新種の海綿動物を発見 教授「生態系や生物の進化の解明へ」 沖縄県立芸術大などが発表

新種の海綿動物を発見 教授「生態系や生物の進化の解明へ」 沖縄県立芸術大などが発表

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  • 更新日:2023/05/26
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洞窟の壁に付く新種の海綿動物「クラヤミモミジマトイ」(黒潮生物研究所提供)

沖縄県立芸術大は、黒潮生物研究所や名桜大、仏エクス・マルセイユ大との共同研究により、新種の海綿動物を国頭村沖や宮古島市下地島沖の海底洞窟で発見したと発表した。2013年から海底洞窟を調査している県立芸術大の藤田喜久教授は「特殊な環境の海底洞窟で新種が見つかったことは重要な発見。生態系や生物の進化の解明につながる」と意義を語った。

新種は、光が届かない真っ暗な海底洞窟内で生息しており、体表を覆う骨片の形をモミジに見立てて、「クラヤミモミジマトイ」という和名が付けられた。

新種が見つかったのは、淡水と海水が混ざって塩分が低下した汽水域の洞窟。このような洞窟に生息する海綿動物は世界に5例しか報告がないという。インド洋から西太平洋の海域では初の発見となる。

研究内容は16日付で学術雑誌「ズータクサ」に掲載された。論文筆頭著者で同研究所の伊勢優史博士は「まだ公表されていない海綿動物は数多くいる。さらに調査を進め、生態系の研究につなげていきたい」と話した。(社会部・普久原茜)

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