【今日は回転寿司記念日】「寿司」を大衆食に!板前の思いが生んだ新しい日本の文化

【今日は回転寿司記念日】「寿司」を大衆食に!板前の思いが生んだ新しい日本の文化

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/11/22
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"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

寿司を大衆食に戻したい

今日、11月22日は、「回転寿司記念日」に定められています。これを制定したのは、大阪府東大阪市にある企業、元禄産業株式会社です。この元禄産業こそが、まさに「回転寿司の元祖」なのです。

元禄産業は、回転寿司チェーン「元祖廻る元禄寿司」を経営しています。元祖の名の通り、世界で初めてお寿司がレーンの上をまわる仕組みを導入したお店です。

今ではすっかりお馴染みの回転寿司。その誕生は今から60年以上前に遡ります。

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回転寿司は今や海外でもお馴染みになり、また、寿司の鮮度を保つカバーなどの新しい工夫も見られる Photo by Getty Images

元禄産業は、大阪出身の板前だった白石義明(1913-2001)によって創業されました。もともと小さな料理屋「元禄」を営んでおり、経営を安定させるために新たな方向性を模索していた白石は、寿司に目をつけます。

当時、寿司は今以上に贅沢な食事とされており、庶民にはなかなか手が届かないような値段で売られていました。白石が寿司に勝機を見出した理由はそこです。もし寿司が手軽に食べられるものになれば人気になると見込んだのです。江戸時代はすぐ食べられるところが人気だったお寿司を、「大衆食」に戻したいという思いもありました。

目論見通りの大繁盛、しかし新たな問題が……

こうして一念発起した白石は、隣の寿司屋に頭を下げ、寿司の握り方を教えてもらいます。わからないことはすぐに聞きメモを取る勤勉な姿勢の甲斐あってか、素早く技術を習得することができ、格安の立ち食い寿司屋をオープンするに至りました。目論見通りに大繁盛となります。しかし、ここで新たな問題が発生します。

店はあまりの繁盛により、来店からお寿司の到着までに待ち時間がかかるようになります。これでは、気軽にすぐ食べられるとはいえなくなってしまいます。困った白石は、何らかの技術で解決できないかといくつかの工場を見学しました。そして、あるビール工場で瓶が運ばれる様子から、天才的なひらめきに至ります。

ビール瓶がベルトコンベアで運ばれるのと同じように、寿司も自動で運んでしまえば良いではないか! この考えを思いついた白石は、すぐさま厨房から客の手元までお皿を運び、戻ってくる回転寿司のシステムを開発に取りかかります。

錆びない素材選びやカーブで止まらないような走路設計など調整を経て、1958年に「廻る元禄寿司」第一号店がオープンすると、今まで以上の人気を得ました。おいしいこと、早いことに加えて、その発想に感嘆した客が多かったそうです。1970年の大阪万博でも紹介され、世界中から「近未来的だ」との絶賛を受けました。

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大阪万博において、回転寿司の技術は電気自動車などと同等に評価されたんだとか Photo by Getty Images

現在は当たり前のように使われている回転寿司のレーン。実は、一人のアイデアマンであり、メモ魔であった白石の功績によってできたものなのですね。「回転寿司記念日」は、白石の誕生日である11月22日にちなんでつけられているのです。

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