
8回、長岡を二ゴロに打ち取り、ピンチを脱した秋山は声を出しながらベンチに戻る(撮影・中田匡峻)
「オープン戦、ヤクルト3-0阪神」(19日、神宮球場)
阪神先発の才木は球自体は悪くなかったが、勝負を急いで失点した印象だ。先制を許した三回1死三塁の場面は、カウント1-2からの甘く入ったカーブを捉えられたもの。四回無死一塁からのオスナの2ランも、同じく1-2から内角に直球を投じて浴びた一発だった。やや速球に頼った投球にも映ったし、追い込んでからは、もう少し丁寧な配球で攻めてほしい。
逆に秋山は、まさに丁寧という言葉がぴったりの投球であった。100キロ台のナックルカーブも織り交ぜながら、緩急を駆使して打ち取っていく。この日の最速は才木が152キロ、秋山は140キロにも満たない。侍ジャパンがチェコの遅球にてこずったのと同じ。投手は球速だけじゃないということを示した。
野手では森下以外に見どころのない一戦だった。まだ開幕していないとはいえ、佐藤輝は3三振に八回の失策…。アピールに必死で、懸命さが目立ったヤクルト若手のプレーとは対照的であった。