奈緒「いちばん影響を受けるのは役柄」 芝居の世界にどっぷりはまる

奈緒「いちばん影響を受けるのは役柄」 芝居の世界にどっぷりはまる

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  • 更新日:2022/05/14
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なお 1995年生まれ。福岡県出身。地元福岡での芸能活動を経て上京。「ポーラスター東京アカデミー」で1年演技を学ぶ。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(18年)の親友役にオーディションで選ばれ、翌19年に「終わりのない」で初舞台、「ハルカの陶」で映画初主演。MIRRORLIAR FILMS Season3「可愛かった犬、あんこ」が現在公開中。公開待機作に「TANG タング」「マイ・ブロークン・マリコ」。(撮影/張 溢文 ヘアメイク/竹下あゆみ スタイリスト/岡本純子(Afelia))

地元・福岡でモデルやレポーターとして活動しながら、「いつかお芝居にも挑戦してみたい」と考えていた奈緒さん。初めて芝居のワークショップに参加した高校生のとき、えもいわれぬ体験をした。

【写真】蒼井優だと勘違いする人続出!?「あな番」出演当時の奈緒さん「普段の自分では絶対に起こり得ないような感情が芽生えて、すごく驚いたんです。ありえないぐらい大きな声が出たり、あまり怒ったことがないのに、沸々と身体の奥に怒りの感情が湧いてきたり……。自分の新しい面に出会って、『私は、自分自身のことをよく知らないんだ』『自分の知らない自分が眠っていて、それが今後出てくるかもしれないし、眠ったままかもしれない』とか、いろんなことを感じました。自分のことで頭がいっぱいだったのが、『お芝居を通してなら、自分以外の人間にも、目を向けられるかも』と思ったんです」

生後7カ月で父を亡くし、父の顔を知らずに育ったせいだろうか。思春期を迎える前から、「人はなぜ生まれてくるんだろう?」という問いが、いつも頭の中にあった。「あの人は優しい」という会話を耳にしただけで、「本当に優しいってどういうこと?」と考えてしまう。そんな、物事を突き詰めていく性格が、俳優の仕事では役に立つと直感したのかもしれない。

20歳のとき、「ちゃんとお芝居がやりたい」と、母の反対を押し切って上京。CMなどの仕事をしながら、脚本家の野島伸司さんが総合監修を務める「ポーラスター東京アカデミー」で1年間演技を学んだ。

「お芝居をしていると、『私ってこんな冷たいところがあったんだな』とか、自分の弱い部分や愚かな部分、未熟さや貧しさに気づいて、ショックを受けることがよくあります。でも、登場人物たちには、見習うべきところや学ぶべきところがたくさんあって、そこから影響を受けて、『私も頑張ろう』って前を向ける。人は、生きていく中で、読んだ本に影響を受けたり、それまでに出会った人に影響を受けたりしながら、自分の生きる道を探っていくと思うのですが、私にとっては、人生において影響力を持った人物が、自分の演じる役であることがすごく多いんです」

そう言いながら、芝居が好きで好きでたまらないというその情熱を全身にみなぎらせる。ただ、突き詰めすぎる性格ゆえ、役にアプローチしていく途中で、「どうしてこんなに苦しまなければならないんだろう?」と、袋小路に入り込んでしまうこともなくはない。

「そういうときは、まだお芝居をやっていなかった頃の自分を思い出します。福岡の映画館で映画を観ていたとき、登場人物がもがいて、苦しんでいる、その姿に感情移入することで、自分が救われた経験があるので……。東京に出てから舞台を観るようになると、舞台の登場人物はドラマや映画以上に過酷な境遇を生きているのがわかって、自分の悩みなんて、なんてちっぽけ、と思えたりする。せっかくこういう仕事に就けたのだから、私も、自分が助けられたことの何分の一でも、お芝居でお返ししたいです」

(菊地陽子 構成/長沢明)

※週刊朝日  2022年5月20日号より抜粋

菊地陽子

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