今からでも間に合う「D4DJ」入門記事。プロジェクトの歩み、音楽モノとしての特徴、アニメ・アプリゲームの注目ポイントは?

今からでも間に合う「D4DJ」入門記事。プロジェクトの歩み、音楽モノとしての特徴、アニメ・アプリゲームの注目ポイントは?

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  • 更新日:2020/10/16
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Happy Around!「Happy Music♪」MV

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『BanG Dream!(バンドリ!)』『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』と、ここのところブシロードによる音楽メディアミックスプロジェクトが活況を見せている。

バンド活動に勤しむ少女たちの姿を切り取った『バンドリ!』や、演劇に夢をかける舞台少女たちを描いた『レヴュースタアライト』と、それぞれ扱う題材は異なるが、いずれもアニメとゲーム、ライブや劇といったイベントとさまざまなプラットフォームを股にかけながら多彩な魅力を放ち、多くの支持を集めてきた。

ブシロードにとって、『バンドリ!』『レヴュースタァライト』『D4DJ』3タイトルを合わせて「音楽メディアミックス三部作」という位置づけにあるという。
『D4DJ』はどんな驚きに満ちたコンテンツに育っていくのか……それを探るためにまずは過去2タイトルを振り返りたい。

■2次元キャラ・声優・リアルイベント…『バンドリ!』『レヴュースタァライト』の軌跡

2015年に産声をあげた『バンドリ!』は、キャスト陣がキャラクターを演じるのみならず、実際に楽器に手を取って演奏するスタイルが大きな注目を集めた。

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最初は小さなライブハウスからスタートしたプロジェクトも、アニメやスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』のヒットともにその支持は拡大、日本武道館をはじめとした大規模なライブを成功させた。

一方では人気バンド・SILENT SIRENとのコラボレーションや「ROCK IN JAPAN」といった超巨大フェスに出演するなど、アニメやゲームの枠に囚われない活躍を見せている。

今年の夏も久々となる観客を迎え入れての野外ライブ「BanG Dream! 8th☆LIVE」夏の野外3DAYSが開催され、Poppin’Party、Roselia、RAISE A SUILENといったバンドに加えて、第4のリアルバンド・Morfonicaが初ステージを踏むなど、プロジェクトスタートから5周年を迎えるなか、さらなる進化を見せている。

『バンドリ!』の活況なか続いて2017年にスタートしたのが『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』。

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ブシロードが2.5次元舞台を多く手がけるネルケプランニングとタッグを組み、ミュージカルとアニメで同じキャストを組む意欲的なプロジェクトとなった。

舞台とアニメを相互リンクさせることで既存のアニメファンには、ライブ観覧とは異なる”観劇”という体験を提示した。

また舞台やアニメのほかにも、アプリゲーム『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-』やメインキャストによる音楽ユニット・スタァライト九九組などメディアミックスが多く展開されている。今夏はTVアニメの再生産総集編となる『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』が公開、2021年には完全新作劇場版の公開が予定されている。

■新プロジェクト『D4DJ』が生まれるに至った文化的背景

そんなブシロードによる音楽メディアミックスプロジェクトの最新作となるのが『D4DJ』である。

バンド、演劇と続いて、今回テーマとなるのがタイトルにもある”DJ”。2020年10月30日(金)にはいよいよTVアニメ『D4DJ First Mix』が放送、また2020年10月25日(日)にはアプリゲーム『D4DJ Groovy Mix』のリリースが控える今、ここで改めて『D4DJ』の歩みを振り返っていこう。

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DJとはもともと、音楽をセレクトして再生する存在(ディスク・ジョッキー)のことを指す。そこから発展して2台のターンテーブルを駆使してふたつの曲を途切れず流したり、音源をループさせたりすることで新しいビートを生み出すなどして、ヒップホップやハウス、テクノなど1970年代以降の世界の音楽シーン形成に大きな影響を与えてきた。

近年ではEDMのブームなどによりその支持層は拡大し、DJスタイルのライブが世界中のアリーナやスタジアムで行われるようになっている。

ちなみにブシロードの木谷高明会長が『D4DJ』の着想を得たのは、海外でアメリカの人気ユニット、ザ・チェインスモーカーズのライブを観たことがきっかけだという。

また日本に目を向けてみると、2000年代後半から秋葉原の「MOGRA」や川崎の「月あかり夢てらす」などのクラブを舞台にアニソンを主としたクラブイベント、いわゆる”アニクラ”というカルチャーが盛り上がりを見せている。

そこから近年はメジャーレーベルがDJを招聘してアニソンのMIX CDを制作したり、大規模なアニクラのイベントが開催されるなど、アニメ音楽シーンもまたクラブカルチャーと接近するフェーズに入っている。

そのルーツのひとつには、90年代から2000年代初頭に盛り上がりを見せた、アニメ/ゲームソングなどに合わせてコスプレイヤーを含む観客が踊るコスプレダンパ(ダンパ)というものがある。

なかでも有名だったのが、ブロッコリーが主催していたコスプレダンスパーティー、通称”コスパ”だった。

■従来のバンドサウンド主体とは異なるライブ体験

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アニソンも含む現行の音楽カルチャーのなかでも大きな存在感を放つDJをテーマとした『D4DJ』。

その始まりは2018年12月に渋谷のクラブ・SOUND MUSEUM VISIONにて開催されたイベント「ブシロード DJ LIVE」からだった。

「ブシロード×声優・アーティスト×DJ」というコンセプトのもと、DJブースをバックに声優やアーティストが歌うこのイベントのスタイルは、のちの『D4DJ』を見据えたある種トライアル的な要素も含まれていた。

その後2019年4月には新木場STUDIO COASTに場所を移して第2回が開催され、そこで初めてDJを盛り込んだ音楽コンテンツ『D4DJ』のプロジェクトの存在が発表された。

そしてそこから3ヵ月後の2019年7月、幕張メッセにて「D4DJ 1st LIVE」が開催され、ここでついに『D4DJ』が本格始動する。

「D4DJ 1st Live」は、開催まで一部キャストの存在以外の情報はほとんどない状態で、登場キャラクターとそのユニット、それを演じるキャストがライブ当日に初めて発表される画期的な構成で、この日集まった観客はここで初めてライブとともに『D4DJ』の実態を知ることとなった。

そうした予習のほとんどできない状態で鳴らされたサウンドがまた圧巻だった。幕張メッセのステージに巨大なDJブースがそびえ立ち、その前にほかのメンバーが歌とダンスのパフォーマンスを見せる。

きらびやかなステージを見ながら音圧を体で浴びるという体験は、これまで聴かれたバンドサウンド主体のライブとはまたひと味違った新鮮なもので、まさに『D4DJ』という新たな音楽エンターテインメントの誕生を感じさせる瞬間でもあった。

■多種多様な個性を放つユニット群

1st LIVEで見られた『D4DJ』の音楽コンセプトは、ざっくり言うとDJを軸にした4人組のダンスボーカルユニットである。しかしひと口にダンスミュージックといっても、その音楽性やパフォーマンスは実に多彩で、それがまた『D4DJ』の大きな魅力になっている。

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ポジティブで元気いっぱいなパフォーマンスとともにキャッチーなパーティー感を演出するHappy Around!、カリスマ・山手響子を筆頭にストイックでハードなサウンドを聴かせるPeaky P-key、スペーシーなルックスとEDMサウンドで観客を魅了するPhoton Maiden、さらにはトロピカルでセクシーな衣装でパリピ感満載のパフォーマンスを見せるMerm4id(マーメイド)、クールな黒服に身を包んでロッキンなサウンドを聴かせる燐舞曲(ロンド)、そしてイノセントな歌唱が印象的なお嬢様学校出身のLyrical Lily……という6ユニットが現在活動中だが、それぞれ異なる作品の主人公のように個性的な魅力を持っている。

それらは現在発売されている2枚のアルバムと各ユニットのシングル、そしてカバーアルバムからも窺い知ることができるだろう。

■各音楽プロデューサーがユニットの個性を光らせる

そうした多彩な音楽性を実現させたのが、『D4DJ』もうひとつの特徴である、ユニットプロデュース制だ。
斎藤 滋(Happy Around!)、Elements Gardenの上松範康(Peaky P-key)、水島精二(Photon Maiden)、都田和志(Merm4id)、中山雅弘 WITH eMPIRE SOUND SYSTeMS(燐舞曲)、中村 航(Lyrical Lily)とそれぞれのユニットに音楽プロデューサーを個別につけることによってよりサウンドに個性が際立ち、ユニット同士がいい意味でバチバチとしたライバル関係を築いている。

またこうした個別プロデュースを敷くことでその音楽性だけではなく、それぞれのユニットの独自活動を促進させている。
例えばMerm4idがそのルックスを活かしてグラビアBlu-rayをリリースしたり、燐舞曲が音楽専門チャンネルで冠番組をスタートしたりするなど、すでにユニットごとにフェスやメディア出演など『D4DJ』という括りから脱したユニットそのものの独自活動が早くも進んでいる点も興味深い。
いわゆるアニメ、ゲーム、ライブといった主要のフォーマットだけに捉われない、新たな可能性を模索する自由さが『D4DJ』にはあるのだ。

■TVアニメ・アプリゲーム、それぞれの注目ポイントは?

さまざまな場所で『D4DJ』という名がにわかに注目されているなか、2020年10月30日(金)には待望のTVアニメ『D4DJ First Mix』が放送スタートとなる。

監督は、自身もPhoton Maidenのプロデューサーを務め、これまで数々のアニメ作品でアニソン史に残る名曲たちとタッグを組んできた水島精二。彼が本作で目指したのは「音楽を通した少女たちの成長物語」だという。

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そのストーリーは帰国子女の愛本りんくがDJと出会い、Happy Around!を結成して音楽活動を始めるところからスタートするという、りんくたちと『D4DJ』の始まりを知れる内容になっている。

現時点で予想するなら、現在すでに盛り上がりを見せつつある『D4DJ』というコンテンツと我々をつなぐような、まさに『D4DJ』に最初に触れるには打ってつけの作品となっているに違いない。

そんなアニメに期待が集まる一方で、現在事前登録中のゲーム『D4DJ Groovy Mix』もまた、そのローンチが待望されている。

この『グルミク』では、『D4DJ』のオリジナル楽曲やカバー曲に合わせて画面をタップして遊ぶリズムゲームとなっている。ビートにフェティッシュな『D4DJ』のサウンドは、音楽を直感的に楽しむリズムゲームと非常に親和性が高い。

きたる『1st Mix』と『グルミク』、それぞれの楽しみ方でこの秋以降は『D4DJ』の音楽世界にどっぷり浸かることができそうだ。

多彩な音楽アプローチ、彼女たちの成長を見つめるTVアニメ、魅力的な楽曲をその手でプレイできるアプリゲームとさまざまなフォーマットで展開が始まり、いよいよその全貌が明らかになろうとしている『D4DJ』。

入り口はたくさんあるが、どこから入ってもダンスミュージックが本来持つプリミティブな魅力や、彼女たちのキラキラとした輝きに触れることができるはず。そして一度触れれば、そのあとはもう踊るだけだ。

澄川龍一

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