[9.18 NBチャンピオンシップU-16準決勝 帝京高 1-1(PK4-5)飯塚高 時之栖うさぎ島G]
溢れる涙を両手で拭っていた。「みんなで絶対に1位になりたくて、去年が3位で終わってしまったので、『今年は1位になって欲しい』と先輩たちにも言われていて、先輩とか今日来れなかった人たちの気持ちも背負ってきていたから、悔しかったです」
帝京高(東京)はPK戦の末に準決勝敗退。涙の理由について明かしたMF中川航希(1年=FC LAVIDA出身)は敗戦を糧に、ここからさらにチーム一丸となって、強くなっていくことを誓っていた。
今大会、帝京はMF加賀屋翼やMF久保恵音、FW宮本周征らが攻守に強さを発揮。以前は波があり、優勢に試合を進めていても決めるべきところで決められず、失点して敗れる試合が増えていた。だが、今回の「ニューバランスチャンピオンシップU-16」は「みんな声掛けができていて、慌てず落ち着いてやれていたのが良かった」(中川)。先発も、交代選手もピッチに立った各選手が責任感を持って戦い、好プレーを見せるなど、勝ち上がる中で勢いを感じさせていた。
優勝校・飯塚高(福岡)との準決勝も「(前半の)飲水が終わってみんな落ち着いてきて、だんだん自分たちのプレーができるようになって回せるようになった」(中川)。前半15分に宮本のゴールで先制し、後半もペースを握っていたが、終了5分前の失点で追いつかれて優勝に手が届かなかった。
中川は「試合数が多くて、自分たちの守備があまりハマらない試合とかがあって、自分たちの体力とかもまだ足りていなかった」と反省。そのMFは、相手のわずかな隙を逃さずにパスを通す目と技術の特長をより磨き、課題を改善させる意気込みだ。
この日の敗戦を今後の成長の糧に。「まず(Aチームが戦う)プリンスに絡んでいったり、選手権で上の方に行って、みんなで、チーム一丸で、もっとチームを鼓舞して行って強くなれたらいい」。中川と久保は試合後、中学時代に在籍したFC LAVIDAから昌平高(埼玉)へ進んだ旧友たちと記念撮影。当時のスタッフへの感謝も口にしていた中川は、成長を続け、大舞台での優勝を果たす。
(取材・文 吉田太郎)
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