
全てはここから始まった!アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』キービジュアル (C)荒木飛呂彦/集英社・ジョジョの奇妙な冒険製作委員会
波紋もスタンドも迫力満点!
荒木飛呂彦先生による人気マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』を原作にした、TVアニメシリーズが始まったのは2012年10月のことでした。それから10年以上の時を経た2023年1月現在は、原作の第6部にあたる「ストーンオーシャン」をアニメ化した、5th Seasonの最終第3クールが放送&配信中です。
これまでの作品を振り返るといずれも原作ファン、そして原作未読の方も虜(とりこ)にする、非常に完成度の高いシリーズでした。今回はそんなアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』から、特に印象的だったSeasonを振り返ります。
●1st Season(原作:第1部「ファントムブラッド」&第2部「戦闘潮流」)
2012年にアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』1st Seasonが始まった時の驚きは、今でも忘れられません。独特な濃い絵柄や、オリジナリティの高い擬音の再現度に加え、声優陣の熱演、原作のニュアンスを巧みに汲み取った主題歌など、スタッフ陣の『ジョジョ』愛あふれる完璧なアニメ化に、強く感激したことを覚えています。
1st Seasonは2クールに渡って放送され、第1部「ファントムブラッド」と、第2部「戦闘潮流」がアニメになりました。そのなかでも「ファントムブラッド」の完成度の高さは、名シーンのオンパレードとなる「戦闘潮流」、そしてその後の物語のアニメ化への期待を見事に煽ってくれました。
●2nd Season(原作:第3部「スターダストクルセイダース」)
原作人気の高い第3部「スターダストクルセイダース」は、TVアニメでは2014年から2015年にかけて、2nd Seasonとして4クール分たっぷりと楽しませてくれました。
1st Seasonから続く高いクオリティはまったく落ちることなく、第3部から登場する「ジョジョ」の代名詞のひとつ「スタンド能力」を使ったバトルも違和感がない……どころか動きと音が加わることで、とびきりの迫力を味わえます。特に、最終盤の空条承太郎vsDIO戦における「主題歌演出」は、今思い出しても心が熱く震えるほどです。
●4th Season(原作:第5部「黄金の風」)
第4部「ダイヤモンドは砕けない」がアニメ化された3rd Season辺りになると、「『ジョジョ』のアニメは再現度が高く、クオリティも高いのは当たり前」というのが前提となっていたように思います(それもものすごいことですが)。しかし、第5部「黄金の風」をアニメ化した4th Seasonは、細かく差し込まれるオリジナル要素でも魅せてくれました。
特にフーゴの過去やナランチャの最後に関わる演出、そしてラストシーンで開かれた窓の手前にある小物など、主人公ジョルノ・ジョバァーナの「仲間に関するオリジナル要素」は涙モノ。そうしたシーンが描かれるごとに、心のなかで「ディ・モールト(非常に)よしッ!」と、呟いた原作ファンも多いでしょう。
アニメ『ジョジョ』は、今のところ続編は発表されていないので、またしばらくTVアニメシリーズはお休みとなるのでしょう。また違った作風となるであろう、第7部「スティール・ボール・ラン」のアニメ化の報を期待しつつ、これまでのシリーズ作品を振り返ってみてはいかがでしょうか。
(はるのおと)