
「センバツ応援イメージキャラクター」に任命された久慈愛さん【写真:清水しんや】
福留孝介氏、父の久慈照嘉氏と一緒にTikTokでダンスを披露し話題
現役高校生の久慈愛さんが、18日に開幕した「第95回記念選抜高等学校野球大会」の「応援ポスター」「センバツ応援イメージキャラクター」を務めている。阪神の名遊撃手である父・照嘉氏の教えだけでなく、元阪神の名選手からの薫陶も受け、一歩ずつ、成長の階段を昇っていた。中日、阪神などで活躍した福留孝介氏からは「結果を残している人だからこその言葉が響きました」と影響を受けた。また一緒にSNS用にダンス動画を撮影した際の“ストイック”さにも驚いたという。
今回、久慈さんは出場する全36校の校名を紹介する「センバツ応援ポスター」に起用され、同世代の球児たちを応援する。父・照嘉さんは東海大甲府で甲子園に出場。ポスターの起用に自分が出場を決めた時のように、涙を流して喜んだという。愛さんは照嘉氏の現役時代は知らず、コーチとしての姿しか見ていない。「小さい頃からよく父が連れてきた選手たちと食事の席をご一緒させてもらっていました」と明かす。
その中にはベストナイン4度、ゴールデングラブ賞5度、2016年に日米通算2000安打を達成した福留孝介氏もいた。「福留さんとは家族ぐるみで親しくさせていただきました。すごく応援させていただいていました」と小さい頃からその背中を見ていたという。
愛さんは幼い頃から歌やダンスの習い事をしていた。中学時代にはミュージカルの「アニー」にも出演。芸能活動で壁にぶつかることもあった。成長する過程で、福留氏から言われたことをずっと胸に大事にしまっていた。
「私をいつも気遣ってくださいました。『愛ちゃんは自分のやりたいことが明確で、前向きな姿勢でいられる。それって当たり前のことではないからすごいと思うよ』と言っていただいたことがあります。1つ1つの言葉が響きました」
父から教わった投球フォームを披露…今回は“大成功”?
普段は“もう一人”のお父さんのような温かさで包んでくれる福留氏に改めて言われた時に、背筋が伸びたという。
「福留さんは阪神時代もプレッシャーの中で戦ってこられた。それを感じさせないようにも見えました。その瞬間を楽しもう、チャンスに変えようとしているのだと感じました。それから私も緊張するようなことも楽しみに変えたり、興奮するように意識を変えるようになりました」
今回の記者会見でも愛さんからは緊張を楽しむ様子が見られた。写真撮影では父から教わった美しいフォームを披露した。かつて参加した始球式のイベントでは緊張からか投球フォームが崩れてしまったそう。見事に過去の自分を乗り越えた。
「福留さんも今回、私がこのように起用されたことを驚いていると思います」と反応が待ち遠しい。以前、会った時は愛さんのTikTokに福留氏が登場。「父と福留さんがダンスを一緒にしてくれるというので動画を撮りました。父は途中で『できない!』といってやめてしまいましたが、福留さんは一生懸命やってくださった。1時間くらい、前向きに練習していました。最後、スイングして終わるんですが、かわいかったです」と表情を崩した。
どんな時でも前向きに挑戦していく。名手だった父、そして球界を沸かせたスラッガーのポリシーを持って、愛さんはその笑顔を多くの人々に届けていく。(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)
楢崎豊 / Yutaka Narasaki