
日本はチリ戦の経験を生かせず(ロイター)
17日(日本時間18日未明)のイングランド戦に12―34で敗れたラグビーW杯フランス大会の日本代表。相手選手の頭に当たって前に落ちたボールをノックオンと自己判断し、笛が鳴らない中でボールを持って前進したFLローズを追わず、結果的にトライを許した後半16分のプレーが響いた。似たような状況は10日のチリ戦でも見られた。
チリ戦の前半6分。パスで中盤右サイドを攻めたチリは、FBアジェルサがライン際を駆け抜け大きくゲイン。パスを受けた選手がタックルされてボールがこぼれた。これを日本選手がセービング後、再びこぼれた球を足でひっかけたSOフェルナンデスが自分で拾い上げ、インゴールに飛び込んだ。
ボールが落ちた直後、レフェリーはノックオンのジェスチャーを示し、足を止めている。ただ、大歓声のせいか分からないが、テレビ中継では笛は聞こえなかった。NHKの放送で「あ~ノックオンですね」「ノックオンがありました」と解説者、アナが口々に語る一方、画面ではフェルナンデスがインゴールへ。球を拾って抜け出た時、近くにいた3人の日本選手は足が止まっていた。
ところが、レフェリーにアシスタントレフェリーが近寄り、イングランド戦と同様にTMO(テレビジョン・マッチオフィシャル)に判定が委ねられた。ここではフェルナンデスがオフサイドの位置にいたのではないかが主な議論だった様子。ただ、トライは認められたことから、後ろにこぼれたボールは反則にならない「ノックバック」とみなされた。結局、プレーを続けたチリの〝あきらめず勝ち〟に。
日本にとってはイングランド戦とは状況が異なり不運とも言えるが、試合では何が起こるか分からないのは教訓になったはず。結局、残念な2試合続けての不本意な失トライをしてしまった。
14日のフランス対ウルグアイ戦では、ノックオン絡みでトライが取り消される場面があった。ハイパントの競り合いでフランス選手の肩のあたりに当たったボールが前方にこぼれ、拾った味方がトライ。TMOにより肩でなく腕に当たったと判定され、ノックオンでノートライに。このプレーでウルグアイ選手は、足を止めずに2人がフランス選手を追っていた。
東スポWEB