朝夕と日中の寒暖差ある時期に活躍してくれるのが、薄手のカーディガンです。バッグに忍ばせておき、肌寒くなったらサラッと羽織っている人は多いかと思います。
ただ、カジュアルだからこそ、「着こなし」や「合わせ方」次第では、だらしなく見えてしまいます。一歩間違えてしまえば、清潔感がない残念な印象に陥ることでしょう。
そこで今回は、「好印象に見えるカーディガンの着こなし」について、『男の服選びがわかる本』(池田書店)の著者がポイントを解説します。

筆者近影
◆1)清潔感の邪魔になる「袖のねじれ」
「清潔感」の正体は、反対の定義である「生活感」を排除した状態です。たとえばカーディガンの場合、シャツやジャケットのように襟がないリラックスウエアですので、ルーズに見えない工夫が求められます。
というのも前提として、「襟がない形状ながらも、柔らかな生地感」だからこそ、だらしない着こなしを誘発しがちなんです。袖のねじれを放置したままの人を見かけることもありますが、「余計なシワが、生活感に通じる」ことはイメージしやすいはず。
カーディガンの袖を通すとき、インナー生地が擦れるため、袖がねじれやすいのです。これはニット全般に通じるもの。このシワを放置せずに、外側に生地をねじり直してあげてください。
◆2)生地のヨレ具合にも気を付けよう
経年による生地のヨレ具合にも注意したいところです。度重なる洗濯によって、生地が伸びているカーディガン姿の男性も見掛けます。
特にこの時期活躍するサマーカーディガンは、コットンや麻、もしくはレーヨンを中心とした薄手のタイプが多いため、ウールに比べて想像以上に伸びやすいのです。袖がダルダルに伸びきった生地感のものは、絶対に避けましょう。
こんな話しをお伝えする理由は、「男性の価値観」が背景にあります。「服は、穴があくまで着る」という考え方を持った人もいるため、生地が伸びてしまった服を着続けてしまうのではないかと思います。
◆3)見落としがちな“ハンガーの跡”
また、「ハンガーの跡がボコッと浮き上がった状態」にも注意しましょう。久しぶりにクローゼットから出してカーディガンを洗うときは、物干し竿でバスタオルのように平干しにしましょう。
水を含んだニットは普段以上に重みが加わるため、カーディガンの肩にハンガー跡が浮き上がるからです。
◆カーディガンにシャツを合わせる?それとも…
サマーカーディガンに襟シャツを合わせるならば、「シャツの襟先がピョコっと浮かないタイプ」を選びたいですよね。襟先が遊びやすいカジュアルシャツは、カーディガンのインナーにした途端、遊んだ襟先がだらしなく見えるのです。もしシャツを合わせたいならば、「バンドカラーシャツ」がおすすめします。
ただ、合わせ方が簡単だからこそ、襟シャツより「クルーネックTシャツ」のほうが気を遣わずラクかもしれません。
なかでも、清潔感を意識したカーデの着こなしならば、無地の白Tが好ましいはず。シンプルな白Tでクリーンなイメージを高めましょう。このとき気を付けたいのは、「Tシャツの質感」。生地が薄いTシャツは、一歩間違えれば下着に見えかねませんよね。
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清潔感を意識したサマーカーディガンの着こなしは、合わせるインナーを選ぶところから始まっていたのです。シンプルなアイテムだからこそ、細部にこだわっていきたいですね。
<TEXT/森井良行>
【森井良行】
株式会社エレガントカジュアル代表取締役。服のコンサルタント、「プロの目線でユニクロも好印象!」をモットーとして、のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行。bizSPA!フレッシュ連載「ビジネスマンが好印象に見せる7つの技術」、公式サイト「エレカジ」随時更新中