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体の関係から始まると恋じゃない、のか...?女性用風俗を描いて思うこと

体の関係から始まると恋じゃない、のか...?女性用風俗を描いて思うこと

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2021/07/21
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『ホタルノヒカリ』の作者・ひうらさとるさんの最新作『聖ラブサバイバーズ』第2巻では、「女性用風俗」が取り上げられている。女性用風俗を描くとはどういうことなのか、これまでの漫画では描かれなかった描写とは、自分の欲求とどう向き合えばいいのか――ひうらさんと担当編集の助宗佑美さん・粕谷理美さんの特別座談会後編!

(前編「友達とノリで『女性用風俗』利用…いま女性たちが本当に求めているもの」はこちら)

《あらすじ》
王子から求められないその痛みも、身体から湧き出る衝動も、ときめきで押さえ込んでいたハル。自分の中にある性欲に気づいているのに、触れ合いたいその想いは王子に伝えられずにいた。そんなあいまいリレーションシップな2人だったが、突然王子からハグをされ事態は急展開!! 一方、恋愛に振り回されたくない秋菜は"性"をお金で買い、忘れられない特別な体験をして...!? ときめきと性欲を持て余す、アラフォー3人の冒険は始まったばかり!!!

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取材したからこそ描けたこと

――『聖ラブサバイバーズ』第2巻では、前編で語っていただいたような取材された結果、一連の流れが丁寧に描かれていますね。

粕谷:秋菜ちゃんのシーンはすごいですよね。ひうらさん史上最もエッチでした。

ひうら:私もあんなシーンをいっぱい描いたのは、初めてでした。

助宗:けっこう具体的に……外から触るだけでこんなにイケるんだとか、知らないことをたくさん描いていますよね。サービスとはいえ、ちゃんと女性の身体を知ってアプローチすることが求められている、そういう時代がちゃんと来ているんだという安心感もありました。

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『聖ラブサバイバーズ』第2巻より

ひうら:秋菜は肉食なんですけれど、それでも最初は戸惑う感じとか、お金を介在させて生身の男性からサービスを受けることのちょっとした後ろめたさとか、そういう導入を丁寧に描きました。

助宗:シーンの作り方は、少女漫画の王道ですよね。たとえば、セラピストがひざまずきながらスマホでクレジットカードの決済処理をして、そのあとでメガネを取るシーン。まるで王子様が指輪をはめるような描写で、典型的なトキメキのシーンでありながら、描いている中身には新しさを感じました。

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『聖ラブサバイバーズ』第2巻より

ひうら:あと下着を取るのが一瞬だったという話やシーツがビショビショになったというような取材で得た情報をふんだんに盛り込みました(笑)

助宗:あとマッサージ後のお風呂のシーンなども取材したから描けた部分ですよね。ものすごく優しいし、どうなっても必ずフォローしてくれる安心感があったと聞いていて。漫画でこうしたピロートーク的なシーンを丁寧に描いているのは珍しいと思います。

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『聖ラブサバイバーズ』第2巻より

ひうら:そうですね。普通は行為のシーンが一番盛り上がるところですからね。

助宗:これまでの漫画では、行為直前が一番キュンとするシーンで、あとはもう事後という描き方が多いように思いますが、その間やその後に何が行われているのかをきちんと描けたのは取材の成果ですね。そして、女性用風俗においてそここそがポイントなんでしょうね。何回見てもエッチだな〜〜(笑)

体の関係から始まると恋じゃない?

――第2巻で女性用風俗を利用する秋菜は、もともとはワンナイト的なセックスをしてきたところから、「最後までしないセックス」の沼に溺れていくといった変化も描かれていますね。

ひうら:この後、秋菜はどんどんセラピストのナオキさんにハマっていきます。今までは恋愛とセックスは別物のような感じで執着がなかったんですけど、性欲から始まるのははたして恋なのかどうかみたいな葛藤をこれから描いていこうかなと思っています。

助宗:体の関係から始まると恋じゃないという思い込みってありますよね。

ひうら:そうそう!特にワンナイトから始まると、向こうも本気じゃないかもしれないからこっちも本気にならないようにしようみたいな……。

助宗:差し出されているものの重さを確認してしまって、自分もその重さに合わせなきゃと思っちゃいそうですよね。でも、これから体から始まることの良さ悪さについても議論していきたいですね。

粕谷:むしろ1回セックスしてから付き合った方が、体の相性を確認できていいかもしれない……。

助宗:言葉にも表れますよね。童貞は「捨てる」なのに、処女は「捧げる」と言うように、「未経験であること」の価値が男女で全然違いますよね。そう考えると、男性もプレッシャーを感じていそうですよね。

「やっぱりみんな孤独…」

――童貞やEDもそうですし、「リードしなきゃ」みたいプレッシャーはあるかもしれませんね。そういう話を男性同士ですることはないですが……。

助宗:そう!みんなしないって言うの!

ひうら:男性ってエッチなバカ話はするけど、真剣な悩みを話さないって言いますよね。

――そういう場もないですし、そういう関係性の人もあんまいないですね。たしかに男性が自分の抱えていることを言語化して誰かに共有・相談するような機会って全然ないかもしれません。

助宗:やっぱりみんな孤独なんだ……。そういう意味では、女性が男性に期待しすぎていたり背負わせすぎていたりする点も今後描いていきたいですね。

――だから『聖ラブサバイバーズ』は男性が読んでもすごく考えさせられると思います。AVを見すぎてセックスに(悪)影響が出るような人もいるなかで、女性への向き合い方を見つめ直す機会になるんじゃないかなと。

ひうら:そうだったら嬉しいです。やっぱり最初に若い頃にAVに触れて、あれがノーマルだと思ってしまうと、女の子も男の子も不幸だと思うんです。なので、そういう部分を女性側から見せていき、少しでも現状を変えていくことができたらと思っています。

自分の欲求とどう向き合うか

――セックスや性欲との向き合い方などについて、『聖ラブサバイバーズ』が新しい視点や論点を提供して、読者の方々を中心に議論や対話が始まったり、新たな価値観が生活に反映されていったりしていくといいなと思います。最後に第2巻の見どころを教えてください。

粕谷:私は20代最後の歳で、第2巻でクローズアップされる秋菜ちゃんは26歳。20代の女子会ではこんなことしちゃったという話をして、ゲラゲラ笑って終わることはよくあります。でも、そんな中で、秋菜ちゃんが自分の欲求にちゃんと向き合おうとしている姿をぜひ見てほしいです。

助宗:女性用風俗を利用する前にどのようにドキドキするのかがすごくよく描けていますし、昔から自分の中に持っている規範や価値観によってそういう感情になるんだということがわかります。自分の欲求との向き合い方を見直すきっかけになればと思います。

ひうら:やっぱり秋菜の女性用風俗編を頑張って描いたので見てほしいです。こういう話は、興味が出て検索してもいろんなサイトが出てきてどうしていいかわからない人も多いと思うので、『聖ラブサバイバーズ』第2巻を読んで疑似体験のような形で楽しんでいただけたら嬉しいです。

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