中世で時が止まった村に迷い込む

中世で時が止まった村に迷い込む

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  • 更新日:2023/05/26

5月18日(木)は昇天祭 (Ascension Day) で祝日。
この 4連休に小旅行することにした。
行き先は、ルガーノ (Lugano) という小都市である。

スイスを旅するのは鉄道がいい。

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スイス国内の旅だが、私の住むジュネーヴ(ほぼフランス)から、ルガーノ(ほぼイタリア)までは、スイスの端から端を旅することになる。しかも、この 2都市の間にはアルプスがそびえ立つので、チューリッヒ (Zürich) を経由しなければならない。片道 5時間の行程になる。

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車内のアナウンスは、出発地のジュネーヴではフランス語、ベルンあたりからドイツ語に変わり、目的地のルガーノに近づくとイタリア語に変わる。

特急列車には個室がある。声の音量調節ができない 6歳児がいても安心だ。
問題は、6歳児が 5時間の退屈に耐えられるかである。
しかし、それは要らぬ心配であった。6歳の次女は、タブレットで YouTube を観ている。私がこの世で最も憎む子供向けユーチューバーだが、こういうときはありがたいと思う。
一方、11歳の長女は窓外の景色を眺めている。
大人になったな、と思った。

ルガーノの駅に着いた。
駅から旧市街までは、地図で見ると近い。しかし、高低差がとんでもない。こんな階段を延々と下りなければならないのだ。

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ベビーカーやキャリーケースを転がす人は、駅と旧市街を往復するケーブルカー (funicular) に乗る。

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私たちは、ルガーノから 6 km ほど離れたガンドリア (Gandria) という小さな村のアパートメントに宿泊する。ガンドリアまでは、湖をフェリーで移動。
ガンドリアは、湖畔からせり出した山の斜面に昔ながらの家々が並ぶ村落。

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湖の対岸は、「密輸博物館」や釣り人の小屋がポツンとあるが、ほぼ無人島の趣きだ。

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フェリーを降りて、アパートメントまでは狭い階段を登っていく。

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小さな教会の前を通って。

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洞窟のような通路を進む。

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アーチをくぐると、アパートメントに着いた。

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ここはホテルではないので、レセプションなどないし、完全に無人である。
事前に送られてきた秘密の動画に、鍵の隠し場所と暗号が示されている。
動画の指示に従って、なんとか鍵を入手した。
チェックインからチェックアウトまで、誰とも会わないシステムなのである。まるで田舎のラブホテルだ。

このあたりには、スーパーもキオスクもない。
アパートメントには、無論ルームサービスもない。
飲食物にありつくため、歩いて行けるレストランを探す。

いちおう Google マップには出てくるが、村全体が入り組んだ迷路のようになっているため、地元の人々に道を教えてもらいつつ、ようやくレストランに辿り着く。

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トリップアドバイザーによれば、ガンドリアで 1位のレストランらしいが。

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8軒のうちの 1位ということらしい。

ここはスイスのなかのイタリア。
ジュネーヴのレストランとはだいぶ違う。
子牛やラムといった定番に加え、蛸や兎を推してくる。
アスパラガスは旬なのであろう。
パスタやリゾットがうまいのは言うを俟たぬ。

それにしても。
こんな静かな夜はいつ以来だろうか。

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いちおう、観光名所らしき場所を tick mark (✔) しておくか。

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✔ Chiesa di Santa Maria degli Angeli

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✔ Jet d'eau
(ジュネーヴのランドマークだが、ルガーノにも同じものがあった)

はい、終了。

フランス・ドイツ・イタリアを一度に堪能したかったら、スイスを周るのもありかもしれない。
ジュネーヴ・チューリッヒ・ルガーノの三都物語。
ただし、山と湖と大聖堂しかない点でほぼ同じやん、という感想をもたれる可能性はある。
イタリアの古い町並みが好きな人には断然ルガーノを推す。

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ヨーロッパ・中東・アジアに移住しながら生きる会社員です。世界の変な人たちと日々かかわる体験から、生き方、働き方、日本などについて思うことを書きます。世界の “普通” は全然フツーじゃない。それを知れば、ずっと生きやすくなる。

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