
将棋の渡辺明棋王=名人=に藤井聡太五冠=竜王、王位、叡王、王将、棋聖=が挑戦した第48期棋王戦五番勝負第4局が19日、栃木県日光市「日光きぬ川スパホテル三日月」で指され、後手の藤井が132手で勝ち、シリーズ3勝1敗で棋王位を初めて獲得した。羽生善治九段に次ぐ史上2人目、20歳8か月での最年少六冠となった。
戦型は4局連続で角換わりに。序盤から早いペースで対局は進み、中盤から渡辺が桂馬を果敢に使い、攻めの姿勢をみせると、藤井は1時間近い長考に沈んだ。さらに、角香交換など駒損を省みない、渡辺の強気の姿勢が続く。終盤は、5筋の戦いから、渡辺が藤井玉周りを攻め続けていたが、最後は藤井が逆襲で勝利した。
22年2月、渡辺相手にストレートで王将位をもぎ取り、史上最年少五冠になってから1年。5つのタイトルの防衛に成功し、五冠を保持したまま、再び挑んだ渡辺から六冠目を奪った。20年7月、初タイトル戦で棋聖を獲得し、17歳11か月で史上最年少タイトル保持者となった藤井。タイトル戦は通算57戦46勝。敗退知らずのまま、13期目を得た。タイトル獲得通算13期は佐藤康光九段に並ぶ歴代タイ7位の記録となる。