ニュースによく出てくる「IMF」とは何のこと?

ニュースによく出てくる「IMF」とは何のこと?

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  • 更新日:2021/02/23
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経済関連のニュースでよく耳にする「IMF」。国際金融制度の中核的な機関であるIMFだが、その具体的な活動内容まで理解している人は少ないかもしれない。

そこで本記事では、IMFの目的や役割についてわかりやすく解説する。最後に、同じ略語でありながら意味の異なるIMFについても紹介したい。

IMFとは国際通貨基金の略

IMFとは「International Monetary Fund」の頭文字を取った略語で、国際経済の専門機関である「国際通貨基金」のこと。1944年7月にアメリカ合衆国ニューハンプシャー州ブレトン・ウッズで行われた「連合国国際通貨金融会議」で創立が決定され、「国際通貨基金協定(IMF協定)」が調印された。その後、IMF協定に基づき1945年12月に設立されたのがIMF。本部はワシントンD.C.に設置されており、IMFには日本人職員も在籍している。

IMFは、国際経済協力の体制を構築し、国際貿易の促進や為替の安定を図ることなどを主な目的とする国際連合の専門機関。加盟国の割当額(クォータ)を主な財源として活動している。割当額は、各加盟国の相対的な経済力に基づいて決定される。5年を目処に割当額の見直しが行われており、現在の割当額上位国は1位から順にアメリカ、日本、中国。

IMFの役割

IMFの役割は、加盟国が通貨に関して協力しやすい体制を整え、為替相場の安定と国際金融秩序の維持を図ること。加盟国の割当額を財源としてさまざまな経済政策を行っている。1970年代のオイルショックでは、石油輸入国の債務危機解消に向けて、IMFが中心的な役割を果たした。IMFの主な業務は以下のとおり。

為替政策の監視(サーベイランス)

加盟国の為替政策をはじめ、各地域や世界全体の金融情勢を監視。必要に応じ加盟国に対する助言を行う。IMF協定により、加盟国にはサーベイランスへの協力義務がある。加盟国に対するサーベイランスは、IMF協定の第4条に規定されていることから「4条協議」と呼ばれる。通常年1回、加盟国にIMFのエコノミストチームが派遣され、当該加盟国における金融政策の調査、評価が行われる。

金融支援

外貨不足に陥った加盟国に対し、外貨貸付などの財政支援を行う。融資上限額は、融資を受ける加盟国の割当額などを基準に算出される。支援を希望する加盟国は、経済調整プログラムを策定し、理事会の審査を受けた後に融資を受ける。過去にはウクライナやハンガリー、韓国などが通貨危機に陥った際にIMFが再建に向けた支援を行っている。

技術支援

専門知識を有した政策担当者が不足している加盟国に対し、経済や金融など各分野の専門家を派遣。加盟国の財政政策における問題の解決にあたり、政策遂行能力の向上を図る。技術支援や政府、中央銀行職員を対象とした研修なども行っている。

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IMFの組織運営

IMFの最高意思決定機関は、各加盟国の代表(総務)から構成される「総務会」。総務会では、運営に関する重要事項の決定などが行われており、加盟国には出資比率に応じて総務会における投票権が付与される。また、総務会に対する助言や報告を行う機関として「国際通貨金融委員会」、「世銀・IMF合同開発委員会」が設置されている。通常の業務執行については、加盟国から選出された24人の理事からなる常設理事会が行う。

加盟国

IMFの加盟国数は189か国(2016年5月現在)で、世界のほぼすべての国が加盟している。日本は1952年8月13日に53番目の加盟国として加盟した。

加盟国間の仮想通貨SDRとは

SDRとは「Special Drawing Rights:特別引出権」の略語で、加盟国間で利用できる仮想通貨のこと。1969年にIMFによって創設され、加盟国に割り当てられている。

外貨不足に陥った加盟国は、他の加盟国との間でSDRを米ドルなどの「自由利用通貨」に交換することができる。現在の自由利用通貨は、米ドル・ユーロ・日本円・イギリスポンド・中国人民元の5つ。2009年の世界金融危機では、1,826億SDRが加盟国に特別分配された。

なお、SDRは出資額に応じて割り当てられる。経済的に不安定な加盟国ほどSDR保有率が低くなるため、制度上の問題点として指摘されることがある。

世界経済見通し

「世界経済見通し」は、IMFをはじめ経済協力開発機構(OECD)や国際復興開発銀行(世界銀行)などの国際機関が発表する、世界経済の中長期的な予測。IMFは、1年に2回世界経済見通しを発表している。加盟国の経済情勢に関する考察も行われ、少子高齢化問題を抱える日本経済の予測なども公表。投資家が投資対象を選定する際の資料として、IMFの世界経済見通しを参考にすることも多い。

【番外編】映画『ミッションインポッシブル』もIMFと略す

一般的にはここまで紹介してきた「国際通貨基金」の意味で用いられるが、人気映画『ミッションインポッシブル』シリーズではIMFが違う意味で用いられている。

トム・クルーズ演じる主人公イーサン・ハートが所属するスパイ組織、「IMF(Impossible Mission Force:特殊作戦部)」。イーサン・ハートは、作品の中でIMFの敏腕エージェントとして不可能と思われるようなミッションを遂行する。

文/oki

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