【ファッションとサステイナビリティー】ゾゾが四つの重点施策を推進 次第に現場から、できるところから

【ファッションとサステイナビリティー】ゾゾが四つの重点施策を推進 次第に現場から、できるところから

  • 繊研plus
  • 更新日:2023/01/25

ゾゾは、21年4月に「サステナビリティーステートメント」を発表。その後、専門組織を軸に活動を具体化してきた。小売りであり、ECサイトであるという立場でできることは何か。模索しながら、ゾゾならではの仕組み作りや、地元・千葉への貢献などに取り組む。現場からの発案も増え、全社での意識も高まっている。

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ゾゾが掲げたステートメントは、「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」。その掛け声のもと、①サステイナブル(持続可能)なファッションを選択できる顧客体験の提供②廃棄ゼロを目指す受注生産プラットフォームの構築③ファッションに関わるすべての人のダイバーシティー(多様性)、エクイティー&インクルージョン(公平性と包括性)推進④持続可能な地域づくりへの貢献――の四つを取り組みの重点として掲げている。

トップから方針明確に

ステートメント発表に先立ち、20年11月にはSDGs推進委員会を設置している。トップが方針を明確にすることに意義があるとの考えのものと、澤田宏太郎社長兼CEO(最高経営責任者)が委員長を務め、副委員長のクリスティン・エドマン執行役員をはじめ、経営陣中心の組織となっている。委員会と連携する事務局を、コミュニケーションデザイン室内の「サステナビリティ推進ブロック」が担い、各事業本部と連携。推進ブロックと、各事業本部の社員で検討議会を開きながら具体的な施策を進めている。

検討議会にかかわる社員は、推進ブロックのメンバーを合わせて100人近い。当初は推進ブロックから「こんなことができないか」と声掛けをして動いていたが、次第に現場から「パッケージならこんなことができるんじゃないか」などと意見が出てくるようになってきた。

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ダイバーシティーなどを考える社内イベントをテーマを設けて実施

直近の取り組みで手応えを感じたのは、11月29日に「ゾゾタウン」内に開設した常設コンテンツ「エラブバイゾゾ」。出店ブランドのサステイナブルな活動を紹介している。〝選択できる〟という重点に基づく編集方針だ。アップサイクル木材のパッケージが斬新なスキンケアブランド「バウム」(資生堂)や、「ページボーイ」(アダストリア)のジェンダーフリーライン「ページボーイリム」などをピックアップ。ブランドディレクターや経営陣へインタビューし、その背景を掘り下げており、ブランド側から「ぜひ載せてほしい」とリクエストが相次いでいる。

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「エラブバイゾゾ」のコンテンツイメージ

選択できるという点では、モール内にあるサステイナブルな商品に全てグリーンマークが付いている、といった形が分かりやすいとも言える。しかし、個々の商品がどんな基準を満たし、誰が担保するのかといった点の整備には時間がかかる。まずはできるところから着手していこうとの考えだ。

作りすぎへ解の一つを

昨秋には二つ目の重点、廃棄ゼロを目指す受注生産プラットフォーム「メイドバイゾゾ」の稼働が始まった。メイドバイゾゾは、ゾゾタウン上で、出店ブランドが1着から商品を受注販売できるサービス。ゾゾが素材の調達から縫製までコントロールする。ファッション業界が糾弾されがちな、作りすぎ問題への解の一つに位置付ける。

ダイバーシティーでは、澤田社長とLGBTQ(性的少数者)の当事者でもある社員が対談、社内に配信したり、30年までに女性の上級管理職比率を30%に引き上げるため、社内教育や人事制度に着手している。

地域貢献は、前社長・前澤友作氏の時代から千葉愛に基づいた多様な施策を継続。地元の小学校から大学まで、ゾゾタウンのビジネスの仕組みといった内容の出前授業も行っている。

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社員を派遣しての出前授業

重点以外でも、物流倉庫ゾゾベースで、再生可能エネルギー由来の電力使用が9割となるなど、「当たり前のこと」として進めていることは多い。ゾゾユーズドも事業として10年を経た。今後も、社会への貢献をゾゾらしく続けていく。

澤田社長に聞くステートメントの背景

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澤田宏太郎社長兼CEO(最高経営責任者)

ゾゾは社会を常に意識してきた会社。東日本大震災の時の売り上げの寄付、昨今ではウクライナへの人道支援も含め、制度やルールだからというのではなく、社会に貢献したいという思いを常に持ってきた。その思いに加え、僕が代表になった時、一つきっかけがあった。それがコロナ。突然店舗が運営できなくなり、物が売れない、お金が回らないという状況がブランドさんにあって、ゾゾでとにかく商品を売って、現金化してほしいという切実なお願いが各所から上がった。

それまで、ネットが盛り上がっているとはいえ、EC比率は2割程度。業界におけるインパクトはその程度と何となく思っていた。それが一気に、業界の行き先を左右するくらいのインパクトをゾゾが持ち始めていると感じるようになった。その辺りから、我々は社会貢献について能動的に取り組まなければならないなとの考えが出てきた。しっかり明文化し、対外的にも示した上でやる必要があると。

ただ、小売り、そしてネットという領域で何ができるのか。そこが容易に定まらず、かなり議論した。一つ方針があるとすると、小売りにはつながるという点がある。消費者とメーカーとブランドをつなげている。サステイナビリティーの取り組みでも、そこを一番重要な点にすべきと考え、「ファッションでつなぐ、サステナブルな未来へ。」という言葉に仕上げた。消費者とブランドを巻き込み、つなげ、ムーブメントを作る。その先導役になりたい。

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(繊研新聞本紙23年1月25日付)

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