ガッキー主演の映画に憧れ? 作新学院の応援部員、女子が過半数

ガッキー主演の映画に憧れ? 作新学院の応援部員、女子が過半数

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2023/03/19
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"甲子園球場のアルプススタンドで声を張り上げる応援団長の青木陽奈さん(中央)=2023年3月19日午後0時19分、阪神甲子園球場、野口駿撮影"

(19日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 栃木・作新学院8―6大分商)

【写真】長渕剛のライブと作新のチーム作りの共通点

甲子園のアルプススタンドの応援団といえば、かつては男子のイメージが強かった。最近は、女子生徒の活躍も目立っている。

選抜高校野球大会の第2日(19日)に初戦を迎えた作新学院(栃木)。春夏通算27回目の出場で、卒業生に江川卓さん(元巨人)らがいる伝統校だ。

応援部員は7人のうち5人が女子だ。

迎えた大分商との選抜大会の初戦。歴代2人目の女性部長・青木陽奈さん(17)は、学ラン姿で応援を指揮した。

「たくさんのお客さんがいる甲子園は圧倒され、緊張する」と話したが、身長148センチと小柄な体を大きく使って、声を張り上げた。

二回裏に作新学院が4点を先制すると、メガホンをたたいて喜びを爆発させた。

応援部は、同校が甲子園に初出場した1958年にできた。試合では吹奏楽部やチアリーディング部などとともに応援団を結成し、応援部長が団長を務める。

団長の腕章は夏の甲子園の優勝旗をイメージした深紅、副団長は春の優勝旗をイメージした紫紺。現在は、どちらも女子生徒の腕に巻かれている。

もとは男子だけの部活動だったが、女子の入部希望も増えた。

2015年度から女子部員が加わり、翌年度には女子が初めて部長や応援団長になった。その後も女子はコンスタントに入部している。

女子の入部希望が増えたのはなぜか。

応援部顧問の石崎朋之教諭は「新垣結衣さんの映画が、一因になったかもしれない」と振り返る。

■現役部員は「先輩に一目ぼれ」

2008年に公開された「フレフレ少女」。新垣さんが女子の応援団長を務める役を演じた。

栃木県フィルムコミッションによると、ロケは県内の学校や球場などであり、県内の高校約30校から多くの生徒がエキストラとして参加した。

石崎教諭は「学ランを着て野球部を応援する新垣さんの姿に憧れたのではないか」と分析する。

現在の部員は映画ではなく、先輩たちの姿にひかれた。

青木さんは入学前の学校説明会で訪れた際に、校内で新入生を歓迎する応援部を目にした。「女子の先輩が格好良くて、一目ぼれでした」

約50曲もある応援の楽曲の振りを覚えるのは大変だったが、1年生の夏には初めての甲子園も経験した。「スタンドに入った瞬間、鳥肌が止まらなかった」

ただ、このときは無観客だった。

今年の選抜大会では、初めて有観客のアルプススタンドに立った。4年ぶりに声を出す応援も復活した。

「声を出すことができず、これまで悔しい思いをしてきた。声出しができなかった先輩たちの思いも背負って、応援した」

応援団の声援は、作新学院の選手たちの力になった。打線は11安打で8得点し、3回戦進出を決めた。(津布楽洋一)

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