なぜか苦手な人ばかり周りに集まってしまう人が、人間関係をがらりと変えるコツ

なぜか苦手な人ばかり周りに集まってしまう人が、人間関係をがらりと変えるコツ

  • PRESIDENT Online
  • 更新日:2020/09/15

転職を考える理由として挙げられることの多いのが「職場の人間関係」ですが、それに加えて、もし、プライべートでも心を許せるコミュニティがなければ、多くの人は、自分の居場所はどこにあるのだろう? と悩んでしまうことでしょう。ただ、もしかすると、周囲に苦手な人ばかりがいる状況に陥ってしまう人は、実は、自分自身でそんな状況を作り出しているのかもしれないのです。苦手な人と距離を置き、自分らしく楽しく健やかに生きていけるようになるためのコツとは?

※本稿は、武田友紀『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

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※写真はイメージです(写真=iStock.com/takasuu)

「みんなと仲良くすべき」が人間関係をこじらせる

「誰かのことをキライって思ったことはありますか?」

人間関係のご相談で、こう尋ねることがあります。というのも、相手を嫌えないがゆえに、人間関係に苦労する繊細さんがいるからです。

繊細さんの中には、「キライ」を封じている人がいます。「みんなと仲良くするのがいいことだ」という世間の声をそのまま受けとってしまい、「誰かを嫌っちゃいけない」「人を嫌う自分がイヤ」と思ってしまうのです。

誰のことも嫌わずに生きていけたら幸せ! と思うかもしれません。本当にそうなのでしょうか?

実は「キライ」は生きていく上で大切なセンサー。「キライ」というのは、「この人は、自分に不利益をもたらす気がする。嫌な予感がする」ということでもあるのです。

「キライ」を封じると、「なんとなくキライだから関わらない」が許されず、自分で相手との距離感を調整することができません。相性のよくない相手との距離が、かえって近くなってしまうのです。

自分の中でキライを禁じていると、「嫌ってはいけない」を通り越して「相手を好きにならなければいけない」になってしまい、無意識のうちに自分から合わない相手に近づいてしまうことがあります。

総務の仕事をしている30代のTさんは、苦手な相手ほど「わかってもらわなければ」「いい関係を築かなければ」との思いが強く、自分から話しかけては相手の反応に傷ついていたといいます。

人間関係を理由に転職を考えていたそうですが、「苦手な人と距離をとってもいい。無理にわかってもらわなくてもいいんだ」と気づいてからは、自分からストレス源に近づくことが減り、ラクになって「今の職場でもっとがんばりたい」と思うようになったそうです。

Tさんは職場の例ですが、苦手な人にメールでニコニコした顔文字を送っていたり、SNSで自分から相手をフォローしたり友達申請をしたりと、苦手だと気づかれまいとして、かえって歓迎ムードを出しているケースがあります。相手は当然、歓迎されていると思ってしまいます。

キライを禁じることで、かえって苦手な相手との距離が近づいてしまうのです。あたたかい人間関係を作るには、苦手な相手をきちんと嫌って遠ざけることが必要です。

好きな人との関係を密にし、嫌いな人を遠ざける。「キライ」という一見ネガティブな感情であっても、自分の本音をそのまま肯定することで、自分に合った自然体でいられる人間関係ができていくのです。

周囲に映る「殻」を作っているのは自分自身

どうやったら共感できる相手、一緒にいて元気が出たり、自然体でリラックスできる相手に出会えるのでしょうか?

それをお伝えするために、まずは「人間関係の基本構造」をお伝えします。

人間関係の基本構造とは、「表に出している自分」に合う人が集まってくる、というシンプルな事実です。つまり、「本当の自分」を抑えて殻をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまうのです。

たとえば、本当はとてものんびりしている人が、職場では少し無理してテキパキしているとしましょう。

テキパキしていると、「テキパキしていていいな」と思う人がまわりに集まってます。そして、繊細さん自身、自分のテキパキした部分が評価されていることを感じきとるので、「のんびりした自分は求められていないんだ」とますますテキパキする。すると、さらにテキパキしたあなたを好きな人、評価してくれる人がまわりに集まる……。この繰り返しで、本当の自分を置いてきぼりにして、テキパキがよしとされる人間関係が作られてしまいます。

このテキパキは、「自分よりも相手を優先する」「わがままを抑える」などにも置き換えられます。自分の本心を抑えて相手を優先していると、「優先してもらうのが好き」な人がまわりに集まります。「相手を優先するあなた」がよしとされるので、自分の意見や感じ方に自信がなくなり、ますます自分を出せなくなってしまう。

自分を出さないようにして「殻」をかぶっていると、その「殻」に合う人が集まってきてしまうのです。

「今日は行けない」と断る勇気を持ち、去る人を見送って

この基本構造を踏まえて、繊細さんはどうしたらいいのでしょうか。

ズバリ、素の自分を出せば出すほど、自分に合う人が集まってラクになるのです。

今まで、相手の気持ちを優先していた人が、自分の意見を言ったり、嬉しいときも嫌なときも素直に顔に出してみるとどうなるか。

「自分の意見を持っているあなたが好き」「感情豊かなあなたが好き」と、自然体のあなたを好きな人がまわりに集まるのです。まわりの人が合う人なので、そもそも「嫌だな」と思うことにも遭遇しにくくなり、ますます自分らしく自分の意思を表現しながら生きるようになります。

これまで強く自分を押さえ込み、相手を優先してきた人が自分の意見を言い始めると、「人間関係の入れ替わり」が起こります。

自分の感情を顔に出したり、意見を言ったり、ときには友達の誘いを断ったりすることで「誘ったら断らないあなた」「なんでも頼み事を聞いてくれるあなた」が好きだった人が離れていく。「あなたの“殻”が好き」という、本当はあなたに合わない人たちが去るのです。

人が離れることで、一時的に寂しい思いをするかもしれません。でも、自分が感じていることを素直に顔に出し、やりたいことを大切にして過ごすうちに、必ず「素のあなたが好き」「あなたって素敵ね」という人たちと新しく出会います。

そして、皆が去っていくわけではなく、友人や家族、これまでの人間関係の中でも「そんなふうに思ってたんだ。どうしたいか言ってくれて嬉しい」と、あなたの気持ちや意志を尊重する人、あなたを大切にしてくれる人が残ります。

素の自分を出すにつれ、このように人間関係の入れ替わりが起こり、のびのびと自然体でいられる関係が増えていくのです。

自分に合う人がまわりに少ないという人は、えいやと勇気を出して「帰りに、あのお店に寄ってみたい」と自分のやりたいことを伝えたり、誘われても「今日はちょっと行けないんだ」と断ったりしてみてください。

最初は「言ってしまった」「断ってよかったんだろうか」と心が揺れるかもしれません。これまで自分の気持ちを出していなかったのであれば、うまく言えなかったり、心が揺れたりと、慣れないのは当たり前。自分の思いや意思を伝えるのも、自転車に乗るのと同じように、練習が必要です。やればやるほど上手になるので、少しずつ取り組んでみてくださいね。

自分の居場所は自分の中に作る

カウンセリングをしていると「どこにも居場所がない。寂しくてたまらない」という方に出会います。

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武田友紀『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』(飛鳥新社)

居場所がない。それは、本当は、自分の中に自分の居場所がないということなのです。

5人に1人が繊細さんとはいえ、繊細さんは世の中全体で見ると少数派です。同じ感覚を持つ人が少ない分、どうしても、相手に深く理解された経験が少ない傾向にあります。

わかってもらえない寂しさがつのると、自分の感覚や気持ちを理解してくれる人が現れたとき、「私の全てをわかってほしい! 全てを受け入れてほしい!」と自分の居場所を相手の中に求めてしまいます。

でも、考えてみてほしいのですが、人間はとてもたくさんの面や感情を持っています。誰かの感情や思考や過去、全てを自分の中に入れることができないように、自分の全てを相手の中に入れてもらうことはできません。

自分の居場所は、まず、自分の中に作ることが必要なのです。何か大変なことがあったら、「こんな自分はだめだ」と責めるのではなく、「つらいなぁ。よくがんばってきたな」と自分を慰め、いたわる。

自分の中に、自分の居場所をつくること。自分の味方でいること。それが、人とあたたかく関わるために一番必要なことなのです。対人関係のコツをお話ししてきましたが、その点をどうか忘れないでください。

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武田 友紀(たけだ・ゆき)
HSP専門カウンセラー
メーカーでの研究開発を経て独立。フリーのカウンセラーとして個人向けの人間関係カウンセリングや適職診断を行う。著書に『「繊細さん」の本』『「繊細さん」の幸せリスト』ほか。繊細の森にてコラム掲載中
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武田 友紀

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