『出川一茂ホラン☆フシギの会』魅力あふれる3人と発展途上な“フシギ”

『出川一茂ホラン☆フシギの会』魅力あふれる3人と発展途上な“フシギ”

  • マイナビニュース
  • 更新日:2023/01/25
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●『ザワつく!金曜日』から連続放送

ホラン千秋、魔法のような石に正直リポート「報道番組やっている、絶対嘘つけない」

テレビ解説者の木村隆志が、先週注目した“贔屓”のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第259回は、20日に放送されたテレビ朝日系バラエティ特番『出川一茂ホラン☆フシギの会』(19:54~)をピックアップする。

昨年7月に深夜特番が放送されたあと、10月から木曜深夜帯で早くもレギュラー化。今回が初の2時間特番であり、ゴールデン・プライム帯の放送だった。

もともと長嶋一茂が「2人とやりたい」と言って実現した番組だが、その相性はどうなのか。さらに、今回は局の看板番組であり、同じ長嶋一茂が出演する『ザワつく!金曜日』との連続放送にしたところが興味深い。

○■「優しくなでると軽くなる」謎の石

『ザワつく!金曜日』からCMなしでVTRがスタート。画面左上に小さく「フシギの会 一茂出川ホラン」という文字が表示されているが、タイトルコールはなし。

ナレーターも同じ佐藤政道であり、その第一声は「奈良県の山奥、軽くなったり、重くなったりする、実に不思議な石があり、世間を“ザワ”つかせているという」だった。番組が切り替わったことに気づかない視聴者も少なくなかったのではないか。

「前番組の高視聴率を引き継ぎたい」という気持ちは理解できるが、19時54分という中途半端なスタート時刻も含め、こういう視聴者を甘く見たような小手先の策をやめなければ、視聴者層を広げるのは難しいだろう。

1つ目のテーマは、その「優しくなでると軽くなり、叩くと重くなる」という石。一茂と槙原寛己が現地を訪れ、実際にそう感じるフシギな現象が映された。続いて石をスタジオに持ち込んで出川、ホランも体験すると、やはり「軽くなったり、重くなったりする」という。

しかし、すかさず一茂が「この石は岐阜の石材やで2万円で購入したもの」とネタばらし。さらに、桜美林大学健康心理学・山口教授の「大事な物を持とうとすると、力を入れて落とさないように持とうとする。なでることで『大事な物なんだ』と暗示がかかってしまう」という解説が紹介された。

この解説を聞いてもホランは「絶対違う!」と納得しなかったが、「暗示であることを知った上でもう一度やったら同じ効果が出るのか」を検証することになる。ところが、一茂は「“金の玉”だと思って」と下ネタ混じりの茶々を入れ、ホランが「いや~金の玉~!」とノリノリで応じるが、すぐに「……何で金の玉にしたの?」と気づいて後悔。出川が「今ハッキリ言ってたからね。“金の玉”って」とオチをつけた。

2つ目のテーマは、熊本県の「阿蘇プラザホテルに訪れるとスプーンを曲げられる」。昨年4月に『ザワつく!金曜日』でも放送したテーマだが、今回は槙原が訪問。「ホテルで“スプーン曲げセット”が販売されている」などの怪しさこそあったが、3本とも曲げたほか、スタッフも8人中5人が成功させた。

ここで豊田工業大学・奥宮教授の「何度も力を加えることで金属内部の原子が擦れ合い、摩擦熱が発生することもある」という何とも微妙なコメントを紹介。続いてスタジオにマジシャンのRYUHEIが登場し、「スプーン曲げの力を3人に宿す」という。
○■エンターテイナー・新子の独壇場

またもホランがトップバッターとなり、「怖っ……」と驚きながらもスプーン曲げに成功。ここまでホランは若手芸人のようなノリのよさとリアクションで番組をけん引している。出川と一茂の年齢やキャリアを考えると自然なポジションだが、それに応えられる確かな実力があるということだろう。

テーマの元となるVTRの撮れ高が少なく、スタジオの3人頼みだったこと。さらに、「なぜ今さらスプーン曲げ?」という疑問が拭えなかったこと。申し訳ないが、「初のゴールデンだが、時間がなくて制作陣が詰められなかったのではないか」と感じてしまった。

3つ目のテーマは「他人の脳内に潜り込む」で、マジシャン・ブレインダイバーの新子景視が登場。同番組には昨年7月に出演し、一茂の脳に潜り込んで初恋相手の名前を見事に当てていた。つまり、過去に放送した中で自信のあるコンテンツをゴールデン特番のメインとしてぶつけたことになる。

まずは「封筒選びを誘導する」というマジックで、「それぞれ3人の若いころの恥ずかしい写真が入っている」というバラエティ的に最高の技術を披露。3人が「ありえない!」「ウソだろ?」とリアクションする中、「これがブレインダイブです」という新子の決めゼリフが決まる。

次に「味覚をつなげる」というマジックで、新子はホランの飲んだ飲み物を次々に当てていく。ホランが「そんなやすやすと(味覚を)つなげられたら困るよ」とボヤくと、新子は「今日1日くらいは……」と意味深に笑った。すでに知名度の高いマジシャンだが、まさにエンターテイナーであり、これほどテレビ向きの人は少ない。

新子はさらに聴覚を狂わせるマジックを披露したあと、「一茂の痛みを出川につなげる」というマジックを披露。とりわけ一茂にフォークを刺した瞬間、出川が強烈に痛がったシーンは、あらためてVTRで検証してもタイミングが完璧だった。出川が「すごい」を「スグァいっすね」と噛んでしまったことも含め、説得力十分だろう。

●信じるか信じないかは視聴者任せ
メインコーナーが終わって、番組の残り約30分。最後のテーマは、手を振るだけで動物を眠らせる気功師・神沢瑞至だった。神沢は、熊本の阿蘇カドリードミニオンでツキノワグマを眠らせることに挑戦し、8頭中6頭で成功。さらに、かつて『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)の人気者だったチンパンジーのパンくんでも挑戦したが、こちらは失敗した。

続いて「大脳が発達しているため難しい」という人間でも行うことになり、冒頭の奈良ロケで移動中の一茂と槙原でトライ。「ふだん移動中は寝られないタイプ」という2人だったが、槙原は16分で眠り、1度休憩で中断し機材トラブルもあったが、一茂も1時間16分で眠りに落ちた。

さらに、後日VTRを見ると、「3台のカメラが同じタイミングで止まっている」というフシギな現象が起きたという。神沢によると「強く気を送りすぎたから」としているが、これは限りなくグレーなコメントだった。

出川でも検証すると、32分で就寝。神沢は、パンくんについて「あれは手強かった。興奮してたからね」と語る一方、出川は「ああ、楽楽楽」と即答。ただ、マネージャーによると「移動中はいつも寝ている」というオチだった。

番組は「信じるか信じないかは皆さんのご想像にお任せします」というナレーションで終了したが、“フシギ”を追求しすぎず、強引に結論付けようとしない姿勢は好感が持てる。しかし、ならばもっと笑いの手数を増やしたほうがいいのではないか。

気になったのは、3人の見せ場と“フシギ”がどちらつかずだったこと。『ザワつく!金曜日』と同じように、3人のキャラクターとトークを前面に押し出すのか。それとも“フシギ”を前面に押し出していくのか。もしゴールデンで放送していくならバランスを取るより、わかりやすくどちらかにクローズアップしたほうが視聴率につながりやすいように見えた。

大みそかの18~23時に『ザワつく!大晦日5時間SP』、23時~翌1時45分に『ザワつく!!年越しフシギ大賞!!!』が放送されるなど、当番組が期待されているのは間違いないところ。『ザワつく!金曜日』がグルメ中心の構成だけに、『フシギの会』はそれ以外のジャンルをつかめば、両輪として輝けるかもしれない。

○■次の“贔屓”は――今後を占う初の土曜ゴールデン特番!『クイズ倍買』

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、28日に放送されるTBS系バラエティ特番『クイズ倍買』(18:51~)。

「1問正解するごとに賞金が倍になるが、解答の選択肢も増えてどんどん難問になり、間違えると賞金は全額没収」というルールのクイズ特番。これまで2021年3月から8度にわたって放送されてきたが、大半が日中か深夜で、土曜ゴールデンは初めてとなる。

クイズとしての面白さに加えて、解答者とMCを務めるバナナマン・設楽統の駆け引き、日村勇紀が解答者に勧める多彩なアイテムなども見どころの1つ。しかも今回は「完全制覇者現る」と予告しているが、最高賞金1,500万円超にどこまで迫ったのか。

クイズ番組は2010年代の隆盛から苦しい時期に入りつつあるだけに、今後の可能性を占っていきたい。

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら

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