて思い知らされた人もいるだろう。

どんな病気なのか。

医学博士の米山公啓氏は「40~65歳の男女に起きやすい」としてこう解説する。

「くも膜下出血は脳の表面を覆う膜のひとつであるくも膜の下にある動脈が破れる状態を言います。ほとんどが脳の血管が膨らむ瘤状の脳動脈瘤が破裂して発生する。発症した人の多くが頭をバットで殴られたような激烈な痛みを覚え、頭痛や吐き気に襲われたり、意識を失ったりします」

今回の事故ではタクシーのドライブレコーダーに、意識がもうろうとした状態の運転手が映っていたという。激痛と意識障害で正常な運転ができる状態ではなかったと思われる。客を乗せていたため、乗客に迷惑をかけまいとして走り続けたのではないかという見方もある。

くも膜下出血は脳出血、脳梗塞と並ぶ脳卒中のひとつ。3分の1が死亡し、3分の1に後遺症が残り、社会復帰できるのはわずか3人に1人である。24時間以内に再出血を起こす可能性が高く、その場合の生存率は約50%といわれているから恐ろしい。テレビドラマや映画などではこの病気に襲われた人がいきなり頭を抱え、激痛に身をよじらせて大声で叫ぶシーンを見かける。

遺伝、高血圧、ストレスに注意! 予防法は?

原因は高血圧と遺伝の要素が大きいというから、親やきょうだいがくも膜下出血を経験した人は要注意だ。もともと血管がぜい弱で動脈瘤ができやすい上に血圧の高い人が、仕事などで強いストレスを受けて血管が破れるケースが少なくない。

事故を起こした運転手は年に2回、健康診断を受けることを義務付けられており、7月の検診では異常が見つからなかったそうだが……。

「くも膜下出血の原因である動脈瘤を普通の健康診断で見つけるのは不可能。脳外科か神経内科でMRIやCT検査を受けないと発見できません。これまで経験したことのない激しい頭痛を感じたら専門医を受診してください」(米山氏)

発作が起きる際の前兆は突然の頭痛やめまい、血圧の激しい上昇・下降などだ。頭痛は「警告頭痛」と呼ばれ、人によって程度に差がある。脳の内部で動脈瘤が動眼神経を圧迫した場合は目に異常が起きる。物が二重に見えたり視力が低下したり、まぶたが下がって動かなくなるといった症状だ。このほか吐き気や意識低下、頭の中がモヤモヤした感覚もくも膜下出血のサインである。

困ったことにこうした前兆は我慢しているうちに治ってしまい、ホッとしていたら数日後に大きな発作を起こすこともある。くも膜下出血の知識が乏しい医師の診察を受けて痛み止めの薬をもらい、帰宅後に倒れて死亡したケースもあるという。甘く見ていたら取り返しのつかない事態になるのだ。

予防法はあるのか。

「高血圧の人は薬で血圧を下げ、ストレスを回避すること。食事は塩分を制限し、青魚など魚介類がお勧めです。タバコは絶対にいけません。お酒も危険だと考えてください」(米山氏)

頭の中で異様なことが起きていると感じたら、すぐに専門医の診察を受けたり、救急車を呼んだりしたほうがいい。無理をしてクルマの運転を続けたら、他人を巻き込む大惨事を引き起こしかねない。

ENCOUNT編集部

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