寺島惇太「拝啓、日陰から」4陰キャとSNS

寺島惇太「拝啓、日陰から」4陰キャとSNS

  • ダ・ヴィンチニュース(マンガ)
  • 更新日:2022/01/15
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陰キャにとってSNSは付き合い方が難しいツールのひとつです。いや、「好きなことを好きなように呟けばいいじゃん」と言われてしまえばそれまでですが、ぼくは声優を生業にしているのでそこに輪をかけるようにややこしさが増してしまうんです。

寺島惇太「拝啓、日陰から」③陰キャと将来の夢

たとえば、最近のぼくは「ストイックマン」を売りにしていて、ダイエット食をアップしています。プロテインやサラダ、鶏肉などの写真とともに、ストイックにダイエットを頑張っていますとツイートしているのです。一生懸命に体を絞ろうとするなんて、まるで陽キャみたいですね。

ところが、そんなツイートをすると「寺島、モテようとしてないか?」と邪推されてしまいます。これが生粋の陽キャであれば、「いつものように頑張っているんだね」と流されるだけだと思うのですが、ぼくの場合、「陰キャの寺島がストイックなダイエットなんてするわけがない。なにか裏があるぞ」と受け止められてしまう。なんて悲しい……。慣れないことはするもんじゃない、とつくづく思います。

また、SNSを使っていると意味のない「卑屈さ」が顔を出してしまうこともあります。たとえば、ぼくが出演した作品やイベントの告知をするとき。多くの声優が「絶対に観(見)てください!」「遊びに来てください!」とツイートしますが、ぼくにとってはそれが非常に難しい。

仮にぼくを応援してくれている方に向けて「絶対に観てくださいね」と告知したとしても、中にはのっぴきならない理由で観られない人もいるわけです。大事な予定が入っていたり、どうしても外せない仕事があったり。そうすると、その人たちは「寺島が絶対に観てくれと言っているのに、観てあげられないなんて申し訳ない……」と罪悪感を抱いてしまうかもしれない。ぼくの何気ない告知ツイートによって、皆さんに申し訳なさを感じさせてしまうなんて、それこそ逆に申し訳ないことです。

だからぼくは、「お時間があったら観てください」「気が向いたら来てください」という、なんだか遠回りな言い方ばかりしてしまいます。本当は観てほしいし、会いにきてほしいけれど、「ぼくなんかのために何かを犠牲にする必要ないですよ」というスタンスを貫くのです。

時折、アーティストが「次のアルバム最高なんで、絶対に聞けよ!」なんて告知しているのを見かけますが、もう、格好いいですよね。あれは相当な自信がないと言えない言葉です。それを踏まえると、ぼくは常に自信がないのかもしれません。もちろん、どんな作品にも全力投球していますし、絶対に面白くさせるぞ、満足させるぞという志は持っています。それでも、どんなに頑張ったとしても、お客さんが満足してくれるかどうかは不確定なこと。それが怖くて、まるで保険をかけるように遠慮がちな告知しかできないのです。もうこれは昔から。そう、ぼくは昔から保険野郎なんですよ!

だからぼくは、エゴサもバンバンします。「自信がないくせにエゴサ?」と思われるかもしれませんが、自信がないからこそするんです。作品やキャラがどうだったかなんて、自分では判断ができないところも大きい。客観的な視点は大事です。そんなときにエゴサして、「寺島の演技に感動した」「よかった」なんて呟きを見つけると、自信につながっていきます。アニメの放送があった日の夜は、スマホとにらめっこです。

悪口を見つけてしまうこともありますが、ショックを受けていたのは最初の頃だけ。こちらの事情を無視したクレームに近いものはスルーできるようになりました。また、中には的確な批判もありますが、それはぼくも自覚しているミスだったりするので、その場合は「ですよね、わかってるんです。すみません」という気持ちになるのみ。なので、エゴサによって大ダメージを受けることはほとんどありません。繰り返しますが、むしろ自信や学びにつながることのほうが多いんです。

だからみなさん、ぼくのお芝居に感動したときにたまたま時間に余裕があって褒めてやってもいいかなぁと思ったら(保険)素直にそう呟いてくださいね!

【著者プロフィール】
てらしま・じゅんた●1988年8月11日、長野県生まれ。2009年に声優デビュー。『アニメガタリズ』『TSUKIPRO THE ANIMATION』『アイドルマスター SideM』『KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-』『A3!』といったテレビアニメを中心に活動するほか、ゲームやドラマCD、映画の吹き替えなどでも活躍。また、2019年には『29+1 -MISo-』でアーティストデビューも果たす。2021年12月には3rdミニアルバムも発売予定。

構成協力=五十嵐 大

<第5回に続く>

ダ・ヴィンチニュース

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